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AIをクラウドからエッジへ Microsoft開発者イベント「Build 2018」を読み解く鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(4/4 ページ)

» 2018年05月10日 17時30分 公開
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オープンソースの波を利用するMicrosoft

 エッジ側の話題が多かった今回のBuildだが、クラウド方面でも幾つかトピックが出ている。1つはGitHubとの連携だ。ソフトウェア開発プラットフォーム「Visual Studio App Center」とGitHubをリンクさせることで、リポジトリやワークフローを一本化できる。

 Microsoft側のDevOpsとしては「Team Foundation Server」が提供されているが、一方でオープンソース文化を背景にGitHub活用の機運が盛り上がっており、Microsoft自身を含む多くのプロジェクトがGitHub上に存在している。活用のためのノウハウも多数蓄積されており、社内教育面からみた利用開始のハードルが低いのも大きなメリットのようだ。

 実際、GitHub上で最も盛り上がっているオープンソースプロジェクトはMicrosoftの「Visual Studio Code」であることは広く知られており、こうした流れをうまくVisual Studioや同社の開発者向けサービスに取り込みたいと考えるMicrosoftにとって、この提携は大きな意味を持つ。

Build 2018 米Microsoftエンタープライズ部門担当エグゼクティブバイスプレジデントのスコット・ガスリー氏(左)とGitHub SVPテクノロジーのジェイソン・ワーナー氏(右)が登場して、Visual StudioとGitHubの連携をアピール

Cognitive Servicesの活用で動画や写真の分類も手軽に

 Cognitive Servicesの活用も興味深い。音声認識や画像認識が「使える」レベルにまで向上することで、これまで人力だったような動画や写真の分類作業が自動で行えるようになり、「テキスト」による横断検索が可能になった。

 データの種類を選ばずにインデックス化と検索ができるわけで、膨大なデータを抱える企業がこれを活用し、さらなる利益を生み出すサービスやコンテンツを作成するきっかけとなるかもしれない。

 NBAでの活用事例を紹介していたが、特定の人物の追跡やハイライトシーンの抽出、「Nike」と入力してブランドシューズをインデックスから取り出したりと、使い方次第でさまざまな応用が期待できそうだ。

Build 2018 Cognitive Servicesを通じてあらゆる種類のデータを横断して検索が可能に
Build 2018 NBAではCognitive Servicesを組み合わせて膨大な記録データをインデックス化。ハイライトの抽出や広告要素の切り出しなど、活用を可能にする
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