この秋、Intelの新型CPU「第11世代Coreプロセッサ」(開発コード名:Tiger Lake)を搭載する製品が順次登場する。
Tiger Lakeは、前世代のCoreプロセッサ(開発コード名:Ice Lake)と比べて、CPUのパフォーマンスは20%以上改善し、グラフィックスパフォーマンスは最大で2倍、AI(人工知能)の処理パフォーマンスは最大で5倍に向上しているという。ただ、TDP(熱設計電力)をメーカー側である程度調整できることから、同じCPUでもモデルの設計思想によってはある程度の性能差が生じうる(参考記事)。
当のIntelは、Tiger Lakeをどのように“調理”したのか。同社が用意した「リファレンスマシン」を通して、その意図をくんでみようと思う。
このリファレンスマシンは台湾MSIが製造したものである。ボディーやUEFI(ファームウェア)のブートスクリーンには「Intel」の旧ロゴが刻印されてはいるが、ボディーデザインやキーボードの配列を見ると「確かにMSIだ」と確認できるデザインを備えている。見た目的には、クリエイター向けノートPC「Prestige 14」に近い。
ただし、このリファレンスマシンは、あくまでもTiger Lakeの性能を確かめるために製造されたものなので、市販の予定はないという。
主なスペックは以下の通りだ。
Core i7-1185G7は、現状(10月9日現在)におけるTiger Lakeの最上位CPUだ。従来のcTDP(設定可能な熱設計電力)に相当する「オペレーティングレンジ(動作範囲)」は12〜28Wとなっている。今回のリファレンスマシンでは、Windows 10のパワーモードを切り替えると以下のようにオペレーティングレンジを変更できるようになっている。
ポート類は、左側面にThunderbolt 4(USB4)端子を2基備えるのみ。3.5mmイヤフォンマイクジャックなど、その他の端子類は一切備えていない。両端子共に、USB Power Delivery(USB PD)による電源入力と、DisplayPort Alternate Modeによる映像出力にも対応する。
Intelとしては、今後はThunderbolt 4端子で全てを賄えると考えているのかもしれない(参考記事)。
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