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Adobe予測、2018年の写真・動画トレンドは?(2/2 ページ)

Adobeが、「2018年の写真・動画トレンド」を発表。その「6つのトレンド」を紹介していく。

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クリエイティブ・リアリティー


ピンクの葉が強烈なインパクトを与える赤外線写真。クリエイティビティが作り出すもう1つの世界

 「不安定さというのは、いつもアートに表現されるもの。私たちが生きる不確実な現代において、『逃げ場』として表現される、理想化されたもう1つの世界がある」と、前出のブレンダ氏は語る。

 そのもう1つの世界とは、自然への尊敬の念を保ちながらも、幻覚や強烈なインパクトを付け加えられた世界。葉の色がピンクになったヤシの木の赤外線写真や、頭部が木と合成された人物、ビーチに横たわる人魚など、イマジネーション豊かに自然と人間が混ぜ合わされている。


女性の大きさと部屋の大きさがチグハグであることで、異世界にいる感覚を覚える

本物の魚介類や花を用いて作成された背景パターン。ビビッドな色合いで魚たちもポップに見える

歴史と記憶


美術館に飾られているような、昔のキッチンの一部を表現したもの。素朴な野菜がどこか懐かしさを醸し出す

 不確実な時代にこそ、人は過去や歴史を振り返りそこから学ぼうとするのではないだろうか。Adobeいわく、クラシックアートからインスピレーションを受けた手法や、過去において何が貴重な存在だったかを伝えたり、古い技術と新しいテクノロジーを組み合わせたりする作品が著しく増えているという。

 例えば、ヴィンテージの洋服を身にまとった人物や、美術館で見るクラシックアートのような配置の果物、何百年もの前の医学書に出てきそうな人体など古典的なもの。そして、モダンな洋服を着た彫刻の男性像や、モザイク処理されたモナリザといったユーモアを感じさせるものまで幅広い。


クラシックなインテリアの列車で旅をする女性。こういった重厚感のあるデザインへ憧れを抱く人も少なくないだろう

修復途中の絵画。古くからのモノをよみがえらせることの大切さを訴えているよう

人のぬくもり


抱き合うカップルの手をクローズアップして、大切な人とのふれあいを強調する

 スマホやデバイスのスクリーンなどデジタルなモノに触れることが増えている一方で、「実際の世界」との触れ合いが減ってきていると感じている人もいるだろう。

 その寂しさを埋めるため、言葉によるコミュニケーションや実際に触れ合うこと、誰かと同じ空間にいることを表現技法がトレンドとなっている。

 ブレンダ氏は、「人々は直接触れ合うことに対して敏感に反応し始めている。ビジュアルの世界では、多彩なテクスチャーを含んだり、プライベートな瞬間を切り取ることで『つながり』を表現している」と解説する。

 大人の手を取ってうれしそうな笑顔を見せる子どもや、手をそっとつなぐカップル、夕日に向かって差し伸べられている手など、「手」で表現されるものが多い。人間の暖かさを伝えることで、見る人を安心させる。


馬の顔に優しくふれる男性の手。直接ふれあうことで生まれるきずなは人間同士だけのモノではない

ヘアセットをしてもらう女性。昔母親にしてもらったことを思い出させる一枚

 2018年の6つのトレンド、いかがだっただろうか。これから年末年始休暇に入り、帰省したり旅行へ出かけたりする人も多いのでは。今回紹介したトレンドを参考に、目の前の風景をとらえ直してみるのもいいだろう。

ライター

執筆:中井千尋

編集:岡徳之(Livit)


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