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「Let'snote MX3」――パナソニック流の“全部入り”新世代モバイルを徹底検証最新PC速攻レビュー(1/5 ページ)

Let'snoteの新シリーズ「MX」は、360度回転する12.5型フルHD液晶を搭載した2in1デバイス。軽量タフボディにUltrabookで最高クラスの性能を備え、光学ドライブやペン、高速無線LAN、WiMAXなども内蔵した“全部入り”といえる仕上りだ。

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ココが「○」
・ノートPCにもタブレットにもなる2in1
・DVD搭載で約1.198キロの軽量ボディ
・高い堅牢性、インタフェースも充実
ココが「×」
・モバイルノートとしては価格が割高
・縦のキーピッチが15.2ミリと狭め
・内蔵スピーカーがモノラル仕様

はじめに:変形も機能も妥協しないLet'snoteの新シリーズ

パナソニックの新シリーズは「Let'snote MX3」

 「軽量」「長時間」「頑丈」「高性能」を追求したビジネスモバイルPCといえば、パナソニックの「Let'snote」だ。その2014年春モデルが早くも登場した。中でも新シリーズとして追加された12.5型フルHD液晶搭載の「Let'snote MX3」は、従来機の強みを採り入れつつ、最新のトレンドも盛り込んだ注目の製品といえる。

 11.6型モデル「Let'snote AX3」と同様、同社が「ハイブリッド・モバイル」と呼ぶ2in1デバイスで、液晶ディスプレイを360度回転させることにより、クラムシェルノートPCとタブレット、どちらのスタイルでも利用可能だ。

 基本仕様は、Haswellこと第4世代CoreのUシリーズにSSDを組み合わせたハイスペック志向の構成だ。IEEE802.11acの高速無線LANとWiMAX(WiMAX 2+ではなく、第1世代のWiMAX)を標準搭載し、収納式スタイラスペンによる手書き入力機能に加えて、光学ドライブ、有線LAN、アナログRGB出力といった、昨今のUltrabookでは省かれがちながらビジネスユースではいまだ使われることも多い装備を網羅している。

 Let'snote MX3は要するに、Let'snote AX3を大画面化し、光学ドライブとペンを追加したモデルに相当する。また、光学ドライブ内蔵の12.1型クラムシェルノートPC「Let'snote SX3」(同社は「クリエイティブ・モバイル」と呼ぶ)を2in1に進化させたモデルという見方もでき、いわばAX3とSX3の長所を吸収した新シリーズに仕上がっている。

 しかも、新たなボディ素材の導入やボンネット構造の見直しなどにより、剛性を保ちつつ、21ミリ厚、約1.198キロとLet'snote SX3に薄さで勝り、軽さで肉薄している点は特筆したい。12.5型以上の液晶を搭載した個人向けの2in1デバイスとしては世界最軽量という(2014年1月15日現在、同社調べ)。

 Let'snote AX3同様のホットスワップ可能なバッテリーシステムも継承した。着脱可能なバッテリーに加えて、内蔵バッテリーも備えており、電源を切らずにバッテリーの交換(交換用バッテリーは別売)が可能だ。バッテリー駆動時間は標準で約14.5時間としている(店頭下位モデルは約15時間)。

 店頭販売向けの製品ラインアップは、基本スペックとOfficeの有無が異なる2モデルで展開されるが、今回は2014年2月14日の発売に先駆けて上位モデル「CF-MX3TEABR」(Core i7+256GバイトSSD、Officeなしモデル)の試作機を入手した。写真を見ながら具体的な仕様を紹介していくとともに、性能やバッテリー駆動時間をチェックしていこう。

