レビュー
「しゃべる!DSお料理ナビ」シリーズに、「世界のごはん しゃべる!DSお料理ナビ」(以下、世界のごはん)が登場した。
以前「しゃべる!DSお料理ナビ」のレビューを担当したが、記事のテーマが“ダイエット”だっただけに、低カロリーな“和食”を中心に試した。「しゃべる!DSお料理ナビ」も和食以外に洋風、中華といったメニューも用意されているが、本作は「世界のごはん」というだけあって、これまでに食べたことがないような世界26カ国もの定番料理を楽しむことができる。
「世界のごはん」を立ち上げ、まずメニュー検索をすることに。前作から引き続き「食材から」や「いろいろな条件」(カロリー・調理時間・費用など)を組み合わせたり、キーワードから検索が行えるほか、“世界地図”から好みの国の料理を選択できる機能や、Wi-Fiコネクションを使って、人気レシピのランキングがチェックできる「人気料理ランキング」も追加された。
今回筆者は地図からメニューを選ぶことにした。地図を見ながらどこの国の料理にしようかと思案していたところ、東南アジアあたりで手が止まった。9月にバリ島旅行に出掛けた筆者。
そうだ。インドネシア料理を食べて、忘れかけたあの楽しかった旅の記憶を思い出そう……
ということで早々にインドネシア料理と決まった。タッチペンで世界地図のインドネシアの位置まで移動する。ソフトに収録されているインドネシア料理は、残念ながらインドネシア風焼き鳥のサテーと、インドネシア料理としては有名なナシゴレン2品のみ。3泊5日という短い期間の旅行の食事は、ほとんど毎日ナシゴレンだったこともあり、ここはもちろんナシゴレンを選択する。どれだけ本場の味を体感することができるだろうか。
「世界のごはん」には、レシピの材料表から足りないものをチェックすると、買う材料をまとめて表示する「買い物リスト」機能が搭載された。必要な材料の中から、家にない食材をチェック。早速DS(+「世界のごはん」)を持ってスーパーへ出掛けてみた。
買い物リストを見ると、レシピでチェックを付けた足りない食材だけが一覧となってでてくる。買い足すのは「赤とうがらし」「牛ひきにく」「きゅうり」「にんにく」。買い物リストには電卓も付いているため、予算が決まっている場合など、精算前にあらかじめ計算できるので便利だ。
基本的な操作も前作とほとんど変わらない。もちろんシリーズの特長である声での案内も健在だ。料理中で手が離せない場合も、「オッケー!」や「くわしく」といった声をかけてページをめくる。
作り始めてから、前作に比べ「お料理事典」が充実したことに気がついた。中にはあまりなじみのない食材もあるので、写真付きで食材が詳しく紹介されている。食材の切り方や下ごしらえなどの動画解説も豊富になった。ただし動画による解説は短くまとめられており、何度も繰り返して再生することも少なくなかったのだが……。このほか器具の説明や料理用語はもちろん、食材の保存方法も収録されている。また個人的には「コツとアドバイス」が的確だった。こちらは料理を作る前に確認しておくことをオススメしたい。
シェフの音声ガイダンスによって、順調に料理が出来上がっていく。途中マイクが別の音を関知し、勝手に先に進んだり、戻ったりすることもあったが、特に大きな問題もなくナシゴレンが完成した。見た目もなかなかいい感じに仕上がった。
そして実食。肝心なお味はというと……「うまい!!」。本場の味……というかしょうゆを使うなど日本人好みの味付けとなっていて、断然こちらの方がおいしい。
あっ。でも旅を再現していないような……
「世界のごはん」には、全308品のレシピが収録されている。そのうち64品が日本の料理で、26カ国中もっとも品数が多い。日本の料理も知らないレシピが多かったが、「世界のごはん」というタイトルから考えると、この品数の割り当てが疑問だ。また、イタリア、フランス、中国といった日本でメジャー国の料理はある程度そろっているものの、10品以上メニューがある国の方が珍しく、特に南米の料理が極端に少ない印象を受けた。世界各国のメニューのバランスがほしいところだ。
日本人向けに食べやすくアレンジされていて、現地の本来の味を求めている人には少し物足りないところもあるかもしれない。しかし、気軽に世界各国の料理に親しむ機会になると思う。パーティーシーンにも十分活用できそうだ。また収録されているメニューには自分の知らない料理も多いので、ちょっとした勉強にもなるだろう。個人的には北欧の「ヤンソン氏の誘惑」というメニューがとても気になっているので、今度は北欧の旅へ出ようと思っている。
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