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“AIBO”が尻尾を立てて出迎える“VAIO”の安曇野工場に潜入 設立2周年で同社が目指すものとは?大人の工場見学(1/3 ページ)

VAIOが設立から2周年を迎えた。2015年度に打ち立てた「自立」と「発展」はどうなったのか、そして2016年度はどこへ向かうのか。VAIO本社でもある安曇野工場から見えてきたものとは。

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 PC業界に衝撃が走ったソニーのPC事業譲渡から早2年――2014年7月1日に誕生した「VAIO株式会社」が設立から2周年を迎えた。代表取締役社長の大田義実氏が新社長として就任した2015年6月、VAIOが目指すものとして挙げたのは「自立」と「発展」だ。


1999年に日米で5000体限定販売された自律型四足歩行エンターテインメントロボット「AIBO」(ERS-110)の初期号。価格は26万2500円と高価。でも売れたんだよなぁ

→・目指すはロボット製造のVAIO?:「2017年度にPCと新事業の収益を1:1へ」――大田新社長が語るVAIOのこれから

 太田社長が言う“自立”とは、設計と製造から販売、サポートまで、一貫した体制を築くこと。“発展”は、VAIOで培ってきた強みやVAIOらしさを生かして新規領域事業を成長させることだ。この宣言から1年、2015年度は大幅売り上げ増加により営業利益の黒字化に成功し、2014年度からのV字回復を達成。PCで培った製造技術を生かして開始した受託事業も想定以上に調子がよく、「PC事業と新規領域事業を2017年度に1:1にするという目標が早まる可能性もある」(太田氏)としている。

受託事業で請け負った「Palmi」(パルミー)と「Musio」(ミュージオ)
コミュニケーションロボット「Palmi」(パルミー)(左)と、英語学習AIロボット「Musio」(ミュージオ)(右)
VAIO代表取締役社長の大田義実氏
VAIO株式会社 代表取締役社長の大田義実氏(注・太田氏はロボットではない)

 好調のVAIOが、2016年度の目標として新たに掲げるのは第三のコア事業立ち上げだ。現状のコアはPC事業と2015年から始めた受託事業の2つ。太田社長は「2016年度は(これら2つを)安定的に拡大していく。さらに今年の目玉として、新たに第三のコア事業を立ち上げる。安曇野工場のPC製造技術と人材、設備を生かす受託事業が予想以上にうまくいった。今後はVAIOからも主体的に事業を進めていこうということ。お客さんとの接点もできているので、共に第三の事業を進めていきたい」と語った。

 これは好調の受託製造から新しい事業の芽を見つけて第三のコア事業へ育てるといった意味合いを持つ。ジョイントベンチャーや投資も想定して進めていくという。

 今回は、「自分で“ものづくり”を続けていきたい」とも語った太田社長が自信を持つVAIOの製造工程。そしてVAIO本社でもある安曇野工場に潜入してきたので、写真を中心にレポートをお届けしよう。

歴代モデルが並ぶ、VAIOの里へ!

 長野県安曇野市に位置する安曇野工場は、設計から製造ラインまで全てがそろう工場だ。1961年に東洋通信工業豊科工場として建設され、1974年に長野東洋通信株式会社としてソニーの100%子会社となった。当時は主にオーディオ関連製品を製造に特化していたといい、家庭用コンピュータの「MSX」や、UNIXワークステーション「NEWS」の製造もこの地で行われていた。現在は約240人の従業員を抱えている。


VAIO安曇野工場

正門には「VAIO株式会社」の文字。PCブランドが今では社名に。なんだか不思議な感じがする
工場入り口には「VAIOの里」と彫られた石碑も。ポータル…ポケストップ……いやなんでもない

建物入り口にもVAIOのロゴがある

工場内のテラスからは、北アルプスが一望できる

工場内にはローソンが併設されており、店名は「S VAIO店」となる。

店名に「VAIO」と記載されるレシートはレアかも?

工場の受付付近には、安曇野工場で手掛けられた歴代のVAIOや製品がずらりと並ぶ
2010年製造。当時から異彩を放っていた「VAIO P」。今でも保存用として手に入れておこうか迷うくらい魅力のガジェットだ

1991年製造。ポケットサイズのPalmTop「PTC-300」。筆者と同い年である

1997年製造。マグネシウムボディーを採用し、一斉を風靡(ふうび)した初代VAIOノート505こと「PCG-505」。筆者が小学生の時に、父親から奪って使っていたモデルである

2006年製造。スライド式キーボードを搭載する「VGN-UX90S」

2005年製造。フォルムが特徴的な「VGN-TXN17P」
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