ボディと製品概要:2in1ボディにビジネス向けの機能を満載

Let'snote伝統の明るいシルバーで塗装されたボディは、11.6型ワイド液晶搭載の「Let'snote AX3」をひとまわり大きくしたようなイメージで、フラットなフォルムが目を引く。本体サイズは301.4(幅)×210(奥行き)×21(高さ)ミリ、重量は約1.198キロだ。後述する新素材と新構造により、剛性を保ちつつ、薄型化を果たしている
液晶ディスプレイを360度回転させて閉じれば、大きめ画面のWindowsタブレットとして扱える(写真=左)。360度まで回転させず、キーボードを下に向けた状態で液晶を立てれば、スタンド付きタブレットのようなスタイル(いわゆるビューモード)でも利用可能だ(写真=右)
1920×1080ドット(フルHD)表示の12.5型ワイド液晶ディスプレイは、広視野角のIPSパネルを採用(写真=左)。画面の上部にはWebカメラ(有効1920×1080ドット/約200万画素)を搭載し、ビデオ会議なども良好な画質で行なえる。カメラの両脇にはアレイマイクを内蔵している。液晶ディスプレイは360度回転する仕組みなので、当然ながらクラムシェルノートのスタイルで180度以上開くこともできる(写真=右)
アイソレーションタイプの6列キーボードを搭載(写真=右)。リーフ型のキートップが目を引く。キーピッチは横が19ミリと余裕があるが、縦は15.2ミリとやや窮屈だ。半角/全角キーが最上段に、右Fnキーが右端にあるなど、部分的にやや変則的な配置も見られる。キーストロークは薄型ノートPCとしては深い2ミリを確保し、しっかりとした押下感がある。スイッチの感触は若干反発が強めだ。マルチタッチ対応のタッチパッドは、横92.5ミリ、縦53ミリと十分な広さ。左右のボタンは独立しており、ストロークは浅いが、押しやすい。中央には「HOLD」ボタン(後述)もある。タッチパッドにはシナプティクスのドライバが導入されている(画像=右)。2本指での上下/左右スクロール、3本指で弾くことによるページ送り、右側面からのエッジスワイプによるチャームの表示などに対応する
前面の左側にはDVDスーパーマルチドライブを内蔵している(写真=左)。右側には電源やバッテリーの状態を示すインジケータ、ボリューム調整ボタン、画面の自動回転ロックボタン、SDメモリーカードスロット(SDXC、UHS-I/UHS-II対応)、電源スイッチがある。背面には排気口のほか、着脱式バッテリーパックを備えている(写真=右)。通信機能はIEEE802.11a/b/g/n/acの無線LAN、1000BASE-Tの有線LAN、WiMAX、Bluetooth 4.0を標準搭載し、充実した構成だ。
左側面には、付属のスタイラスペンを収納するペンホルダーがある(写真=左)。その奥には盗難防止用ワイヤーを取り付けるセキュリティロックポートのほか、落下防止用ハンドストラップ(別売)を装着するためのストラップホールが用意されている。右側面には多数の端子が集中して並ぶ(写真=右)。手前側から、無線LANのスイッチ、ヘッドフォン出力、マイク入力、USB 3.0(電源オフチャージ対応)、USB 3.0、HDMI出力、有線LAN、アナログRGB出力、ACアダプタ接続用のDC入力という内容だ。Ultrabookでは省かれがちな有線LANやアナログRGB出力も装備し、ビジネスのニーズに応える。ハンドストラップ用ホールは右側面にもある
ホットスワップ対応の着脱式バッテリーは容量が約33ワットアワーだ(写真=左)。内蔵バッテリーの容量はCPUID HW Monitorの表示で約15ワットアワーだった。店頭販売モデルの公称バッテリー駆動時間は、上位モデルが14.5時間、下位モデルが15時間。着脱式バッテリーをもう1つ用意してホットスワップして使った場合、駆動時間は公称約25時間(公称値、店頭下位モデル)となる。ACアダプタも小型軽量で携帯しやすい。実測で38(幅)×90(奥行き)×28(高さ)ミリ、実測重量はケーブル込み約240グラム、ケーブルなしで約178グラムだった。標準でウォールマウントプラグも付属し、ケーブルの代わりにこれを装着した状態の重量は約198グラムだった(写真=右)
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