AMDが10月13日(米国太平洋時間)、ミドルレンジの新型GPU「Radeon RX 6600」を発表した。同GPUを搭載するグラフィックスカードは、米国では同日にパートナー企業を通して発売されており、想定販売価格は329ドル(約3万7400円)からとなっている。
日本では10月14日から順次、パートナー企業を通してRX 6600を搭載するグラフィックスカードが発売される。税込みの想定販売価格は、おおむね5万円台後半から6万円台前半に設定されている。
長引く半導体不足の影響で、グラフィックスカードは慢性的な品不足傾向にある。需要の多いハイエンド製品の供給を優先するためか、フルHD(1920×1080ピクセル)でのゲーミングにピッタリなメインストリーム帯の製品は想像以上に選択肢が少ない。それだけに、RX 6600を搭載するグラフィックスカードに興味を持つ人も多いだろう。
AMDは一部のメディアを対象に、RX 6600の先行レビュー用機材を提供している。ITmedia PC USER宛には、台湾PowerColor製の「FIGHTER RX6600 8GB」が届いたので、これを使ってRadeon RX 6600の“実力”をチェックしてみよう。
Radeon RX 6600は、その名の通り「Radeon RX 6000シリーズ」のラインアップの1つで、8月に発売された「Radeon RX 6600 XT」の下位モデルに位置付けられる。AMDいわく「映像的に見事な、高フレームレートの1080p(フルHD)ゲーミングをミドルレンジ市場にもたらす」GPUなのだという。
Radeon RX 6600の主なスペックは以下の通りだ。
GPUダイは、上位モデルであるRX 6600 XTと同じ「Navi 23」である。しかし、CUとSPの基数は削減されており、特にSPは2048基から1792基と1割以上削減されている。ブーストクロックも、最大2589MHzから最大2491MHzと少し低くなった。一方で、グラフィックスメモリやInfinity Cacheの規格や容量は、RX 6600 XTから据え置かれている。
AMDによると、Smart Access Memory(SAM)を有効化したRX 6600は、フルHDの高画質設定としたゲームにおいて、先代の「Radeon RX 5600 XT」やNVIDIAの「GeForce RTX 2060」よりも高い平均フレームレートを実現できるという。
ゲームによっては、Resizable BARを有効化した「GeForce RTX 3060」と同程度のフレームレートを実現できるという。それでいて、RX 6600の消費電力は132Wと、RX 6600 XT(160W)やGeForce RTX 3060(170W)よりも低くなっている。AMDの用意した資料を見る限りは、消費電力当たりのパフォーマンスはかなり良いようだ。
上位製品であるRadeon RX 6600 XTも「フルHDで高いリフレッシュレートを実現する」ことに焦点を当てていたが、Radeon RX 6600はコストをより意識しつつも、必要十分なパフォーマンスを確保するという、ある種のバランス感を高めたモデルといえそうだ。
今回レビューするFIGHTER RX6600 8GBは、2連冷却ファンを搭載している。カードの長さは実測で200mm弱、厚みは35mm前後である。ハイエンドのグラフィックスカードに慣れた身からすると、とてもコンパクトに感じる。
GPU用補助電源は「8ピン×1」構成となっている。AMDがいう通り「450W電源のシステムにおけるGPUリプレースに最適」な仕様だ。
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