Intelは7月26日(米国太平洋夏時間)、同社の半導体生産に関するロードマップを説明するオンラインイベント「Intel Accelerated」を開催した。このイベントでは、2025年までのロードマップと、その背景技術に関する解説が行われた。
「Intel 7」は、従来「10nm Enhanced SuperFin」と呼んでいたパッケージで、旧称の通り、モバイル向け第11世代Coreプロセッサ(開発コード名:Tiger Lake)で使われている「10nm SuperFin」をベースとしている。主に電源半導体である「FinFET」の設計を最適化することで、消費電力当たりの処理パフォーマンスを10〜15%改善したという。
このパッケージを採用する製品は、クライアントPC向けCPU(開発コード名:Alder Lake)が2021年内に登場する予定となっている。また、データセンター向けCPU(開発コード名:Sapphire Rapids)も2021年第1四半期に生産を開始する予定だ。
「Intel 4」は、従来「Intel 7nm」と呼んでいたパッケージで、旧称の通りIntelとしては初めて7nmプロセスを採用している。電源半導体は引き続きSuperFinを採用しているが、ノードに「EUV(極端紫外放射)リソグラフィー」を適用することで半導体の集積度を高めたことが特徴だ。Intel 7との比較では、消費電力当たりの処理パフォーマンスを平均20%改善できるとしている。
このパッケージを採用する製品は、クライアント向けCPU(開発コード名:Meteor Lake)とデータセンター向けCPU(開発コード名:Granite Rapids)共に2023年から出荷を開始する予定で、それに間に合うように2022年後半から生産を開始する見通しとなっている。
「Intel 3」は、Intel 4を改良したパッケージだ。FinFETの設計の最適化やEUVの適用範囲の拡大を通して、Intel 4との比較で消費電力当たりの処理パフォーマンスを18%前後改善できるという。
このパッケージを採用する製品は、2023年後半から生産を開始する予定だ。
「Intel 20A」は、新たな電源半導体「RibbonFET」とIntel独自の裏面電源供給技術「PowerVia」を組み合わせたパッケージである。
RibbonFETは、2011年にリリースしたFinFET以来の新型電源半導体となる。FinFETからスイッチング性能を向上させつつも、実装面積を縮小していることが特徴だ。PowerViaは、従来は表面から行っていた半導体への電源供給を裏面から行うことで、信号伝送を最適化できるという。
このパッケージを使った製品は、2024年から生産に着手する見通しとなっている。また、同パッケージに関してQualcommとも提携するという。
「Intel 18A」は、Intel 20Aを改善した製品で、2025年初頭から生産を開始する予定となっている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.