世界を席巻する「GAFA」 Google、Apple、Facebook、Amazonの2018年まとめITはみ出しコラム(2/4 ページ)

» 2018年12月30日 08時00分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

Apple──iPhoneは不調? とか言われても過去最高の増収増益

 AppleはGAFAの4社の中では唯一、ユーザーの個人情報を商売に利用していない(と公言している)企業です。GAFAの(ある意味で不名誉な)仲間に入っているのは、売上高の大きさと、節税対策のせい。

 明文化したミッションはありませんが、求人ページには「素晴らしい何かを生み出すために、素晴らしい人々が力を合わせています」とあるので、「素晴らしい何かを生み出す」のがミッションとみて良さそうです。

Apple Appleの採用情報ページ

 GAFAの中では、ハードウェア製品が主力のところも異色です。今年発売した「iPhone XS」「iPhone XS Max」「iPhone XR」は高額のせいか、これまでのように国内で発売直後に販売ランキングでトップになるということはありませんでした(トップはいまだに「iPhone 8」)。

iPhone 2018年に発売されたiPhoneの新ラインアップ。全部ホームボタンがなくなりました

 もっとも、Appleが不調なのかというと、スマートフォン市場自体が成熟してきたこともあり、新機種を出せば爆発的に売れる時代ではなくなってきています。それに、業績ベースでみれば、直近の7〜9月期も「過去最高の増収増益」でした。8月には米企業として初めて、時価総額が1兆ドル(約111兆5000億円)を突破しています。

 7〜9月期の業績発表で「次からはiPhone、iPad、Macの販売台数を公表しない」と告知したのにはちょっと驚き、さみしいとも感じました。iPhoneの販売台数がほぼ横ばいなことに注目が集まるのを避けるため? と受け止めてしまいますが、競合のハードウェア製品よりずっと利益率が高いので、「販売台数より売上高を見てくれ」ということかなと思います。

 Appleはプロセッサやモデムもどんどん内製化しようとしており、それによっても利幅が広がりそうです。

Apple Appleのティム・クックCEO(10月のスペシャルイベントより)

 AppleもAIに力を入れています。Googleのように個人データを集めて積極的に活用しないでユーザーに最適化したサービスを開発するのは難しそうですが、Siriは着実に良くなっていることが、前述のIQテストの結果(正解率はGoogleに次いで2位)で分かっています。Appleは7月にGoogleのAI関連の重要人物ジョン・ジャナンドレア氏を引き抜き、12月には幹部チームに加えました。

 2019年にはオリジナルコンテンツも出るようですし、ハードウェアだけではないApple、にシフトしていきそうです。

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