6コア・12スレッドの最新CPUを搭載できる超小型PCがサイコムから登場。静音性を追求するサイコムならではのこだわりにも注目だ。
サイコムの「Radiant SPX2700H310」は、容積2l(リットル)以下と超小型にもかかわらず、メインマシンとしても十分使える性能と機能を備えたデスクトップPCだ。
サイコムのPCらしく、スペックはBTOで柔軟にカスタマイズできるが、6コア・12スレッドのCPUに32GBメモリ、デュアルSSDといったハイスペック構成も可能というから驚きだ。ただ、小さくて高性能というと、発熱や動作音が心配になる方もいるかもしれない。今回はそのハイスペック構成の評価機を入手したので、そのあたりも含めてじっくり確かめていこう。
ボディーのサイズは、155(幅)×155(奥行き)×80(高さ)mm。容積では1.92lだ。電源は内蔵せず、120ワットのACアダプターで駆動する。このボディーは、ASRockのベアボーンシステム「DeskMini 310」をベースにしたものだ。
小型だが機能性は十分で、前面にはType-CとType-A両方のUSB 3.0ポートを装備。背面にDisplayPort、HDMI、アナログRGB出力(D-Sub 15ピン)と3系統のディスプレイ出力端子を備え、4K解像度での出力にも対応(DisplayPort接続時)する。
さらに、このDeskMini 310は、拡張性、メンテナンス性も非常に優れている。背面部のネジを4本外すとマザーボードを装着しているトレイを引き出すことが可能。マザーボード上にはLGA 1151対応のCPUソケット、2基のSO-DIMMソケット、無線LAN用とストレージ用(PCI Express 3.0 x4対応)のM.2ソケットを装備する他、Serial ATA対応の2.5インチのSSDおよびHDDも最大2基搭載できる。サイコムではこの拡張性を生かし、豊富なBTOメニューを用意している(詳しくは後述)。
小型でも高性能なシステムを実現できるように、ボディーは冷却を効率化するための通気口が多く開けられている。特にCPUクーラーのファンがある面は多くの通気口を開けて吸気をスムーズにしている。
一方でホコリが少し気になるところでもあるが、サイコムはこの部分にマグネットで着脱できる防塵(ぼうじん)フィルターを標準で付属しており、内部にホコリが吸い込まれにくいよう配慮している。マグネット式なので簡単に着脱できて清掃もしやすい。このあたりはさすがにサイコムといえる配慮だ。
基本システムはBTOで柔軟に選ぶことができる。CPUは開発コード名「Coffee Lake-S」こと第8世代Coreを採用。Core i7、Core i5、Core i3、Pentium Goldまで、幅広い選択肢が用意されている。
この世代は前世代から物理コアが増えており、選択肢の中で最上位のCore i7-8700は6コア・12スレッドで、写真編集やビデオ編集などもサクサク進められるパワーがある。標準構成のCore i3-8100も4コア・4スレッドで、第7世代以前のCore i3のイメージとは異なるパワーがあり、コストパフォーマンスに優れている。
サイコムならではのこだわりが感じられるのが、CPUクーラーの選択肢として用意されている「Noctua NH-L9i」。評価機はこれを搭載しているが、動作音が非常に静かだ。
アイドル時はファンが回っていてもほぼ無音、耳を至近距離まで近づけないと聞こえないレベルである。また、高負荷時でも動作音の印象は変わらない。約4分半の動画のエンコード作業をさせてみたところ、3分くらいの時点でファンの音が大きくなるが、それでも高周波音やうなるような音は発生せず、控えめで安定した音質。サイコムは多くのPCでこのNoctuaのファンを推奨として採用しているが、そのこだわりに納得できる動作音と音質だ。特に本製品の場合、標準のIntelの純正クーラーとの差額は4040円とリーズナブルなので、選択することを強くおすすめしたい。
メモリソケットはPC4-19200S(DDR4-2400)対応のSO-DIMMソケットを2基装備しており、容量は4GBから32GBまで選べる。
ストレージ用にはM.2ソケットと2基の2.5インチベイがあるため、M.2 SSDと2.5インチのSSD、HDDを柔軟に組み合わせたデュアルストレージが可能。SSD、HDDともに容量だけでなくブランドや型番も指定して選べる。
M.2 SSDの選択肢は、「Samsung 970 EVO」、WD Black NVMe 2018、Plextor M9PeG、Intel 760pなど、PCI Express 3.0×4(NVMe)に対応した旬の高速SSDがそろう。
高速SSDは発熱しやすい傾向があり、状況によっては過熱防止のサーマルスロットリングが発生して性能が出し切れないこともあるが、その対策としてオリジナルのM.2ヒートシンクを用意し、BTOで選択できるようにしている。
2.5インチSSDも定番のCrucial MX500や高コスパを武器に売り出し中のColorful SL500の他、Micron 1100やSamsungのPM851といったOEM向けの格安SSDも選べるなど、PCパーツのトレンド感度の高さを感じるラインアップだ。
評価機では、メモリが32GB、M.2ソケットにWD Black NVMe 2018(500GB)、2.5インチベイにColorful SL500(960GB)を搭載するというぜいたくな構成だった。
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提供:株式会社サイコム
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2018年8月15日