基本ハンズオン:タブレットPCって何だ? OS編

WPC Expoでも大いに注目を集めていたタブレットPCが、いよいよ各社から登場する。タブレットPCとは、簡単に言ってしまえば「ペン入力に対応したPC」である。本体に付属するスタイラスペンで、画面に直接文字やイラストなどを描き込むことで電子テキスト化が可能なのだ。また、ペンをマウスのように使ってOSを操作することもできる。今回は基礎知識として、Windows XP Tablet PC Editionがなんたるかを紹介しよう。

タブレットPC対応Windows XPの変更点をチェック

 タブレットPCは、2000年6月にビル・ゲイツ氏によって提唱された、新しいインタフェースを持つPCのことだ。具体的にはスタイラスペンを装備し、ペンによってディスプレイ画面を直接操作できる。ノートPCのようにキーボードを組み込んだ「コンバーチブル」スタイルと、完全にディスプレイ画面のみとなる「ピュア タブレット」スタイルが用意される。ともにドッキング ステーションによってデスクトップPCのようにも使用できる製品もある。

 タブレットPCには、専用のOSとして「Windows XP Tablet PC Edition」が用意される。このOSはXP Professional Editionの上位に位置づけられ、スタイラスペンによる手書き認識機能やインク機能などが付加されている。また、手書き認識機能を持った「Microsoft Windows Journal」が付属し、ペン入力した文字をテキストデータに変換できる。さらにタブレットPC発売後には「Microsoft Office XP」にタブレットPC対応の「Office XP Pack」が提供される。この拡張キットはマイクロソフトのサイトから無償ダウンロードが可能になる。

タブレットPCには、専用のOS「Windows XP Tablet PC Edition」がプリインストールされる。システムのプロパティをチェックすると、Service Pack 1がベースになっていることがわかる

 Windows XP Tablet PC Editionと従来のWindows XPとの違いを、具体的に見ていこう。まず、プログラムメニューの最上階層に、「タブレットPC 入門」「Windows Journal」「付箋」のアプリケーション、そして「Tablet Packチュートリアル」「Tablet Packヘルプ」の入った「Microsoft Office XP Pack for タブレットPC」フォルダ、「タブレットPC チュートリアル」「Windows Journal」「付箋」の入った「タブレットPC」フォルダが追加された。また、スタイラスペンで操作する新しいゲーム「インクボール」が「ゲーム」フォルダに追加されている。

Windows XP Tablet PC Editionには、タブレットPCに関連するチュートリアルのほか「Windows Journal」と「付箋」のアプリケーション、「インクボール」というゲームが新たに追加されている

 コントロールパネルには、新たに「タブレットとペンの設定」が追加された。このコントロールパネルでは利き手(コンテキストメニューが表示される方向)の変更や画面の向き、スタイラスペンのボタン設定などが行える。このコントロールパネルはタスクバーに常駐するほか、タブレットPCのハードウェアスイッチから呼び出すこともできる。また、デフォルトではタブレットPCの起動時に「タブレットPC チュートリアル」が表示され、タブレットPCおよびアクセサリ、Journal、入力パネルなどの使用方法を学ぶことができる。

画面やスタイラスペンの動作設定が行える「タブレットとペンの設定」コントロールパネルも新たに追加された


「タブレットとペンの設定」コントロールパネルでは、右利き、左利きの設定や画面の向き、本体ハードウェアスイッチの機能設定、スタイラスペンの設定などが行える


タブレットPCの起動時には「タブレットPC チュートリアル」が表示され、タブレットPC の基本的な使い方をチュートリアルによって学ぶことができる

 以上が通常のOSとの変更点となる。次回よりは、OS及びアクセサリの使い方を具体的に細かく説明していく。


▼ Tablet PCチャンネル Tipsインデックス

[吉澤亨史, ITmedia ]

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

PICK UP

news010.jpg ベールを脱いだ“Origami”、MicrosoftとIntelがOrigamiことUMPCを披露
CeBIT 2006で、ついに“Origami”がベールを脱いだ。3月9日、MicrosoftとIntelはそれぞれプレス発表会を開催、OrigamiことUltra-Mobile PC(UMPC)デバイス戦略を明らかにした。

news015.jpg “Origami”命名者らが明かすUltra-Mobile PC構想
CeBIT 2006の目玉となった“Origami”ことUltra-Mobile PC(UMPC)。会場ではIntel、Samsung、ASUSなどのブースでUMPCを見ることができた。3月10日に催されたMicrosoft、Intel、Samsungの共同記者発表会の模様とあわせて、UMPCを検証してみよう。

news001.jpg 1キロを切る超小型・軽量のコンバーチブル型タブレットPC──富士通「FMV LIFEBOOK P8210」
富士通の企業向けノートPC「FMV LIFEBOOK」シリーズに、コンバーチブルスタイルのタブレットPC 2モデルが追加された。その中でも「FMV LIFEBOOK P8210」は、本体重量が約990グラムと非常に小型・軽量でありながらも、コンバーチブルスタイルを実現した意欲的なタブレットPCである。

