Brand New PC Style / Web Business:曽利昌広さん(ドラゴンフィールド(株) コンテンツ事業部)03

ラスト・インプレッションも、曽利さんらしい思い入れの深いものとなった。ウェブビジネスのエキスパートが感じたタブレットPCとはどんなものだったのか。

 さまざまな分野のかたにタブレットPCに触れていただき、感触、良さ、改善点を語ってもらうBrand New PC Style。今回、さまざまなお仕事の方にタブレットPCに触れていただいたわけだが、その中でももっとも熱い姿勢でモニタに挑んでくださったのがドラゴンフィールド(株)の曽利昌広さんだ。

 曽利さんへの取材は、その思い入れが強いためか、毎回、揺れるユーザー心理を見せつけてくれたわけだが、ラスト・インプレッションとなる今回も曽利さんらしい思い入れの深いものとなった。ウェブ・ビジネスのエキスパートが感じたタブレットPCとはどんなものだったのか、最後にその熱い気持ちを語っていただこう。

タブレットPCと無線環境が生み出す仕事の余裕

チバ  まず、この数週間、タブレットPCを使ってみて、総じて感じたことをお聞きしたいと思いますがいかがでしょう?

曽利  今、もしパソコンが使えなくなってしまったら、ということを考えました。

チバ  おおっ、いきなり深刻なテーマですね。僕らのようにパソコンのお世話にならないことには、日々の仕事もままならないものにとって、考えるだに恐ろしいことかもしれませんね。

曽利  おっしゃるとおりです。パソコンがなくなったら、おそらく最初はかなり困ると思うんです。まず、なんと言っても仕事の面で大きな支障が出てきます。それほどに日々の仕事の大切なポイントでパソコンが利用されているわけです。そうしたパソコンの存在が大きくなっている中にあって、タブレットPCはとてもユニークな存在だと思うわけです。そんなタブレットPCだからこそ、今後、タブレットPCならではの使い方が生まれてくるように感じるんです。

チバ  確かにタブレットPCはこれまでのパソコンとは意味合いの異なるものだと言えるでしょうね。

曽利  ただし、タブレットPCが存在する上で大前提として必要な環境があると思います。特にネットへ無線でアクセスする環境は必須なのではないでしょうか。中でも無線LANは最高です。無線でつながっていれば、仕事の生産性、特に知的生産性が2倍、いや大袈裟かもしれませんが6倍にもなるように感じています。それはプライヴェートにおいても一緒だと思うんです。このことはタブレットPCを使ってみて痛烈に感じました。

チバ  ちなみに曽利さんのお宅では無線環境は?

曽利  実はまだなんですよ。前回、トイレでも使いたいなんてことを言いましたけど、そんなときに絶対に必要なのがネットにつながる環境だと思うんです。なので、今後、自宅に無線環境を導入することを考えています。そうなれば、生産性の高い時間はまだまだ増やすことができると思います。

チバ  タブレットPCと無線環境がそういう時間を支え、生み出してくれる、というわけですね。

曽利  そうです。今の仕事の環境や生活の中では、余裕を持って物事に集中できる時間は充分に確保できないのが実情だと思います。密度の濃い時間は人と会って話をし、その話を思い出しながら次につなげる。そんなやり方で仕事を進めています。

 だからこそ、商談やらミーティングを始める前と終えた後の時間が大切だと思うのですが、実際はほとんどその時間すら確保することができません。仕事全体における生産性を高めるためには、集中できて準備やまとめができる時間を確保することだと思います。意外に多いのは、移動の時間や悩んでいる時間だったりします。中でも簡単なことに悩んでいたり、人に相談すれば3分で解決するような問題に意外に時間をかけてしまっていたりします。そんな時にうまくタブレットPCを使うことができたなら、時間の活用がもっとできるようになると思います。

[チバヒデトシ, ITmedia]

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