7月11日に発売された「MacBook Air(Mid 2019)」(以下「MBA」)の店頭販売の上位モデル(256GB SSD)を短期集中レビューする連載「Airと私」。前回は「Boot Camp(ブートキャンプ)」を使ってWindows 10 Proを利用する際に気を付けるべき点をまとめた。
今回は、Windows PCとしてのMBAはどうなのか、実用した上での感想をまとめる。
レビュー中のMBAのスペックを簡単におさらいすると、以下の通り。
Windows PCとして見た場合、いわゆる「Yプロセッサ」を使っていることから省電力ノートPCという位置付けがピッタリ来そうだ。では、そのパフォーマンスはいかほどのものか。ULの「PCMark 10」を使って総合性能をチェックしてみよう。
まず、同アプリの通常テストを実施。結果は、総合スコアが2343ポイント、Essentials(日常利用のテスト)が5857ポイント、Productivity(オフィスアプリ中心のテスト)が3742ポイント、Digital Content Creation(画像や動画の編集テスト)が1595ポイントとなった。
省電力重視のCPUゆえに、同世代の「Uプロセッサ」搭載モデルと比べると数値的には見劣りしてしまう。しかし、Webサーフィン、動画の視聴や一般的なデスクワークであれば十分にこなせる性能だ。
次に、同アプリに追加された「Battery Life」テストも実施した。その名の通り、バッテリー持ちを計測するテストで、電源プラグを抜くとバッテリーが切れて強制的に電源が切れるか、休止状態に入るまで一定のインターバルでベンチマークを繰り返し実行するというものだ。実行するテストはいくつかのメニューが用意されているが、今回は「Modern Office」(一般的なオフィス用途のテスト)を実施した。
MBAは「最大12時間のワイヤレスインターネット閲覧」「最大13時間のiTunesムービー再生」「最大30日のスタンバイ時間」を公称しているが、あくまでこれらはmacOSで稼働した際の値。Windows 10環境ではどうなのだろうか。
結果はバッテリー残量を78%使って9時間27分。「寝ている間にテストが終わっているかな……」と考え、就寝前にテストを開始したのだが、朝起きても普通に画面が付いていて驚いてしまった。
数値としては計測していないが、スリープ状態の消費電力も非常に低い。スリープしてからあえて3〜4日放置して開けてみると、それほどバッテリーを消費していなかった。Windows 10環境でも、省電力性はしっかり確保されている。
MBAを含め、昨今のモバイルノートPCはバッテリー持ちの良いモデルが多い。カタログ上の計測時よりも実稼働時間が短くなる傾向に変わりはないが、それでも10時間以上の持ちを公称していれば、6時間以上は連続して使える。ある意味で、当たり前の結果なのかもしれない。
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