LaVie Cの真の実力・真の魅力を徹底解剖(3/3)
マルチスレッド対応のアプリケーションについては、先述のとおりだが、それ以外のアプリケーションがHTテクノロジの恩恵を全く受けないというわけではない。単体で動作する場合には効果がなくても、複数のアプリケーションを実行する際にはHTテクノロジが有効に働くことがあるのだ。 そこで、今度は、マカフィーウイルススキャンをバックグラウンドで実行しながら、FFベンチとMPEGエンコードをおこなってみた。結果は、エンコードについては、順当にHTテクノロジによるパフォーマンスの向上がみられたが、FFベンチに関しては、逆にスコアが大きく下がってしまっている。 これについては、HTテクノロジ有効時にはバックグラウンドのプログラムが効率的に実行されることにより、フォアグランドのFFベンチが影響を受けたものだと考えられる。HTテクノロジが無効のときは、バックグランドのプログラムがあまり効率的に動作しないかわりに、フォアグランドのFFベンチが大部分のパフォーマンスを占有したため、高スコアとなったのだ。 試しに、バックグラウンドでエンコードをおこないながら、FFベンチを実行させてみたところ、顕著な結果となってあらわれた。HTテクノロジ有効時には、バックグラウンドのエンコードが効果的に実行され5分31秒、そのかわりFFベンチは2833にとどまっている。一方、HTテクノロジ無効時には、フォアグランドのFFベンチは3939の高スコアをたたき出しているが、バックグラウンドのエンコード作業はじつに30分近くもかかっている。 複数アプリケーションを並列で実行する際には、組み合わせやどちらのプログラムを優先的に動作させるかを考慮する必要があるといえるだろう。HTテクノロジが搭載されているからといって、負荷の高い3Dゲームなどを全画面でプレイしながら、バックグラウンドでさらに負荷の高いエンコード処理などをおこなう、というのはさすがに無理があるため、避けたほうがよさそうだ。
性能面もさることながら、高級感のある外装もハイエンドなLaVie Cならではの魅力だ。デザインや操作性についても補足しておきたい。 通常は、プラスチック樹脂やマグネシウム合金といった無機質な質感と手触りであることが多いパームレスト部分には、クラレ社が開発した人工皮革「アマレッタ」が使用され、ソフトなレザータッチを再現している。心地よい感触だけでなく、シックな格子状のカーボン柄により、他にあまり類をみない落ち着いた雰囲気も醸し出している。 さらに、キーボード上部には、ハーフミラーパーツを採用したオペレーションパネルが装備され、ブラックを基調としたカラーリングに輝きのあるシルバーが際立ったメリハリのあるデザインとなっている。 素材へのこだわりは、キーボードにもみられる。キーボード表面には、天然シルクをパウダー状に加工し、特殊ウレタン樹脂と複合したシルクプロティン塗装が施されているため、サラっとした手触りが心地よい。最も触れる機会の多いキートップには汗や脂で指の跡が残ってしまいがちだが、素材の高い吸放湿性によりベタツキを防ぎ、表面を常に快適な状態に保つことができるのだ。 また、塗装はつや消しタイプのため、反射が抑えられてキートップの印字がみやすく、印字の文字も大きさや太さに見やすい配慮がなされている。キーピッチはゆとりの19mm、キーストローク3.0mmで、比較的ストロークが深いほうだが、キータッチはかなりソフトだ。 これには理由があり、通常は2枚設置されるキートップ下のメンブレンを一枚にした独自の構造を採用することにより、快適なキータッチ感が演出されている。一つひとつのキーは、パンタグラフ状のサスペンションで支えられ、接点部分にはラバーが配されることなどにより、キートップを押し込んだときに違和感なく自然なキータッチがおこなえるようになっているのだ。 ソフトなタイピングで確実にキーを接地できるため、指への負担が軽く、長時間入力していても疲れにくい。力強くキーを叩く傾向があるユーザーにとっては、最初はやや物足りなさを感じるかもしれないが、慣れてしまえば軽快なキータッチがありがたく感じてくるだろう。そのほか、横スケールが短縮された縦長の形状だが、右Ctrlキーも装備され、Enterキーも大きく取られるなど、キー入力はきわめて快適な環境となっている。
LaVie Cの注目ポイントに絞ってみてきたが、単に高性能なだけでなく、素材も含めたデザイン面や快適な入力のための配慮がなされたキーボードなど、きめ細かな設計が随所に採り入れらているのも見逃せない点だ。 製品カテゴリとしてはハイエンド向けに位置付けられるが、Web直販モデルのLaVie G タイプCでは、HTテクノロジ対応のモバイルPentium /4 3.06GHzを搭載した場合でも20万円を切るモデルも用意されている。3Dグラフィックや映像オーサリングもこなすプロユースとして、または、パーツの構成を抑えたコストパフォーマンスモデルとして、幅広いユーザーにお薦めできるマシンだ。 関連リンクNECのWebストア「121@store」 [土田一彰, ITmedia ] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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