> レビュー 2003年5月28日 11:59 PM 更新

手のひらに収まる“ビジュアルブックマーク”デジカメ
ソニー サイバーショットDSC-U20(2/2)

キャッチコピーは「ビジュアルブックマーク」。ポケットやバッグに入れて持ち歩き、気になったものや身近なものを気軽にサッと撮るというコンセプトのデジカメだ

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コンセプトは「ビジュアルブックマーク」


 キャッチコピーは「ビジュアルブックマーク」。文字通り、普段からポケットやバッグに入れて持ち歩き、気になったものや身近なものを気軽にサッと撮るというコンセプトのデジカメだ。その実現のため、かなり思い切った設計になっているのが特徴。

 ボディは短いスティック型で、手のひらにぎゅっと納まるサイズ。厚いのでシャツのポケットには向かないが、上着やポシェットに無造作に放り込んだり首からぶら下げるにはいい感じだ。


右端の波形の加工がワンポイント。レンズカバーを開けるとレンズとフラッシュが現れるが、このレンズカバーはなかなか感触がよくて開け閉めが気持ちいい。大事なポイントだ



ちょっと分厚いが、高さを抑えたスティックスタイル。ここまで小さくできるのかというほどのサイズだ

 撮影も簡単。指でレンズシャッターを開ければOK。片手で問題なくできる。撮影は液晶モニタで。光学ファインダーで構えるなんてことはしない。AFもシームレスマクロで10センチから無限遠まで合うので、細かいことは気にしないでピントを合わせてシャッターを押すだけだ。とても潔い作りである。

 そういう気軽な使い方にそぐわない機能は、徹底的に排除してある。光学ファインダーも三脚穴もないし、デジタルズームもない。撮影機能も最低限で、露出補正やホワイトバランスのプリセットもないし、ISO感度もオートのみ。フォーカスに関してはなぜか4パターンのプリセットフォーカス(20センチから無限遠まで)が用意されているが、それだけといっていい。

 露出も、手ぶれを防ぐためにシャッタースピードの下限が1/30秒にセットしてある。それより暗いときはISO感度を上げて対処する仕組みで、最大ISO320まで上がるのは確認できた。それより暗いときはフラッシュをたくしかなく、フラッシュをたきたくないお店の中などでは単に暗く撮れるだけなので、あきらめるしかない。これはちょっといただけない仕様だ。非発光でスローシャッターも可能なモードを別途、シーンモードに設けるべきだったろう。

 ユーザーインタフェースもシンプルで、背面中央下に一見十字キーっぽくシンメトリーに並べられたボタンがあるが、左がメニュー、右が実行、中央は上下という構成。中央の上下レバーは、普段は上が発光モード、下がシーン切り替えに割り当てられている。


中央に1型の小さな液晶モニタとその下にボタンというシンメトリックなデザインが印象的。右下のカバーを開けるとUSB端子がある



再生時などレンズカバーを開けないで操作するときはこの電源スイッチを使う。撮影・再生モード切替スイッチも上面にある。シャッターボタンは小さいがなかなか感触はよい

 シーンセレクションは3種類。ポートレート用にソフトに撮る「ソフトポートレート」、風景用に青空や緑を強調して鮮やかにする「ビビッドネイチャー」、そしてスローシンクロ撮影で人物と夜景の両方を写す「イルミネーションスナップ」である。このように徹底的にシンプルな作りになっているのである。

 液晶モニタは中央に位置しており、1型の反射型液晶。反射型なので晴天下でも見えるが、普段はフロントライトを点灯して視認性を上げている。が、1型とサイズが一般的なデジカメに比べて小さいうえに、やはり反射型なので発色が悪くてコントラストも低く、視認性がよくない。

 フロントライトのオン/オフもメニューの中にあるので瞬時に切り替えるというわけにはいかず、かなりいただけない仕様だ。この手のコンセプトのデジカメは撮影が楽しくなければならず、それには液晶モニタの質が重要だと考えるべきだろう。

近距離撮影が得意でヒットも高率

 肝心の画質だが、レンズは33mm相当の単焦点。使いやすい画角で、明るさはF2.8。シームレスに10センチまでピントが合うので、手近なものからちょっと離れたものまで自由に撮影可能だ。CCDは1/2.7型200万画素のプログレッシブスキャンタイプを採用する。

 撮れる写真にはソニーらしい素直な鮮やかさがある。ホワイトバランスや露出がヒットすると、バランスの取れた絵になる。オートホワイトバランスはけっこう敏感でちょっと角度を変えると色が変わったりするし、暗部は若干ざらつくし、ディテールはよく見るともやけているが、このクラスとしては十分だろう。

 特に近距離の撮影は得意で非常に鮮やかな写真が撮れるので、身近な人や物を撮るのに適したデジカメと考えたい。青空がくすんで写りがちではあるが、それはビビッドネイチャーモードで撮ればかなり解消できる。動画は160×112ピクセルで最大15秒と、最近の他のデジカメに比べるとちょっとおもちゃっぽい仕様だ。

 記録メディアはメモリースティックでPROには未対応。バッテリは単4型2本でアルカリ乾電池には対応していない。ニッケル水素充電池2本と充電器が付属する。ただし、付属する充電器は急速タイプではない標準充電器なので、フル充電になんと13時間もかかる。これは論外といっていい。バッテリの持ちもそれほどよいわけではないので、予備のバッテリ2本と急速充電器は別途購入する必要がある。


単4形電池とメモリースティックを側面から入れる。右手が付属充電器で単3/単4形兼用タイプ。こうしてみると、サイバーショットDSC-U20の小ささがわかる

 このように、撮影機能は潔く割り切ってコンセプトをうまく実現したデジカメだが、液晶モニタの質や付属する充電器など目立つ欠点がある。また、こういうデジカメは室内で小物や料理を撮ることも多いと思われるので、1/30秒のリミッターはきついところだ。コンセプト自体は悪くないので、欠点を分かった上で使うのなら、ポケットに入れて持ち歩きたい製品の1つ。

サイバーショットDSC-U20:作例

 このページの画像はWeb掲載用に加工してあります。リンクをクリックすると、手を加えていないオリジナルの画像を見ることができます。


自分の影を撮影。やや白飛びはあるが、夕方っぽい感じは出ている。こういうなんてことのない写真を思わず撮るような用途に向いている。このくらいの距離の被写体が一番向いている。絞り:F4.0、露出:1/125sec、ISOレート:100(オリジナル画像はこちら


近距離で猫を撮影。シームレスに10センチまで寄れるので、こういう写真も普通に撮れて便利。昼間の室内だが1/30秒でISO320とギリギリの暗さ。ポートレートモードで撮ったので、ノイズも目立たずソフトな感じになっている。絞り:F2.8、露出:1/30sec、ISOレート:320(オリジナル画像はこちら

[荻窪圭, ITmedia ]

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