> ニュース		2003年6月25日　02:12 PM 更新

Apple幹部に“Panther”“Power Mac G5”を聞く（2/2）

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　デベロッパーに向けた発表も用意されている。基調講演の中でジョブズ氏はデベロッパーツールのXcodeを紹介した。XcodeはUNIXベースの開発環境をシンプルなユーザーインタフェース、そしてパフォーマンス改善用のテクノロジーとしてFix and Continue、Zero Link、Distributed Buildなどと組み合わせたものだ。

　XcodeはAppleの以前の開発ツールよりも5倍高速になっており、Mac OS Xのアプリケーション開発をかなり高速に行うことが可能になっている。Fix and Continue機能により、デベロッパーはアプリケーションを動かしたままライブでコードを変更し、アプリケーションをリスタートせずに動作の変化を確認することができる。

　「基調講演全体が非常に印象深かった」とBare Bones Softwareの創業者でCEO、リッチ・シーゲル氏は述べる。「Appleは再びイノベーションしてくれた。マシンスピード、ビデオカメラ、iChat。デベロッパーカンファレンスなのに、たくさんのコンシューマー向けニュースがあった。しかし、デベロッパーも忘れられてはいない。新しフレームワークとAPIによって、われわれがイノベーションを行っていくための機会は十分に与えられたのだ」とシーゲル氏。

Mac OS X Pantherは新機能満載

　Mac OS X Pantherには100以上の新機能が含まれており、その中には新しいFinder、ビデオカンファレンスソフトウェアのiChat AVがある。ジョブズ氏は新しいFinderを「ユーザーセントリック（ユーザー中心）」と評し、ユーザーがコンピュータ体験の中心にあることを示した。

　「FInderは人々がいつもしていることに対して新しいアプローチを提供する。いつも使っているハードディスクドライブ、よく行くネットワーク、頻繁に開くフォルダ、すべてを一カ所に置くことができる」とMac OS Xプロダクトマーケティング担当ディレクターのケン・ベレスキン氏は24日に行われたMacCentralとのインタビューの中で答えた。

　その他の新機能としては、高速化された検索、カラーラベル、Windowsネットワーク環境の改善などがある。PantherではActiveDirectoryとSMBベースのホームディレクトリをWindowsサーバ上でサポートしており、Windowsとの統合化を強化したことにより、共有プリンタでの印刷が可能になっている。

　基調講演の聴衆をうならせた機能の一つが、Expose（最後のeにはアクサンテギュが付く）だ。Exposeを使うと開いているウィンドウすべてを見ることができ、どのウィンドウを最前列に持ってくるかを選択できる。Exposeでは重なり合ったウィンドウを整列させることもできる。

　「Pantherには大きな機能がたくさんある。Finder、iChat AV、そしてExposeはその一部に過ぎない」とベレスキン氏。「ExposeはMacが生まれてからグラフィカルインタフェースで起きた最も革新的な前進になりえる」と同氏。

　AppleはFileVault機能も追加した。FileVaultはホームディレクトリのコンテンツを128ビットAES暗号化により保護する。Mailもいくつかの新機能が追加された。PixletはQuickTimeに追加された「映画スタジオ品質のコーデック」だ。Font Bookはシステムレベルのフォント管理システム。そして、PreviewとiDiskも改良が加えられている。

　「ほとんどのアイデアはPumaの後、多くがJaguarの後に生まれたものだ」とシラー氏。「Exposeなどの機能は昨年、OSに取り組んでいるときに考え出したものだ。Mac OS Xでやり足りないところはまだある。Jaguarは過去のもので、われわれは今、その先に向かっているのだ」とシラー氏は述べた。

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[Jim Dalrymple, IDG Japan]

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