Intel Graphicsが初対応 Windows 10のモダンドライバ「UWD」とは何か鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(2/2 ページ)

» 2018年12月02日 07時00分 公開
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今後の提供はUWDに一本化、レガシーは終息へ

 一方で、最初はやや混乱が発生する可能性も考えられる。IntelではUWDに対応した新ドライバについて解説ページを設けQ&Aも用意してユーザーの疑問に答えている。そこで、導入の際に手順を誤らないよう、警告に近い2つの重要な注意点が列挙されているので紹介したい。

(1)ドライバの導入はEXE形式で提供される専用のインストーラのみを利用すること

 従来のドライバをアップデートする手順としては、デバイスマネージャから該当するINFファイルを指定して手動で最新版に書き換えるという方法がある。

 一方、IntelはUWD対応ドライバの場合、純正インストーラ以外の方法で導入することは絶対にしないよう警告しており、「そうすることで失敗した場合、壊滅的な問題またはシステムの不安定さを招く結果になるでしょう」と比較的強い言葉を用いている。一般には、PCメーカーが配布するアップデータ、もしくは前述のようにWindows Updateでの配布を待つよう推奨している。

 もう1つの手段としては、Intel自身が提供する「Intel Driver and Support Assistant(IDSA)」を使うよう求めている。

(2)“レガシー”ドライバへのロールバックは推奨しない

 IntelはUWDではない従来のドライバを“レガシー”と表現しており、2018年11月以降はWindows 10(1809)ならびにWindows Server 2019の動作するPCにおいて、UWD以外のドライバを提供しないと述べている。

 一方で、UWDを導入したユーザーであっても旧来のレガシードライバに“ロールバック”することも可能だとしている。ただし、UWDのインストールならびにレガシードライバへのロールバックにおいては複雑な手順が発生するため、これが結果としてシステムを不安定にする可能性があり、Intelとしては推奨しないとしている。

 だが、米Thurrott.comのポール・サーロット氏のように、UWDを導入した途端に画面が表示されないトラブルに見舞われるケースもあり、しばらくは両ドライバの間を行ったり来たりするユーザーが少なからず出そうだ。

 故に、大多数のユーザーはUWDをいきなり試すのではなく、メーカーのアップデータ配布を待つか、あるいはWindows Updateでの配布まで待つのがよいだろう。

 いずれにせよ、「Windows as a Service」を掲げてMicrosoftがユーザーのシステムを“常に最新状態”にする目標を掲げている以上、ユーザーにとって面倒でトラブルの原因となるアップデートの体験を簡略化し、可能な限りトラブルの少ないものにすることは非常に重要だ。

 UWDはその一助を担う存在である一方、それが利用可能になる肝心のOctober 2018 Updateは一般公開の初期段階でつまずくなど、必ずしも計画通りにいっていないのが残念なところだ。ユーザーもまた、新しい仕組みではより便利になる一方、何らかのトラブルが発生する可能性があるとの認識を持った上で、導入する必要がある。

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