> レビュー		2003年12月15日　04:38 PM 更新

「ああ今年もこんな時期に」と思っているあなたへ
速攻で作成できる年賀状指南（3/5）

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手取り足取りで作業をサポートしてくれる「筆王」

　フレーム分割による作業領域の切り分けや、操作手順のわかりやすさで人気の「筆王」。今年の「筆王2004」でもその使いやすさは健在だ。このソフトの特徴といえば、何と言っても素材の豊富さ。イラストなどの画像素材は、CD-ROM版で約1万5000点、DVD-ROM版に至っては24万点以上と、他のソフトを圧倒している。また、次に何をすべきかで迷わないように、作業手順を逐次サポートしてくれるという親切さも好感だ。

　インストールについては、標準で5分くらいで済む。他社のソフトと同様に、CD-ROM版の場合はイラストなどを収録した「データCD」（計2枚）が別ディスクになっているので、いちいち入れ替えるのが面倒になる。素材点数の多さなども考えると、やはりDVD-ROM版がオススメだ。

　やはりよくできているのは、インストールの途中で「筆王」の旧バージョンや他社製ソフトの住所録をコンバートできる点だ。他社製ソフトからの乗り換えで一番頭を悩ます作業を、インストールの際に補助してくれるのは助かる。

インストールの途中で、「筆まめ」などの他社製ソフトの住所録を自動的に検索し、「筆王2004」で使える形式にコンバートしてくれる

　「筆王2004」では、先に住所録を作り、それから文面の作成という流れが基本だ。住所録の入力では「簡単カード追加ウィザード」が便利だが、初めに郵便番号もしくは電話番号から住所を特定し、あとから残りの情報（番地や氏名など）を入力するという独特の方式となる。しかしフォームは入力しやすい作りになっており、姓名辞書などが入力をアシストしてくれることもあって、スムーズに作業を終えられそうだ。

「簡単カード追加ウィザード」では、年賀状の宛名印刷に必要な情報だけを効率的に入力できる。

　文面作成については、今回から新たに「無限デジカメデザイナー」という機能が追加され、デジカメ写真をベースに写真入り年賀状が簡単に作れるようになった。さっそくこれを使ってみたが、使用する写真を選び、どの部分を中心に使うかを指定すると、フレーム付きの文面デザインが約500通りほど自動生成される。手順としては確かに手早い。

　だが、さも「機械的に組み合わせました」といった感じのデザインで、しかも似たようなものが多い。背景も入っていないなど、さすがにそのままでは使えないような気がする。

デジカメ写真を読み込み、どの部分を中心に据えるかを○と□の枠で指定する

すると、イラストや文字などを組み合わせたデザインが自動的に何通りも生成される。これが「無限デジカメデザイナー」の機能だ。だが、どれを見ても似たような印象を受ける

　「無限デジカメデザイナー」が自動生成したものから1つを選んだが、これではあまりにも文面が寂しいので、背景を追加したり、その上に置くイラストの透明処理をするなど、自分でもう少し作り込む必要がありそうだ。ここは、レイアウト例を簡単に作成できるツール、と割り切って考えたほうがよいだろう。

背景を加えたり、白地の部分に透明化処理をかけるなどして、ようやくそれなりの見映えになる

　今回の「筆王2004」は、時間がない中で手早く作るという目的にはかなうと思う。「無限デザイナー」が自動生成したパターンから、加工して簡単に作成できる点は評価したい。しかし、あくまで個人的な感想だが、文面のデザインにはもう一工夫ほしいような気がする。

[星紀明, ITmedia ]

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