第5世代のSurface Proは、Core i7、Core i5、Core m3と3種類のCPUを搭載したモデルが用意されているが、LTEモデル(Surface Pro LTE Advanced)としてはCore i5搭載の1モデルのみが用意されている。
公式にCPU名は公表されていないが、評価機で確認するとCore i5-7300Uだった。2コア・4スレッドで基本クロックが2.6GHz、Turbo Boostの最大クロック3.5GHzだ。2016年後半〜2017年発売のモバイルノートPCでは採用例の多いCPUであるが、第5世代Surface Proでは、これをファンレスで運用している点が珍しい。ファンがないために、ファンの動作音がせず静音で、吸気口や放熱口を意識せずに気軽に持って使うことができるのは大きなメリットだろう。
ちなみに、第5世代Surface ProのCore i7モデルは冷却ファンを搭載している。LTEモデムとアンテナはファンのスペースを活用して取り付けられているため、Core i7でLTEが使えるモデルはこの世代では登場する見込みはないということだ。
メモリは8GB、ストレージは256GB。評価機のSSDは、東芝のBG2シリーズ(THNSN0256GTYA)が採用されていた。NVMe対応のM.2タイプ(PCI Express 3.0×2)だが「1620」と少し変則的な小型のモデルで、シーケンシャルリード900MB/秒、シーケンシャルライト200MB/秒というスペックだ。
アスペクト比3:2の液晶ディスプレイ(Pixel Sense)もSurface Proの魅力の1つ。画面サイズは12.3型で、表示解像度は2736×1824ピクセル。画素ピッチは267ppiと高精細だ。表面は光沢仕上げで、写真などを鮮やかに表示できる。照明や外光は映り込みやすいが、輝度が高いのである程度カバーできる。
エックスライトのカラーキャリブレーションセンサー「i1 Display Pro」とカラーキャリブレーションツール「i1 Profiler」を使って計測した色域はsRGB面積比96.4%(カバー率102.6%)、輝度は457cd/m2、コントラスト比1483:1、色温度が7423Kだった。標準(Enhanced)以外にsRGBのICCプロファイルをあらかじめ持っているので、別途キャリブレーションツールを使わなくともsRGBのコンテンツを制作者の意図通りに再現できる。
ベンチマークテストで性能を確認しよう。CINEBENCH R15のCPUスコアは356。デュアルコアCPUとして悪くないスコアで、Core i5-7300Uのパフォーマンスはきっちり発揮できているといえそうだ。
PCMark 10は、アプリケーションを使って、用途をシミュレートする内容。比較対象がないと分かりにくいので第5世代Coreのシステム(Core i5-5300U、メモリ8GB、SSD 250GB、内蔵GPU、Windows 10 Pro 64bit)と比較してみたが、オフィスのProductivityで大きく上回っていることをはじめ、日常操作系のEssential、クリエイティブ系のDigital Content Creation、いずれも上回っており、ファンレスである不利を感じさせない。
3DMarkのスコアも第7世代Coreプロセッサーのモバイルとしては妥当なスコアがでている。
ファンレスのため、連続稼働時のサーマルスロットリングも気になるだろう。FINAL FANTASY XIV:紅蓮のリベレーターベンチマークは、5回連続して実行みた。初回と2回目以降のスコアに少し差があるが、3回目以降は2900強と安定していた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.