ビジネス現場で多用されるPDFファイル。その作成ツールには、Adobe Acrobat DC以外にも無料のものや安価なサードパーティー製品がある。どれも同じだから安いのでいい――それは大きな間違いだ。
PDFを作成する方法としては、PDFを開発したアドビの「Adobe Acrobat DC」、Microsoft Officeの「PDFとして保存」、その他サードパーティー製品など幾つかの選択肢がある。ただPDFに変換するだけだから高機能・多機能である必要はない、どれも同じだから安いのでいい――そう思っていると、知らず知らずのうちに大きな機会損失を生んでいるかもしれない。
PDFは「環境に依存することなく、簡単かつ安全に、見たまま・印刷したままと同様、元文書の内容を意図通りに共有・閲覧できるようにする」ことが特徴だ。もともとアドビが開発したファイル形式だが、2008年にISO(国際標準化機構)に仕様を委譲し、ISO32000-1として標準化された。つまり、異なるデバイス、異なるOS・バージョンでも全く同じように表示できる。国際標準規格であるため、PDFファイルを作成できるソフトはAdobe Acrobat DC以外にも各社から販売されている。
冒頭でも触れたように、さまざまなPDFソフトがあるが、実はPDF作成ソフトによって、生成されるPDFには違いがある。中には見掛け上は問題なくても後でその問題が発覚するようなものもある。ここでは「Adobe Acrobat DC」を使う理由を5つ挙げる。
ビジネスシーンではPowerPoint、Excel、WordなどのOfficeが事実上の標準となっている。だが、社内での情報共有ならともかく、社外とのやりとりではPowerPointやWordといったOfficeファイルを避けることが多いのではないだろうか。
こうした場合にPDFが選ばれる理由は幾つかある。まず1つは、PDFビュワーが入っていれば、どのOSやデバイスでも閲覧できること。特に最近ではタブレットやスマートフォンでメールを受信し、そのまま閲覧するケースも増えている。メーカー独自仕様のファイルでは、バージョンアップやOSの違いによって、ファイルを開くことができなかったり、文字化けやレイアウト崩れを起こしたりしてしまう、といったことを誰もが一度は経験したことがあるだろう。どのデバイスからでも全く同じように閲覧可能というPDFの特徴はコミュニケーションを支える価値といえる。
このようにファイルのやりとり、情報の共有をするときのPDFのメリットは計り知れない。しかし、それには「Officeで作った通りのものがPDFで再現できる」ことが前提になる。だが、PDF生成ソフトによっては元文書をきちんと反映していない場合もある。PowerPointを例として見てみよう。
PowerPointは、図やグラフを用いたプレゼン資料の作成に使用されることが多い。そのため、PowerPointファイルから変換したPDFファイルでも、元のデザインをきちんと再現してもらいたいところだ。しかし、PDF生成ツールによっては、オリジナルと同じように表示されない場合がある。例えば、文字の影やグラデーション、半透明処理といった修飾機能、また、縦書きや多言語対応などは問題が出やすいようだ。
上の例を見れば分かるように、同じ表示を期待するなら、元文書通りにPDFを作成可能なAdobe Acrobat DCに軍配が上がる。
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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2018年11月7日