アキバにおける暗号資産(仮想通貨)のマイニングブームは、2017年秋に中国内の仮想通貨取引所が閉鎖された後も続き、「ここ数年で一番勢いがありました」(パソコンSHOPアーク)という年末年始の活況を作った主要因の1つとなった。
その勢いは年明け以降も加速し、1月下旬にはマイニング用途で買われるグラフィックスカードの幅が拡大。複数のショップでGPUの種類不問で購入制限がかけられるほどの状況となった。1月下旬、TSUKUMO eX.は「マイニング熱は2017年以上です。マイニング向けマザーは1人で10枚欲しいという人がザラにいますよ」とコメントしている。
歯止めがかからない需要の広がりに、グラフィックスカードや大容量電源、マイニング向けマザー、ライザーカードなどの長期的な枯渇が旧正月明けの後も当面続くと心配された。しかし、2月から3月にかけて急ブレーキが踏まれることになる。
1月末に大手取引所コインチェックの仮想通貨盗難事件が発生した衝撃はブームを少なからず冷やしたが、直接的な要因はグラフィックスカードの全般的な値上げといわれている。
2月中旬、あるショップは「さすがにGeForce GTX 1060 6GBが5万円もしちゃうと、ちょっと買うの待とうかというふうになりますよね。2018年に入ってどのGPUもどんどん価格が上がっているから、購入の目的に関係なく買い控えしている人は多いと思います」と話していた。
その後も、転売目的の大量買いを企図する動きや、趣味としてマイニングにチャレンジするという人もショップにそこそこ訪れたようだ。しかし、3月末ごろに登場したGIGABYTEのマイニング向けマザー「GA-B250-FINTECH」は、「細部まで行き届いた優秀なマザーですね。ただ、惜しむらくはもう少し早く出てくれたら……」(ドスパラ秋葉原本店)といった評価が下されている。以後、街でマイニングの話題はとんと聞かなくなった。
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