クラウドとオンプレNASのいいとこ取り――そう、Synologyならね!(1/2 ページ)

オンプレミスのNASとクラウドのオンラインストレージ、それぞれのメリットとデメリットを相互補完する新サービス「Synology C2 Backup」に注目。

» 2018年05月15日 10時00分 公開
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 NASキット「DiskStation」のメーカーであるSynologyが、DiskStationのバックアップに特化したクラウドストレージサービス「Synology C2 Backup」の提供を開始した。オンプレミスとクラウドのコラボレーションによってNASのバックアップはもう1つ上のステージに到達した。

オンプレ vs. クラウド

 Synologyをはじめとする安価で高性能・高機能なNASの普及が目覚ましい。今やNASは企業で使われる「特殊な装置」ではなく、家庭用ファイルサーバとしても利用されることが多くなった。

 その一方でクラウドストレージの利用も増えている。スマートフォンのバックアップ用に提供しているキャリアも多い上に、GoogleやMicrosoft、Apple、Amazonなどが提供するクラウドストレージサービス自体も年々増加している状況だ。

 NASとクラウドストレージはどちらも「ネットワークを介して利用するストレージ」という意味では同じだが、互いにメリットとデメリットがある。

 NASはオンプレミスで構築するため、初期費用がかかる、ハードウェアの故障対策が必要などのデメリットがある半面、同一ネットワークから利用するため、データ転送が速くセキュリティを確保しやすいというメリットがある。

 クラウドストレージサービスの場合はその逆で、初期費用が掛からず従量課金、ハードウェアの故障対策はプロバイダー側で実施というメリットと、インターネット経由による速度の頭打ち、不適切なパスワード設定による乗っ取りの危険といったデメリットが挙げられる。

 そのため、「どちらがよいのか」という判断は難しい。むしろ、どのようにしてNASとクラウドストレージを使い分けるか、どう補完し合うかといった方向で考えるべきだろう。

 その回答の1つが、Synologyが提供を開始したクラウドストレージサービス「Synology C2 Backup」だ。Synology C2 Backupは、DiskStationに競合するサービスではなく、オンプレミスとクラウドの両方から補完しあうサービスとなっている。早速使い方を見ていこう。

Hyper BackupとSynology C2 Backupの導入

 Synology C2 BackupはDiskStationの拡張アプリケーション「Hyper Backup」を通して利用する。まずはHyper Backupをインストールしよう。

 Hyper Backupはパッケージセンターのバックアップカテゴリーに含まれている。インストールは他のアプリケーション同様、「インストール」ボタンをクリックするだけで完了する。

Hyper Backupはパッケージセンターのバックアップカテゴリーからインストールする

 インストールが完了したら早速Hyper Backupを起動してみよう。Hyper Backupはその名の通り定期的なDiskStation上のデータバックアップを提供する。

 バックアップ先に指定できるのはローカルフォルダの他、他のDiskStation、rsync、WebDAV、OpenStack Swiftをサポートするサーバ、Amazon S3やMicrosoft Azure、Google Drive、Dropboxといったクラウドストレージなど多岐にわたる。Synology C2 Backupを使うにはSynologyカテゴリー内にある「Synology C2クラウド バックアップ」を選択する。

 Synology C2 Backupでは複数世代(バージョン)のバックアップが可能となっており、必要に応じてバックアップから古いバージョンのファイルをリストアできる。そのバージョン管理の方法によって大きく2つのプランに分かれている。

 プラン1は日次バックアップを対象としたもので、最大30日間11バージョン分を保存しておくことができる。容量は100GB、300GB、1TBの3パターンがあるが、これは保持されるバージョン数には関係なく、単純にバックアップ元であるDiskStation上のデータサイズで計算される。100GBのデータをバックアップするには100GBを契約すれば良いので分かりやすい。年間利用料金は100GBで9.99ユーロ(約1300円)、300GBで24.99ユーロ(約3255円)、1TBで59.99ユーロ(約7813円)だ。

 プラン2は毎時間のバックアップが可能なプラン。容量は1TB単位で購入でき、1TBあたり年間69.99ユーロ(約9115円)、月額だと6.99ユーロ(約910円)。プラン2では毎時でのバックアップが可能であり、バージョン数が非常に多くなることがあり得るためか、使用容量は複数バージョンを含めたSynology C2上のディスク利用量で求められる。