news002.jpg これが“ThinkPad”クオリティのタブレットPCだ──レノボ・ジャパン「ThinkPad X41 Tablet」
性能面はもとより、耐久性や操作性なども含めたノートPCとしての完成度の高さで幅広いユーザーから支持されている「ThinkPad」シリーズ。そのThinkPadからコンバーチブルタイプのタブレットPCが登場した。それが「ThinkPad X41 Tablet」である。

news002.jpg デジタルクリエイター教育におけるTabletPCの可能性──デジタルハリウッド杉山学長インタビュー
デジハリEXは、TabletPCを使ったデッサン入門講座を6月に開講する。なぜTabletPCを教材に採用したのか? クリエイティブツールとしての可能性・将来性は? 日本のデジタルクリエイター教育の先駆者であるデジタルハリウッド大学・大学院の杉山知之学長に話を伺った。

1.jpg サラリーマンのためのタブレットPC使いこなしガイド 第1回:OneNoteの登場でタブレットPCがいっそう身近に(1)
ノートPCとPDAの中間――普段のWindowsアプリケーションが使え、PDAなみの軽快な操作性と携帯性を持つタブレットPC。メールやWebの閲覧はもちろん、企画書を作成して他社に営業に行き会議室でプレゼンを行う……そんな今回の企画にぴったりの人はもちろん、それ以外の人にもタブレットPCとOffice OneNote 2003などのアプリケーションを組み合わせた、きっと役に立つちょっとしたノウハウを今後数回に分けて展開していく。

news009.jpg マイクロソフト、次世代TabletPCのコンセプトモデルを初披露
マイクロソフトは都内で行われた開発者向けコンファレンス「WinHEC 2005 Highlights」で、次世代TabletPCのコンセプトモデルを本邦初公開した。スライド式の液晶タブレットを搭載し、ノートPCモードとピュアタブレットモードを瞬時に行き来できるのが特徴だ。

news020.jpg TabletPCの現在、そして未来を語る──モバイルプラットフォーム事業部GMインタビュー
TabletPCはノートPC市場のメインストリームに対して、フェーズに合わせて普及のターゲットを広げてきた。さらに将来的には、タブレットの機能はすべてのノートPCにも搭載されるようになるという。米マイクロソフト モバイルプラットフォーム事業部 ジェネラルマネージャーにTabletPCの現在と未来を聞いた。

news003.jpg ペンオペレーションでモバイルAVノートの魅力が変わる──富士通「FMV-BIBLO LOOX P70R」
富士通のモバイルAVノート「FMV-BIBLO LOOX」シリーズに、新モデルとなる「FMV-BIBLO LOOX P70R」が登場した。1キロを切る軽量ボディを実現しながらも、一般ユーザー向けとしては同社初のコンバーチブル型タブレットPCであるという意欲的な製品だ。

news005.jpg タブレットPCのプレゼンは、なぜ琴線を揺さぶることができるのか?
今や、ビジネスパーソンだけでなく、学生にもプレゼン能力が問われる時代。とはいえ、スライドと話術のみで受け手に強い印象を残すプレゼンを行うのは非常に難しい。しかし、タブレットPCを利用すれば、誰でも簡単に“勝てるプレゼン”が可能になるという。それはなぜか──。

news001.jpg コンバーチブル型を採用した企業ユースのメインストリームモデル──日本HP 「HP Compaq tc4200 Tablet PC」
日本HPから、同社初となるコンバーチブル型のタブレットPC「HP Compaq tc4200 Tablet PC」が登場する。利用シーンに合わせてスタイルを変更できるトランスフォーム型で脚光を浴びた同社製タブレットPCだが、新モデルはイメージを一新し、企業ユースの本流を狙う意欲的な製品に仕上がっている。

news001.jpg オフィスを狙った本格仕様の2スピンドルコンバーチブル型タブレットPC──富士通「FMV LIFEBOOK T8210」
「FMV LIFEBOOK T8210」は、携帯性を重視したB5サイズの2スピンドルコンバーチブル型タブレットPCだ。タブレットモード、ノートPCモードのどちらも快適に使用できるハイスペックを備えており、オフィスユースに適した魅力的なマシンに仕上がっている。

news003.jpg TabletPCでペーパーレス化や広告イメージの具体化・共有化を実現
アカウントマネージメントパーソンにとって、クライアントに関するあらゆる資料・情報は“ビジネスのなる木”だ。だが、それらをすべてため込もうとすると、今度はその量に飲み込まれて身動きができなくなってしまう……。マッキャンエリクソンに勤めるあるアカウントマネージメントパーソンは、TabletPCを使うことでその矛盾を克服した。

news002.jpg タブレットPC・ガールの旅日記Vol.8「東京ベイエリアに行きました」
KAORI(臼田 華織)、歌って踊れるキャンペーンガール&モデルユニット「IT GIRLS」のメンバー。所属はアトランティックス マネージメントです。柔らかな初春の日差しに誘われ、葛西臨海公園からパレットタウン、お台場海浜公園まで、東京ベイエリアをぐるっと回ってきました。