コンパクトボディーにデスクトップ向け第8世代Coreを搭載した「Endeavor ST190E」。その実力をベンチマークテストで確かめる。
エプソンダイレクトが、ウルトラコンパクトPCの最新モデル「Endeavor ST190E」をリリースした。ブックタイプのボディーに最大6コア・12スレッドの第8世代Coreプロセッサを搭載し、省スペース、省電力とパワフルなパフォーマンスを両立している。
横幅と高さをコンパクトに抑えたボディーは、従来モデルの「Endeavor ST180E」から継承しているが、最新モデルではCPUの強化ポイントも多い。Type-CとType-A両方のUSB 3.1(Gen.2)に4K/60Hz表示対応のディスプレイ出力機能、M.2ソケットを装備し、高速なPCI Express SSDやIntel Optane Memoryが使えるなど、システムレベルで全面的に強化されている。
これらの進化点は、オフィスのクライアントPCとしても魅力が大きい。また、同社が近年強く意識しているデジタルサイネージ用途をはじめとする組み込み端末としての活躍の幅も広がるだろう。従来機同様に、デジタルサイネージや組み込み向けに便利なオプションも取りそろえている。
今回、ハイスペック構成の評価機を入手したので、実際の性能や使い勝手を含め、内容をより詳しく見ていこう。
ボディーのサイズは、約45(幅)×185(奥行き)×195(高さ)mm(スタンド装着時 約75(幅)×185(奥行)×204(高さ)mm)、重量は約1.4kg(スタンド装着時約1.5kg)だ。容積では1.6L(リットル)ほどになる。
185×195mmというサイズは、標準的な成人男性の手型がすっぽり収まるか収まらないかといったところで、非常にコンパクトだ。また、ブックタイプのスリムな形でシンプルなデザインのため、周囲の景観に違和感なくなじむのもポイント。きれいなホワイトカラーで統一されているため、病院や図書館などとも良く調和する。
実際に同社製品は医療関係で多数の実績があるが、このきれいなホワイトとシンプルなデザインが導入理由の1つになっているという。オフィスの受付やレジ前など人目に触れる場所に置くにも適しているだろう。
省スペースなボディーを生かすオプションとして、本体を液晶ディスプレイの背面に取り付ける「VESA対応一体型キット」が用意されている。これを使えば、液晶ディスプレイの背後に設置することが可能で、本体の設置スペースを実質的にゼロにすることができる。
前面には、Type-CとType-A両方のUSB 3.1(Gen.2)、USB 3.0(Type-A)に加えて、ヘッドフォン出力、マイク入力を装備する。それぞれ間隔を十分とって縦に配置されており、大きめのUSBメモリなどを使う際にも干渉の心配が少なく、使いやすい。
USBの新コネクターであるType-Cは、スマートフォンやモバイルPCを中心に採用が進んでおり、周辺機器も増えてきた。従来のType-Aと両方が使える仕様はありがたい。
また、USB 3.1は、USB 3.0の2倍にあたる10Gbpsでのデータ転送が可能。高速な外付けSSDなどの性能をフルに生かせる。10Gbps転送に対応した外付けSSDは内蔵SSDと変わらないような使い方ができるため、大容量データを外付けSSDで管理するなど運用の幅が広がる。
この他、ユーザーの声を反映して、従来モデル(ST180E)ではMini HDMIだった映像出力が、汎用性の高い通常サイズのHDMI(Type-A)端子に変更されているのも目を引く。
Endeavor ST190Eのボディーには、同社のPCを導入した顧客の声を反映した細かな配慮が多数盛り込まれている。
ディスプレイ出力端子としては、背面にDisplayPort、HDMI、アナログRGB出力(D-Sub15ピン)を装備し、3系統の同時出力が可能。DisplayPortでは、4K解像度でリフレッシュレート60Hzでの滑らかな表示が可能で、デジタルサイネージで高解像度の映像を流したいという用途にも対応できる。
背面端子が充実しており、ディスプレイ出力のほかにも2基のUSB 3.0と3基のUSB 2.0、有線LAN、PS/2を標準で装備。盗難防止のためのセキュリティロック・ポートも備えている。
また、HDMIケーブルの抜けを防止するクランプの付属。本体を狭い場所に設置する、あるいはデジタルサイネージなどで画面と離れたところに設置する場合、ケーブルが抜けるとメンテナンスの手間がかかるという顧客の声を反映したものだ。HDMIの仕様には抜け防止対策がなく、他の端子に比べて抜けやすいため、ケーブル抜けに悩まされているユーザーは少なくないと思われる。これは非常にありがたい仕様だろう。ケーブルを束ねてすっきりみせたいという要望に応えて、結束ワイヤを付けるためのフックも用意している。
PC本体を液晶ディスプレイの裏にマウントしたスタイルや、デジタルサイネージで本体と離れたところに画面を設置するとPC本体の電源スイッチが押しにくいという顧客の声に応えて、HDMIの拡張機能(HDMI-CEC)を使った電源連動機能(対応液晶ディスプレイが必要)や、外付け電源スイッチを用意している。
基本システムには、開発コード名「Coffee Lake-S」こと第8世代Coreを搭載する。こうした小型PCは省電力優先のモバイル向けCPUを搭載する場合も多いが、Endeavor ST190Eは処理性能で有利なデスクトップ向けモデルを採用している。
この第8世代Core(Coffee Lake-S)では、前世代に比べてCPUの物理コアが増えており、パフォーマンスが大幅にアップしているのが特徴だ。具体的な搭載CPUはBTOで選択が可能。6コア・12スレッドのCore i7-8700Tを筆頭に、6コア・6スレッドのCore i5-8500T、4コア・4スレッドのCore i3-8100T、2コア・4スレッドのCereron G4900Tと高性能なハイエンドからリーズナブルなモデルまで選ぶことができる。
メモリも高速なPC4-21300を採用しており、第8世代Coreの性能をしっかりと発揮できる構成となっている。
ストレージもBTOで柔軟に構成を選べる。2.5インチのSSD、またはHDDを2基まで搭載できる他、BTOメニューにはM.2 PCI Express SSDも用意されている。PCI ExpressインタフェースのSSDは、Serial ATA 6Gb/sのSSDに比べても転送速度が大幅に高速だ。
また、IntelのOptane Memoryにも対応している。Optane Memoryは、3D XPointという新開発の高速高耐久メモリを使ったストレージだ。HDDのキャッシュとして利用することが前提で、HDDと組み合わせて搭載することにより、大容量とリーズナブルなプライスを両立できる。この他BTOでは、不意のデータ消失のリスクを低減できるRAID構成のオプションも選べる。
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提供:エプソンダイレクト株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2018年10月14日