年末年始の活況を支えたもう1つの要因に、2017年11月に登場した第8世代Core iシリーズ(Coffee Lake)のヒットも挙げられる。前世代からコア数を底上げしており、Core i5で初の6コアモデル「Core i5-8400」(発売時税込み2万3000円前後)などが買い換えを促進。年初にはIntel製CPUを中心とした脆弱(ぜいじゃく)性の問題が報じられたが、人気は衰えず、以後も自作のメインストリームとして安定した人気を獲得し続ける。
そのまま4月に入ると、「末尾T」の低消費電力版や、Optaneを同梱した「Core i+」シリーズなど17ラインアップと、対応する新チップセット「H370、B360、H310」を搭載するマザーが店頭に並ぶようになった。Intel創立50周年とx86用の第一号プロセッサ「Intel 8086」発売40周年を記念した限定CPU「Core i7-8086K Limited Edition」も好評で、猛暑が過ぎ去るころまでの展開は順調そのもののだったように思える。
暗雲が立ちこめるようになったのは9月中旬からだ。複数のショップでCore i5の在庫不足がささやかれるようになり、10月以降はIntel CPUの価格表に売り切れの札がつきものとなった。品薄傾向はi5からi3、Pentium、Celeronへと広がり、年末の現在まで継続している。
一方のハイエンドクラスは、10月下旬から11月初旬にかけて第9世代Core iシリーズ「Core i9-9900K」「Core i7-9700K」「Core i5-9600K」が登場している。こちらも発売からしばらくは品薄傾向が続き、打開策のとしてi9-9900Kのバルク品が出回るなどの動きもみられた。ただ、第8世代に比べると状況は改善傾向にあり、年末にかけて売り切れの札は減ってきている。
12月、パソコン工房 秋葉原BUYMORE店は「Intelは供給不足になるとハイエンド側から生産を整えていく傾向にあるので、第9世代Core iシリーズはどうにか在庫が揃ってきましたが、第8世代の在庫を年末に十分揃えるというのは絶望的。IntelのCPUがここまでの状況になったのは、おそらく過去になかったと思います」と話していた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.