カメラダイレクト機能を充実させたPIXUS新製品7機種発表「デジタルカメラの印刷はPCレス/ダイレクトが主流になる」と考えるキヤノンは、今回の新製品でもカメラダイレクトを意識した性能向上を全ラインアップで施している。
最上位機種のPIXUS 990i。ヘッドを大型化し印刷速度をアップ。特色レッドを加えた7色インクで写真画質も向上させた
PIXUS 865R。ミドルレンジの4色プリンタながら、顔料系ブラックとフォトブラックを併用して画質を向上。IEEE 802.11bをサポートし、無線LANプリンタサーバとして使用できる ※記事初出時、無線LANプリンタサーバ機能がオプションであるとの記述がありました。ここに訂正し、読者ならびに関係者のみなさまにお詫びいたします。ZDNet News編集部
PIXUS MP370。デザインが大幅に変更され、スキャナヘッドにはCCDが採用された これまで一部の機種だけがサポートしていたPictBridgeは、今回発表されたすべての新製品でサポート。これまでも「キヤノンカメラダイレクトプリント」機能があったが、同社製デジカメからしかできなかったカメラダイレクトが、PcitBridgeをサポートする他社製デジカメでも行えるようになった。 PIXUSの画像エンジンも、カメラダイレクトを意識して改良した「New キヤノンデジタルフォトカラー」を実装。これまでの「キヤノンデジタルフォトカラー」では、プリンタに入力された画像データを忠実に再現することを主眼に置いていたが、New キヤノンデジタルフォトカラーでは、記憶色やコントラストによるメリハリを重視した色作りを行うようになっている。 従来から行ってきた「写真画質の強化」では、細かいインク粒を実現するために、これまで上位機種で採用されていた吐出量2ピコリットルのノズルを、新製品の全シリーズで採用。さらに最上位機種のPIXUS 990iでは特色のレッドを加えた7色インクシステムで、色空間を拡張した。 7色インクをサポートしていない4色印刷のミドルレンジプリンタ「PIXUS 860i/865R」でも、従来の顔料系ブラックインクと染料系の「フォトブラック」を併用することで(このため、ヘッドに搭載されるインクタンクは五つになる)、黒が強調されたコントラストの高い写真画質を再現できるようになった。 PIXUS 990iではインクジェットプリンタで問題になるフォト画質の印刷速度も、従来よりも大型のヘッドを搭載し、一色あたり512だったノズル数を1.8倍の768ノズルに増やすことで改善した。 4色印刷でフォトブラックの効果を示した印刷サンプル。左のフォトブラックを使わない場合に比べて、右のフォトブラックの画質は引き締まった印象を与える PIXUS 850iとPIXUS 990iのヘッドを比較。ヘッドの大型化で各色ノズルの長さも0.43ミリから0.64ミリと長くなっている キヤノンが公開した各印刷モードにおける印刷速度の比較データ。フォト印刷で圧倒的な速度を示しているが、比較データが同日発表の新製品でないことに注意する必要がある キヤノンによると、今回の新製品に搭載されたヘッドは「スピードと画質を両立で一応の完成をみた」としている。今回の発表会では「パフォーマンスの6割を決定する」ヘッドの構造を他社と比較することで、キヤノン製プリンタの優位性をアピールした。 キヤノンの説明によると、ヘッドのパフォーマンスをは「どれだけインクを細かく正確に吐出できるか」にかかっているという。キヤノンのヘッドはヒーターを制御するチップとインクノズルを「フォトリソ加工」で一体化しているのが特徴。 この一体化ヘッドのおかげで、ヒーター制御チップとインクノズルを別に成型しているHPのヘッドや、ピエゾ素子を搭載して小型にできないエプソンのヘッドと比べると、小さなインク粒を1200dpiという高密度で吐出できるようになっている。 キヤノンとHPのプリンタヘッド構造を比較する。キヤノンの説明では、異なる素材を張り合わせるHPのヘッドは製造が難しく、ノズル径を小さくしたり、ヘッドのノズル穴を増やしていくと部品のすり合わせの問題で「泡」が発生するという。このためインク粒の大きさに限界が生じてしまうらしい こちらはエプソンのヘッドと比較した場合。ピエゾ素子でインク粒の大きさを制御するエプソンのヘッドは、ヒーターで制御するキヤノンのヘッドより小さな粒を生成できる。ただし、ピエゾ素子が大きいためヘッドの小型化が困難。そのためインク粒の吐出精度がキヤノンと比べて粗くなってしまう 今回の新製品では、ソフトウェアの使い勝手とペーパーハンドリングの向上も強化ポイントとして挙げられている。プリンタ同梱ソフトの一つ「Easy-PhotoPrint 2.0」では、DVDやCDなどの盤面印刷の設定が行えるようになり、自動赤目補正や肌の質感をなめらかに見えるように補正する「自動美肌モード」などの新しい画像補正機能がサポートされている。 PIXUS 990iでは、2種類の用紙をセットしてレバー操作で使い分けを可能にした「マルチペーパーハンドリング」がサポート。DVD/CDダイレクト印刷に使う盤面トレイも含めて3種類の異なる用紙に対する印刷を、トレイの差し替えなしに行うことができるようになった。 インクジェット複合機の「PIXUS MP370」「PIXUS MP360」ではコピー機能を充実させるため、複写機に適した絵作りが行われ、モノクロコピーではスピード重視、写真文章混在のカラーコピーでは文字を強調。また、これまでCISが使われていたスキャナヘッドにCCDを採用し、入力画質の向上を図っている。 今回のプリンタの発表に合わせて、印刷された画像の保存性を高めるため、耐候性を向上させたインク吸収層を塗布した専用用紙「プロフェッショナルフォトペーパー PR-101」「プロフェッショナルフォトはがき PH-101」も新たに登場する。 キヤノンの説明では、大気中ガス(とくにオゾン)に対する耐候性を従来の4倍に高めることで、「印刷された画像を100年間保存できる」としている。 なお、PR-101/PR-101に印刷する場合はドライバで用紙モードを選択して行うようになるが、期待通りの印刷結果をサポートするのはBTJヘッドを搭載するF850以降の製品になると、キヤノンは説明している。 耐候性を高めた新しいPR-101の用紙構造と、印刷画像の径年変化比較 関連リンクキヤノン [長浜和也, ITmedia ] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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