> レビュー		2003年11月20日　09:52 PM 更新

きょうはSiS661FXの意外な実力に驚いた「MSI 661FM」（1/2）

MSI 661FMは、統合型チップセットSiS661FXを搭載するmicroATXマザーボード。LANやIEEE 1394などをオンボードチップとして搭載しているので、拡張カードなしでも十分に活用できる。流行のキューブ型PCのベースとしてもピッタリなのだ。

MSI 661FM

FSB 800MHzに対応したSiS製グラフィックス統合チップセットSiS661FX

　MSI 661FMが搭載するSiS661FXは、FSB 800MHzのPentium 4とDDR 400のメモリに対応するチップセットだ。現在のSiS製Pentium 4プラットフォーム用チップセットのラインアップで、グラフィックス統合タイプの製品にSiS651がある。SiS661FXは、SiS651の上位モデルというナンバーリングがされているが、そのベースはSiS648FXにグラフィックスコアを統合したもの。そのため、FSB 800MHz、DDR 400シングルチャネルのサポートなど、グラフィックス以外のスペックはSiS648FXと共通となっている。

　これまで登場しているSiS661FX搭載マザーでは、サウスブリッジにSiS964を採用する例が多いが、MSI 661FMでは一つ前のSiS963が搭載されている。そのため、Serial ATAには対応しておらず、USB 2.0も最大6チャネルのサポートにとどまっている。なお、LAN機能は、オンボードに搭載したRealtek RTL8201でカバーしている。また、IEEE 1394も広く使われているVIA製やTI製のコントローラではなく、LANとおなじRealtek製のRTL8801をオンボードで搭載している。

SiS661FX

オンボードで用意されたIEEE 1394コントローラのRealtek RTL8801（上）とLANコントローラのRealtek RTL8201（下）

DirectX 7世代、ハードウェアT&L非対応の内蔵グラフィックス

　SiS661FXが内蔵するグラフィックスコアは、SiS製 のREAL256Eであり、今となってはパワフルなものとはいえなくなっている。DirectX 7世代のグラフィックスコアでハードウェアT&Lにも対応していない。試しに3DMark2001 SEを実行してみても、ソフトウェアT&Lしか選択できなかった。

　また、ソフトウェアエミュレーションによるDirectX 9への対応もサポートされているが、3DMark03を実行してみても、テストが可能なのはGame1のみで、スコアに影響するほかの三つのゲームベンチは実行できない。この機能も、フルにDirectX 9をサポートしているというわけではないようだ。

　こうして見ていくと、SiS661FXの内蔵するグラフィックスコアは、ATI RADEON 9100 IGPやnForce2のように、3Dゲームまでこなすオールマイティーチップではないことが分かる。従来型の内蔵グラフィックスと理解しておいたほうがいいだろう。

意外に健闘したシステムパフォーマンス

　内蔵グラフィックスがあまりパワフルなものではないこと以外にも、メモリがシングルチャネルであることもあって、正直、パフォーマンスはそれほど期待できないだろうと思っていた。しかし、ベンチマークの結果見てみると、MSI 661Fmは予想外に高いスコアを出しているのに驚かされる。

　テスト環境は、FSB 800MHzのPentium 4/2.40C GHzに、DDR400メモリを512Mバイト搭載。オンボードグラフィックのテストでは、メインメモリから128MBをグラフィックメモリとしている。OSはWindows XPで、SYSmark2002と3DMark2001 SE、3DMark03は英語版、TMPGEncとFINALFANTASY Official Benchmarkでは日本語版を使用している。両方ともService Pack 1を適用し、クリティカルアップデートも併せて行っている。さらに、DirectX 9.0bをインストールした

SYSmark2002

3DMark2001 SecondEdition （Build330）

[寺崎基生, ITmedia ]

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