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ゲーマー向け“最強”8型タブレット「SHIELDタブレット」日本上陸Tegra K1搭載

NVIDIAは、8型WUXGA液晶を搭載するAndroidタブレット「SHIELDタブレット」を10月10日に発売する。グラフィックス性能はiPad Airの倍以上。

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 NVIDIAは10月2日、ゲーマー向け8型タブレット「SHIELDタブレット」と、その純正コントローラーを国内向けに発売すると発表した。同日より予約を受け付け、10月10日より出荷を開始する。価格はオープン。日本市場には16GバイトのWi-Fiモデルが投入される。予想実売価格はSHIELDタブレットが4万円から4万5000円前後、純正コントローラーが8000円から9000円前後、純正カバーが4500円から5000円前後。

 SHIELDタブレットは、1920×1200ピクセル表示に対応した8型IPS液晶を搭載するタブレットだ。CPUにTegra K1(クアッドコアARM Cortex A15+192“Kepler”コア)を採用しているのが最大の特徴で、コンソール機並みのゲーミング体験をタブレットで実現できるという。OSはAndroid 4.4。

SHIELDタブレット

 新製品発表会の冒頭に登壇したNVIDIA Japan代表の大崎氏は、Androidプラットフォームでゲーム市場が急速に成長していることを指摘。さらにPCがデスクトップPCやノートPC、ワークステーションなど、ユーザーのニーズに応じて幅広いフォームファクターに分化しているように、「成熟した市場にこそ差別化の機会がある」と述べ、タブレットベースのゲーミングデバイスとして、SHIELDタブレットを投入した背景を説明した。

SHIELDタブレットを披露するNVIDIA Japan日本代表兼米国副社長の大崎氏(写真=左)。成熟しつつあるタブレット市場においても、車やPCと同様に、用途に特化した製品が求められると説明(写真=右)

急速に成長するAndroidのゲーミング市場を受けて、同社はこれまでAndroidに特化したポータブルゲーミングデバイス「SHIELDポータブル」を展開してきた。Google Playでの売上げ構成を見ると、12カ月の間にゲームアプリが2.5倍に伸びているという。また、4人に3人はゲームで遊んでいるというデータもある

Tegra K1を搭載するSHIELDタブレットと、他社製タブレットとの3D性能比較。3DMarkのスコアでiPad Airの2倍以上とアピール(写真=左)。Open GL 4.4やDirectX 12のサポートにより、コンソール機と同等のゲーム体験を実現するほか、PCクラスのゲームの移植も容易になるという

Unreal Engineを使ったデモでは、高精細なポリゴンモデルがリアルタイムで描画されていく様子が披露された。ライフシャフトによる光の表現や煙の演出、壁のタイルや水たまりへの映り込みなどは、これまでのAndroid用ゲームアプリとは一線を画する。Unreal Engineの開発元であるエピック・ゲームズ・ジャパン代表の河崎氏は「ライフスタイルの変化で、これまでのようにゲーム専用機で長時間遊ぶということは難しくなってきた。しかし、ゲーム好きの人はモバイル端末でカジュアルゲームをプレイするのでは満足できず、ハイクオリティで楽しみたいと考えており、そのギャップに苦しんでいる。私もそんなユーザーのひとり。Tegra K1は多くのゲーマーの救世主になる」と話す

 SHIELDタブレットは、モバイルデバイスで強力なグラフィックス性能を実現するTegra K1の搭載だけでなく、ゲームに特化したさまざまな特徴を持つ。1つはGameStreamのサポートで、SHIELDポータブルと同様に、ネットワークを通じてGeForce GTX搭載PCにインストールされたゲームを手元のタブレットで楽しめる(対応タイトルは120以上)。

 実際に試してみたところ、PC側の画面で再生されている表示との遅延はほとんどなく、SHIELDタブレットに搭載されたWUXGAの精細な画面でPCと同じようにゲームを体験できた。AndroidでTegra K1に最適化された高品質なゲームはまだ14タイトルと少ないが、自分のPCゲーム資産を、場所の制約に縛られずに活用できるのはうれしい。なお、GameStreamはPC側でH.264にリアルタイムエンコードされたデータを画面転送をする仕組みで、無線接続の場合は720pになるとのことだ。

 一方、映像出力としてMini-HDMIポートも搭載しており、リビングルームの大画面テレビでゲームを楽しめるのもポイント。無線接続の専用コントローラーを使えば、コンソール機と同じような感覚でAndroidゲームやPCゲーム(ストリーム)を体験できる。

 コントローラーは最大4台まで接続可能。左右スティックの間にある三角の部分はタッチパッドになっており、Androidの操作に利用できるほか、ホームボタンの長押しでGoogleの音声認識を呼び出せるため、ソフトウェアキーボードを使わずに文字入力が行える。SHIELDタブレットをテレビに接続して動画共有サイトなどを閲覧するといった際に便利だ。なお、外部映像出力は4K出力もサポートしているが、この場合は30fpsに制限される。

PCゲームのストリームプレイが可能。遅延はほとんどない

HDMI 1.4a出力を装備。専用コントローラーは最大4台まで接続できる。ゲームはSHIELDタブレットにプリインストールされる「Trine 2:Complete Story」

純正コントローラーは、アナログジョイスティックやL/Rボタンを搭載する標準的なデザインのゲームパッドだが、音声入力のためのマイクや静電容量式のマルチタッチパッドを内蔵しているのがユニーク。女性の手にはやや大きめ

 このほか、Shadow Playを使ってゲームのプレイ動画を保存したり、Twitchと連動してライブ配信も可能。製品デモでは、SHIELDタブレットに内蔵された500万画素フロントカメラで撮影したプレイヤーの映像をPiPでプレイ画面に合成しつつ、ライブ配信する様子が披露された。

ゲームプレイをライブ配信したり、プレイ動画を録画して動画共有サイトに投稿する、といったことが手軽に行える

 ゲーム以外では、標準で付属するスタイラスペンとNVIDIAの独自アプリ「Dabbler」を使ったデモが目を引く。SHIELDタブレットは同社独自の「DirectStylus 2」テクノロジーを搭載し、旧バージョンに比べて応答性を向上。キャンパスに水彩絵の具がにじんでいく様子がリアルタイムで処理されていた(タブレットの傾きを変えると、にじみの方向も変わる)。

絵の具の混交やにじみがリアルタイムにシミュレートされる。ちなみに、スタイラスペンによる入力は静電容量式で筆圧検知機能はない

 SHIELDタブレットの主なスペックは、前述のTegra K1のほか、システムメモリが2Gバイト、内蔵ストレージが16Gバイトe.MMC、リア/フロントともに500万画素カメラを備え、センサーとして9軸モーションセンサー(ジャイロ、加速度、地磁気)、GPS/GLONAS、環境光センサーを内蔵する。ネットワーク機能はIEEE802.11 a/b/g/n対応無線LANおよびBluetooth 4.0 LE、インタフェースとしてmicroSDカードスロット(最大128Gバイト対応)、Mini HDMI(1.4a)出力、Micro USB 2.0、音声入出力を搭載する。本体サイズは約221(幅)×126(奥行き)×9.2(高さ)ミリ、重量は約370グラム。公称値で約10時間のバッテリー駆動が行える(HD動画再生時)。

本体左右側面。バスレフ方式のステレオスピーカーをフロント面に配置している。純正カバーはマグネットで本体に吸着するタイプで、角度は2段階で調整可能

本体上面。SIMスロットらしき部分がふさがれているのも見えるが、北米で販売されている4G LTE対応モデルの国内投入は「検討中」とのこと。IPSパネルを採用しており視野角は広い

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