ソーテックに聞く
タブレットPCは戦略商品、Centrino搭載モデルも?!
戦略商品として大切なのは、価格に見合う価値の実現
編集部 4月中に5回、横浜のNHK文化センター ランドマーク教室でタブレットPCの無料体験セミナーを開催しましたね。「感触」はいかがでしたか?
横田 シニア層を対象としたセミナーでしたが、参加された方々からは「こんなパソコンがあるなんて初めて知った」という声を数多く聞きました。参加者の意見を総括すると、「面白かった」「第2回もやってほしい」という意見がほとんどで好評でした。タブレットPCのターゲットとしてシニア層は間違いないと考えています
編集部 セミナーを通じて、今後のタブレットPC開発の参考となるような意見はピックアップできましたか?
横田 ある年配の女性の意見が印象的でした。「これまではパソコンで年賀状や暑中見舞いを作成するなんて失礼だ!」と思っていたそうですが、セミナーで暑中見舞い作成を体験したら、「自分でもやってみたくなった」というのです。写真を貼り付け、そこに手書き文字でコメントを書き込んだりできるでしょう。
やはり、パソコンらしくないところ、手書きの感覚、アナログ感覚で使えるところに魅力を感じられたようです。ただ、「初めて知った」という人も多く、やはりまだ認知度は低いようですね。
ソーテック営業企画部課長 横田隆氏
編集部 今後は認知度を高めることが1つの課題ですね。それを踏まえて、開発の方向性を聞かせてください。Centrino搭載モデルがリリースされるという噂もありますが……。
横田 ソーテックの中で、タブレットPCは「戦略商品」です。ターゲットとする利用者層を絞り込み、技術力をアピールする商品という位置付けです。そのため価格帯は15万円以上、20万円以上と、通常のパソコンよりは高くなります。また、もう一つの路線として、10万円を切るパソコンといった価格戦略はそのままに「付加価値が極めて高いパソコン」という意味合いを持った商品でもあります。
Centrino搭載モデルについては、現時点では、なんとも言えません……。Centrinoを搭載するとなると30万円前後、場合によっては30万円を超えてしまう可能性もあるでしょう。戦略商品とはいっても価格的に高すぎるのではないでしょうか。ただし、重要なのは「価格に見合う価値」です。たとえ9万9800円のパソコンでも価格に見合う価値がなければ売れないし、その逆もありうるとは考えています。
今、ノートPCの市場が年間600万台です。そのうち25万台をタブレットPCに置き換えたいというのがマイクロソフトやメーカーサイドの共通目標です。タブレットPCの魅力をもっと生かせるようなキラーアプリケーションが登場すれば実現できるし、量産体制に入れば価格も安くできる。そのサイクルに乗れば、Centrino搭載も含めて新たな展開が出てくると思います。
編集部 ありがとうございました。
[下玉利尚明, ITmedia
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