> レビュー 2003年5月28日 11:59 PM 更新

実売価格ニッキュッパの300万画素3倍ズームデジカメ
オリンパス光学工業 CAMEDIA X-200(2/2)


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機能、デザインともに初心者を強く意識


 一般に、各社の普及型主力ズームデジカメが集うのは、実売価格3万9800円のあたりである。2003年春はここに300万画素3倍ズームのコンパクトデジカメが多く結集した。オリンパスも主力の生活防水デジカメ「μ-10 DIGITAL」をそこに位置づけている。

 だがオリンパスは、その下の価格帯である実売2万9800円のエリアにも、同じ300万画素3倍ズームデジカメを用意してきたのだ。それが「CAMEDIA X-200」である。他社の普及価格帯をさらに下回る価格にしてきたところにオリンパスの凄さを感じる。

 CAMEDIA X-200は320万画素CCDを搭載。レンズは35mmフィルム換算で35〜105mmの3倍ズームで、明るさはF3.1−5.2。ちょっと暗めだが、このスペックはμ-10 DIGITALと同じで、まったく同じレンズを搭載していると思われる。デザインもμ-10 DIGITALをひと回り大きくし、ボディをメタルの代わりに樹脂製にしたようなスタイルだ。


レンズカバーが閉まった状態ではレンズもストロボも光学ファインダーもすべてが隠れている。レンズカバー中央の窪みに指をかけて開き切るとレンズが飛び出てきて撮影可能になる




ボディは丸みを帯びているので、実感としてはあまり厚く感じない。しかし実際には、レンズカバーの厚みがけっこうあり、トータルで4センチを超えている

 画質は色鮮やかで、コントラストとエッジ強調が強くかなり硬め。晴天下の屋外では特に硬さを感じる。もともとコントラストが低い室内ではそういうことはないが、逆に白熱灯系の照明下ではオートホワイトバランスに不安定さを感じる。

 ISO感度はオートのみで自動増感される。基本感度はISO64と低めに抑えており、最大400まで上がるが、そうむやみに上がるプログラムにはなっておらず、例えば室内で1/5秒というシャッタースピードの場所でもISO128でとどまっていた。シャッタースピードがよほど遅くならないと大きな増感はしない仕様のようで、増感によるノイズの増加よりも手ぶれの心配の方が必要そうだ。

 撮影機能はオート+4つのシーンモードのみ。シーンモードの切り替えは、メニューボタンを押してメニューを出したあと十字ボタンの右を押してモードメニューに入り、もう一度右を押してシーン選択にし、さらに右を押してシーンを表示させてそこから選ぶというステップが必要になる。

 これはやや面倒で、十字ボタンも小さくて押しにくいため、多くの人はフルオートで使うことになりそうだ。メニューの第1階層にあるのは、ムービーとスチルの切り替え、画質モード、モードリセット、モードメニューの4つだけと、他機種より初心者向けの内容になっている。ムービーは、マイクやスピーカーを持たないため、音声なしだ。


メニューボタンを押すと第1階層に現れるのがこの4つの機能で、それぞれが十字キーに対応している。初期設定に戻す「モードリセット」が第1階層にあり、ホワイトバランスや露出補正がメニューの奧に隠れているのが初心者向けっぽい

 他のオリンパスのデジカメと同様、「モードメニュー」は「撮影」「画像」「カード」「設定」の4つのタブに分かれている階層構造で、「撮影」タブにはシーン選択、測光パターン、露出補正などが、「画像」タブにはホワイトバランスのみが用意されている。ホワイトバランスもオート以外はプリセットが4つとシンプルな内容だ。

 背面にボタンがほとんどないことも合わせて、かなり思い切って機能を削り、初心者が余計なメニューの迷路に迷い込まないように考えられているといってよい。迷い込んだときは、モードリセットでいったんリセットすればいいのである。液晶モニタは1.8型と少し大きめのものを採用している。


見て分かるとおり、非常にシンプル。中央がOK兼メニューボタンになった十字キーと、ディスプレイボタンしかない。やや分かりづらいが、ディスプレイボタンが再生兼クイックビューを兼ねている



上面にはシャッターボタンとズームレバーがある。ズームレバーは、CAMEDIA C-900ZOOMから伝統のスイッチを倒すタイプ。この写真はレンズカバーを開けた状態で、開けると凹凸ができてグリップしやすくなる

 再生は、ディスプレイボタンを使うというオリンパス伝統の方式。電源オフ時にディスプレイボタンを押すと再生モードで電源が入り、撮影モード時はディスプレイボタンを2度押しすると再生モードに入るという仕組みだ。慣れないと分かりづらいのが難点である。

 記録メディアはxDピクチャーカードを採用。パソコンとはケーブルで接続する。付属ソフトの「CamediaMaster」も初心者向けのデザインがなされたソフトだ。

 バッテリは単2形×2本。これも機械が苦手の人でも抵抗なく入手し、使えるものということだろう。アルカリ乾電池2本が同梱されるが、たくさん撮りたい人のためにCR-V3リチウム電池パックにも対応している。


側面にはxDピクチャーカードのスロットとバッテリスロットがある。xDピクチャーカードの上にあるゴムのカバーはUSB端子。写真のバッテリはCR-V3リチウム電池パックだが、単3形電池2本でも動作可能だ

 つまるところ、ある程度年配の人で、今までは旅行時などにコンパクトカメラを使っており、これからデジカメを始めるが、機械は苦手なのでできるだけ簡単に撮れるものがいい、という人向け。それならもうちょっとボタンを大きく押しやすくしたり、レンズカバーを開けやすくするなどの工夫が欲しかったところだ。それでも内容の割に価格が安く、コストパフォーマンスは非常に高い。

CAMEDIA X-200:作例

 このページの画像はWeb掲載用に加工してあります。リンクをクリックすると、手を加えていないオリジナルの画像を見ることができます。


二子玉川のフットサルコートでフットサルを楽しむ風景を望遠側で撮影。好天に恵まれており、人工芝の緑がすごく鮮やかに出ている。コントラストが高めで中間調がちょっと沈み気味なのが気になるくらい。絞り:F5.2、露出:1/400sec(オリジナル画像はこちら


八幡神社の境内を撮影。夕方でうっすらと夕日が差し込むという条件。神社のような場所だとコントラストが非常に高く、このようにはっきりした硬調の絵になる。絞り:F3.1、露出:1/100sec(オリジナル画像はこちら

[荻窪圭, ITmedia ]

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