> レビュー 2003年9月9日 11:26 AM 更新

広角の楽しさは「28ミリ」に――ワイドズーム搭載「Caplio G4wide」レビュー(2/3)


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 このように、後ろに下がれないために狙った被写体がフレームに収められないことは、多人数での集合写真や風景撮影、狭い室内での撮影などでよくあるケースだ。逆に、被写体を大きく撮るために前に出ていくことは、立ち入り禁止の場所でない限り比較的簡単なのだ。筆者が望遠ズームよりも広角ズームを勧める理由がここにある。


28ミリ相当の広い画角があれば、狭い通路でも特徴的なデザインの建物の全景を撮影することができる


 この広角レンズをタテに構えると、今度は高さ方向で自由度が生まれる。


28ミリ相当(左)ではバックにある透明な円柱状の建物がしっかりとフレーム内に収まっているが、35ミリ相当(右)では上部が切れてしまい、写真全体の開放感もイマイチ


広角レンズはフレーミングに余裕が生まれることだけでなく、深い被写界深度を生かした遠近感ある作品を撮れる楽しさもある

 光学3倍ズームのほか、3.4倍のデジタルズームを搭載。光学ズームと併用して、最大10.2倍(285ミリ相当)の望遠が楽しめる。ただし、しょせんデジタルズームなので画質は期待しないほうがいい。G4wideは広角を楽しむデジカメなのだ。


28ミリ相当のワイド端(左)、85ミリ相当のテレ端(中央)、3.4倍デジタルズーム(右)

 28ミリからの広角ズーム搭載ながらも、ワイド端のマクロが最短1センチからという同社デジカメ伝統の強力なマクロ機能は健在。さらに、G4wideではテレマクロ(望遠側のマクロ)も最短4センチまで対応と、従来機(最短16センチ)よりもマクロ性能が向上している。


さらに性能アップした強力マクロ機能

 こんなに楽しい28ミリ相当からの広角ズームレンズを、メーカーはなぜデジカメに積極的に採用しないかというと、レンズの設計が望遠ズームに比べて数倍難しいからだ。

 レンズを広角にしていくと「歪曲収差」や「周辺光量不足」という問題が出てくる。CCDなど撮像素子を使うデジカメでは、感度ムラやダイナミックレンジ特性劣化が発生し、CCDサイズが小さくなるコンパクトデジカメではこれらの問題が顕著に現れるのだ。

[西坂真人, ITmedia ]

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