具体的に可能な操作については、ラトックシステムのニュースリリースに以下の例が記されている。
上記を見れば分かるように、新たに対応したのは「チャンネル変更」「音量調整」にまつわる操作だ。カスタムスキルを使った場合のように、「Alexa、○○(機器名)を使ってテレビのチャンネルを10にして」などと機器名を含める必要はなく、一般的に使われがちなフレーズだけで操作できる。
スマートリモコンでは、設定した本人は問題なく使えても、音声コマンドが複雑すぎることから家族は使えないケースがよくあるが、自然なフレーズで操作できる今回のスマートホームスキルならばそうしたこともないだろう。ミュート(消音)に対応しているのも、地味ながら便利な点だ。
ちなみに対応可能なフレーズはメーカーによって少しずつ異なり、「Alexa、テレビのチャンネルをEテレに変えて」のように、局名でのチャンネル変更に対応する製品もある。例えば、「Nature Remo」は関東圏、関西圏に限り、主要テレビ局名での操作に対応するとされているが、今回使用したRS-WFIREX3は地域を問わず非対応だ。
また音量についても、スキル側は「Alexa、テレビのボリュームを20にして」といった絶対値での操作もサポートしているが、RS-WFIREX3で試したところ動作しなかった。この他サポートしているはずの「Alexa、次のチャンネルに変えて」の操作も「すみません、よく分かりません」という反応が返ってきて動作しなかった。
なお、RS-WFIREX3では「ボリュームを上げて」「下げて」で音量がそれぞれ3段階ずつ上下する仕様だった。1段階ずつでは何度も指示を繰り返す羽目になるのでかなり煩わしく、逆にこれより大きすぎると急激に変わりすぎる印象なので、3段階というのは適切に思える(組み合わせるテレビによって異なる可能性もある)。
以上見てきたように、対応するコマンドはメーカーごとに若干差はあるが、これまでのスマートリモコンを使ってのテレビの操作をがらりと変えてしまうインパクトがある。現在カスタムスキルを使っている人や、個々のコマンドを別の家電製品として登録して疑似的な操作を実現している人は、速やかにこのスマートホームスキルに乗り換えるべきだろう。
近い将来、全てのAlexa対応スマートリモコンがこのスキルをサポートするのは間違いないが、過渡期である現在は、今回の新しいスマートホームスキルにどれだけ早く対応できるかに、スマートリモコンのメーカーの姿勢および開発力が現れるといっても過言ではない。
いくら待っても未対応のままだったり、「対応予定」と告知しただけで放置していたりするメーカーは、本気で製品を使いやすくしようとしているか、その姿勢に疑問符が付く。こうした製品は購入候補から外れていくだろう。
ちなみにAmazon.co.jpのAlexa開発者向けブログでは、今回の新スマートホームスキルにいち早く対応した製品として、ラトックシステムの他、リンクジャパンの「LinkJapan eHome」を使用する「eRemote」「eRemote mini」「eRemote Pro」が挙げられている。また筆者が確認した範囲では、Nature Japanの「Nature Remo」「Nature Remo mini」も対応している。合わせて参考にしていただきたい。
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