“10倍ズーム搭載コンパクト機”の本命?――富士写「FinePix S5000」(4/4)だが実は、同社のコンパクト機へのCCD-RAWモード搭載は、今年2月に発表されたF700の方が早かった。F700はS5000より先に発売され、“コンパクト機初のCCD-RAWモード搭載”となる予定だったが、「スーパーCCDハニカムIV SR」の生産の遅れで発売が二度に渡って延期され、最終的に発売日は9月14日となり、8月24日発売のS5000に先を越されてしまった。 RAW記録のメリットは、従来デジカメまかせになってしまうJPEG圧縮や色変換・シャープネスといった画像処理を、RAW現像ソフトを使って撮影後にユーザーが自由に設定できる点だ。S5000で撮影したRAWデータは、付属アプリケーション「FinePixViewer」から呼び出せるRAW現像ソフト「RAW FILE CONVERTER LE」でTIFFデータに変換することができる。
RAWデータは「FinePixViewer」から呼び出せるRAW現像ソフト「RAW FILE CONVERTER LE」でTIFFデータに変換できる ただしこのRAW FILE CONVERTER LEは、ただTIFFデータに変換するだけという“おまけソフト”。TIFF変換時にホワイトバランスや色変換、露出補正など各種パラメータの設定がまったくできないのだ。下の写真は、左がCCD-RAWからTIFFに変換したもので、右がJPEG最高画質(6Mモード)で撮影したものだ。違いが分かるだろうか。
CCD-RAWからTIFFに変換(左)と、6MモードJPEG最高画質(右)の画像比較 CCD-RAWの1画像あたりのファイルサイズは約6.7Mバイトと巨大で、標準添付のxDピクチャーカード(16Mバイト)にたった2枚しか撮影できない。ちなみに、JPEGなら6Mモード(2816×2120ピクセル)の最高画質で16Mバイトメディアに約10枚撮影できる。 このように、RAW記録はファイルサイズが大きくなってしまうため、RAW記録モード搭載機のほとんどが、容量あたりのメディア単価が安いマイクロドライブを使えるようになっている。同社のCCD-RAW対応デジカメ「S2 Pro」も、マイクロドライブ対応だ。 xDピクチャーカードしか使えず、さらに各種パラメータを自由に設定できない付属のRAW現像ソフトでは、せっかくのCCD-RAWモードも“宝の持ち腐れ”になってしまっているのは残念だ。
銀塩のレンズ交換式一眼レフカメラでは、キヤノン「EOS Kissシリーズ」、ニコン「Uシリーズ」、ペンタックス「MZ-5シリーズ(もしくは*ist)」、ミノルタ「α-Sweetシリーズ」といった小型軽量で簡単操作の普及機が、一般ユーザーに広く受け入れられている。 このクラスでよく見るのは、28−80ミリ前後の標準ズームと80前後−300ミリの高倍率ズームをセットにして5万〜6万円台で販売するケース。つまり、2本のズームレンズを組み合わせることで広角(28ミリ)から望遠(300ミリ)までちょうど「10倍相当のズーム」を楽しめるようになっているのだ。
5万円前後の光学10倍ズーム機の製品ラッシュは、コンパクトカメラに物足りなさを感じて5万〜6万円台のレンズ交換式一眼レフWズームセットを購入するようなユーザー層を狙ったものと考えると納得がいく。 だとすれば、600万画素相当の記録画素数や、一眼レフライクなボディの作りこみ、多彩なAF機能/撮影モード、フォトモードボタンなど簡単操作機能などを備えたS5000は、「一眼レフもそろそろ銀塩からデジタルへ移行したい。でも、レンズ交換式一眼レフデジカメは、まだまだ高価だし……」と考えているユーザーに、かなりアピールできそうだ。
「一眼レフの撮影感覚を重視」――富士写、10倍ズームの「FinePix S5000」 富士写、光学10倍ズームの「FinePix S5000」を発表 PCUPdate製品情報:FinePix S5000 関連リンク 富士写真フイルム finepix.com [西坂真人, ITmedia ] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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