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先月米国で発表されたAdobe Acrobat 6だが、日本語版の方も1月遅れという迅速さで発表された。今回のバージョンアップの最大のポイントは、いかに“PDF”が簡単になったか! ということと、ファミリー化したという2点だ。
PDFに対するハードルがまた一つ、下がった
多くの読者がWindowsを使用しているためこういう話をすると恐縮だが、PDFを利用する、という観点で言えば今日、Mac OS Xのほうが環境的に先行していたのには疑いがない。アドビはWindows版もMac版も出してはいるが、Mac OS Xは描画エンジンのデフォルトフォーマットをPDFにしているため、スクリーンショットを撮ればPDFになるし、プリンタドライバレベルで、PDF保存のオプションが組み込まれる。
つまりAdobe Acrobatなしで、作成するという面だけではあるが手軽なPDF利用環境が既に提供されているというわけだ。
だがAdobe Acrobat 6によって、WindowsユーザーはMac OS X以上の簡便さで、PDFの作成が可能となる。Microsoft Officeのドキュメントを右クリックするかドラッグ&ドロップするだけで、PDFファイルが生成できるようになる。
無論作成だけではない。注釈機能はより視覚的に向上し、ドキュメントを“レビュー”する(確認し合って注釈をつけ合う)コラボレーション作業を円滑化する機能強化が行われている。そこには、Microsoft Officeとの、排他的関係ではない共存関係を構築して、電子ドキュメント環境全体の向上を志向しているようだ。
では、Adobe Acrobat 6.0 Standard日本語版(ベータ版)をもとに、幾つかの新機能を紹介しよう。
OfficeやInternet ExplorerでPDFを作りまくろう!
PDFの作成については、前段でも述べたようにAcrobat 6をインストールすると、Microsoft Office及びInternet Explorerで、あっという間にPDFを作成することができるようになった。
左から、PDFへ変換(保存)、PDFへ変換してメール送信、PDFへ変換してレビュー用に送信、の各ボタン
Microsoft OfficeファイルのデフォルトのPDFバージョンは、Acrobat 5の時と同様に1.4となる。ただしInternet Explorerの場合、FlashやWMFなどのマルチメディアファイルの埋め込みに対応する最新のバージョン、Adobe PDF 1.5形式で保存される(デフォルト設定)。
Internet ExplorerをキャプチャしたPDF。PDFバージョンは最新の1.5となる(クリックすると拡大します)
Microsoft Officeとの連携はさらに向上した。WordやExcelをPDFに変換する際、元ファイルを添付することができるようになった。また、WordやExcelファイルをPDFに変換したあとで、そのPDFファイルからWordやExcelに、ほぼ同じ形でデータを再コンバートできるようになった。もちろんPDFへの変換時に、セキュリティ設定をすることができる。
つまりユーザーはシチュエーションに応じて、元ファイルも送るかPDFだけを送るか、改変禁止など設定するかなど、より手軽にPDFを使いこなせるようになるわけだ。
[大出裕之, ITmedia]
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