> レビュー 2003年11月13日 09:27 AM 更新

ソニーが作った大人の薄型コンパクト――サイバーショット DSC-T1(2/4)


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 レンズは内部でプリズムを使って90度折り曲げるタイプで、スイッチを入れても表に飛び出ないのが特徴。ズーミングもボディ内のレンズが動くだけで、レンズはいっさい出てこない。

 レンズスペックは、35ミリフィルム換算38〜114ミリ相当の3倍ズームで、明るさはF3.5〜4.4である。テレ側でもあまり暗くならないのはよいが、現在多くのコンパクト機が広角側で最低でもF2.8を実現しているのに対して、F3.5というのはちょっと残念だ。

 CCDは1/2.4インチ、510万画素と最新型。それでもISO感度は100〜400を保っている。CCDが小さくなると、画素ピッチの低下に伴う感度の低下やノイズの増加が気になるところだが、ISO400に増感した絵を見ても、かなり頑張ってノイズを抑えているのが分かる。これはなかなか偉い。

 画質は基本的に、特定色を誇張するわけではない、鮮やかだが記憶色にあまり頼らない自然派である。シャープネスは強めだがそれほど不自然ではない。新しいCCD、新しいレンズということで若干の不安はあったが、さすがソニーでちゃんとまとめてきている。

 撮影最短距離は50センチだが、マクロモードにするとワイド端で8センチ、テレ端で25センチまで寄れる。さらに拡大鏡モード(シーンモードの中にある)を使うと、ワイド端固定にはなるが1センチまで寄ることが可能だ。

 AFは非常に高速だ。AF時間も含めたシャッタータイムラグは約0.24秒(公称値)だが、体感的にもすぐに合うという印象である。5点測距のマルチポイントAFもなかなか優れている。最近のサイバーショットはAFが高速になっているが、T1はさらに速い。レリーズタイムラグは約0.009秒(公称値)。カシオの約0.01秒をわずかでも上回りたいという意志が見えて面白い。

 連写機能も充実しており、連写中でも液晶モニタに撮影画像を表示するフレーミング優先連写(1枚0.36秒)と、連写中は画面がブラックアウトするスピード優先連写(1枚0.33秒)がある。どちらも連写できるのは4枚までだが、今までのサイバーショットは比較的連写に弱かったため、これはうれしい機能強化だ。撮影間隔もかなり短く、ズーミングが他製品に比べて速くないことを除けば、高速で機動力があるデジカメと言ってよいだろう。

視認性に優れた2.5インチ液晶モニタを搭載

 背面には、全体の2/3が液晶モニタではないかと思えるくらい大きな2.5インチ液晶モニタが鎮座している。ボディが薄く小振りなこともあって、余計「デカい」と感じる。


大きな2.5インチ液晶モニタが目を引く。操作系はシンプルで、右下の十字キー回りのみと思ってよい。ズームレバーは小さくて押しやすいとは言えないが、液晶モニタがこれだけ大きいと仕方がないだろう


右側面には静止画、動画、再生を切り替えるモードスイッチがある。上部には電源スイッチ(レンズカバーの押し下げでも電源を入れられる)とシャッターボタン。ボディは薄くて出っ張りがなく、実にシンプルだ

 光学ファインダーはないため撮影はすべてこの液晶モニタで行うのだが、反射型と透過型のハイブリッドタイプなので、晴天下でも見えなくなることはない。

 屋内など、それほど明るくない場所で最新の透過型液晶モニタを見た場合に比べると、発色の鮮やかさやコントラストで劣るのは残念だが、特に屋外での視野角は広く、多少上下/左右から見てもちゃんと見える。これなら気軽にいろんなアングルで撮れるし、再生時に何人かでモニタをのぞき込む時にも生きるだろう。なお、リアルタイムヒストグラム表示機能も用意されている。

 各種操作系は液晶モニタの右側にある。中央が決定ボタンになった十字キーと、独立した「MENU」、「ディスプレイ」、「解像度変更」(再生時は「ゴミ箱」)の各ボタンがあるのは最近のサイバーショットの傾向だ。

[荻窪圭, ITmedia ]

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