レノボ・ジャパンが5月29日、新たなフラグシップノートPC「ThinkPad X1 Carbon(Gen 8)」を発売した。最小構成の標準直販価格(税別)は23万3000円と、フラグシップモデルだけに少々高めである。
このThinkPad X1 Carbon(Gen 8)は、前世代(Gen 7)において後から追加された第10世代Coreプロセッサモデルをベースに、一部に変更を加えたマイナーチェンジモデルとなる。
その“実態”はどうなのか。“今”買うべきモデルなのか。数回に分けて検証する。今回は、実機の写真を交えてThinkPad X1 Carbon(Gen 8)の概要を紹介する。
本題に入る前に、レビューする機材について簡単に紹介したい。製品番号(モデル)は「20U9S01N00」で、主なスペックは以下の通り。
直販で購入できる「CTO(カスタマイズ)モデル」では、vPro対応のCPU「Core i7-10610U」や1TBまたは2TBのNVMe SSDも選択できるため、このモデルはX1 Carbon(Gen 8)の「ほぼ全部入り」ということになる。
4K液晶ディスプレイを搭載するモデルは、トップカバー(天板)が「カーボン柄」となっている。この点で他の液晶ディスプレイを搭載する構成と“見分け”が付くようになっているのは、前世代と同様だ。
ただし、前世代とは異なり、天板の「X1」ロゴがThinkPadロゴの下に移設されている。外観で前世代と見分けるポイントの1つといえるが、前世代の後期ロットもこのデザインになっているという情報もある。世代を見分ける“決定的”なポイントは他にもあるが、詳しくは後述する。
4K液晶ディスプレイは、HDR(ハイダイナミックレンジ)表示に対応しており、グレア(光沢)加工が施されている。他の液晶ディスプレイを搭載する構成が全て非光沢(ノングレア)加工であることを踏まえると、画面光沢の有無は「4Kモデルか否か」を見分けるポイントといえる。
6月9日現在、このモデルはレノボのカタログ(固定構成)モデルには存在しない。一応、現行のThinkPadの製品番号ルールに当てはめると……。
つまり、レビューする個体は「ThinkPad X1 Carbon(Gen 8)の特別な価格設定となっているS01Nというモデル」ということになる。
ThinkPadの「特別な価格設定モデル」は、企業や団体が大量導入した個体に付与されることが多く、カタログモデルでは選択できない構成となっている場合もある。今回の20U9S01N00であれば、4K液晶の搭載がそれに当たる。ただし、カタログモデルの一部も、製品番号ルール上は特別な価格設定モデルとなる。
一方、構成や仕向け先に関わらず、CTOモデルは製品番号が固定されている。X1 Carbon(Gen 8)のCTOモデルなら、一律で「20U9CTO1WW」という製品番号となる。ただし、細かい初期構成はシリアル(製造)番号単位で管理されており、サポートサイトからチェックできるようになっている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.