 ただし、変更のないバージョンを複数持たないなどの重複排除機能があるため、使用効率が最適化された上での使用容量となる。初回登録時には30日間の無償体験版が利用できるので、まずは試してみると良いだろう。

Hyper Backupを起動するとバックアップウィザードが立ち上がる。バックアップ先に「Synology C2クラウド バックアップ」を選択して「次へ」をクリック
別ウィンドウでSynology C2ログイン画面が表示される
Synologyアカウントでログイン。「無償体験版を今すぐ入手」をクリック
サービス条件を確認し、「サービス規約の規約を承諾します」にチェックを入れて「次へ」をクリック
バックアッププランを選択。Plan IIは1TB単位で増減できる
クレジットカード情報を入力
契約内容を確認。現在のところ地域はヨーロッパ - フランクフルトのみ
Synology C2が利用可能になった。Hyper BackupからSynology C2 Backupにバックアップするためにはアクセスを許可する必要がある
手続きが完了するとバックアップの設定を行う
バックアップは共有フォルダ単位で指定する
設定画面。Synology C2 BackupのPlan Iを選んだ場合はバックアップスケジュールは最短で毎日
ローテーション設定では「どのように過去のバックアップ(バージョン)を削除するか」を設定する

バックアップエクスプローラから簡単リストア

 バックアップしたファイルはHyper Backupのバックアップエクスプローラから閲覧、復元できる。タスクを選択し、時計アイコンをクリックするとバックアップエクスプローラが起動する。バックアップエクスプローラの画面下部はタイムラインになっており、バックアップした日を選ぶと、そのバックアップの内容が上の画面に表示される。

 戻したいファイル、フォルダを選んで画面上部のボタンをクリックするとバックアップからファイルを取り出せる。「コピー先...」は指定されたDiskStation上のフォルダへファイルを保存し、「復元」はバックアップ元へ書き戻す。「ダウンロード」はWebブラウザを動かしているPCのローカルにファイルをダウンロードする。

バックアップエクスプローラはHyper Backupからタスクを選び、時計アイコンをクリックして起動
ファイル、フォルダを選択して「コピー先...」「復元」「ダウンロード」のいずれかをクリック。フォルダは「ダウンロード」できない

 もしDiskStationが完全に起動できなくなるなどの理由によって新規にDiskStationを導入した場合には、新しいDiskStationでHyper Backupを起動、右下の「復元」アイコン→データをクリックして復元ウィザードを起動する。

 復元ウィザードの下の方に「既存のレポジトリから復元」という項目があるので、これをクリックすればDiskStationローカルの情報ではなく、Synology C2 Backup上の情報を元に復元を行える。

 Hyper Backupでは単にデータファイルのみではなく、ユーザー情報などのシステム設定情報も同時にバックアップされる。ファイルやフォルダを復元する場合はそのアクセス権限も戻す必要があるため、必要に応じてシステム設定情報を復元する。

復元アイコン>データをクリックすると復元ウィザードが起動。新規のDiskStationに古いDiskStationのバックアップデータを復元したい場合は右下の「既存のレポジトリから復元」をクリック
修復元の選択画面が表示されるので、Synologyカテゴリーから「Synology C2クラウド バックアップ」を選択して「次へ」
別ウィンドウでSynology C2 Backupの画面が立ち上がるので、左下の同意にチェックを入れて「あり」をクリック
元の復元ウィザードに戻るとディレクトリとしてバックアップタスクが選択できるようになる
必要に応じてシステム設定情報も復元する。ファイルサーバのリストアで意外に時間のかかる設定がワンクリックで完了するのはうれしい
復元するフォルダを選択。DiskStationに当該フォルダが存在する場合は上書きになるため警告アイコンが表示される

 バックアップの目的は主にハードウェア障害によるデータロスト対策だが、日常的に発生するのは「間違って消してしまった」「間違って上書きしてしまった」などの人為的なミスからのリカバリーだ。その場合は全てのデータが失われるハードウェア障害とは違って、一部のファイルだけを書き戻したい、ということが多い。バックアップエクスプローラは全てのフォルダ、ファイルを復元することも、1つのファイルだけを復元することも簡単にできる。

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提供:Synology Inc.
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2018年5月31日