ファイルメーカーPro ユーザーの現場を探る
第4回 放送局のCM管理に活用する「ミステリチャンネル」(1/4)
今回、紹介するファイルメーカーProユーザーは、スカイパーフェクTVなどで放映されている放送局「ミステリチャンネル」。ここではさまざまな業務にファイルメーカーProを活用していますが、なかでも重要なのが、コマーシャルを管理するシステムです。
今回のファイルメーカーProユーザー訪問は、なんと「放送局」。スカイパーフェクTVやケーブルTVなどで放映されている、ミステリ専門チャンネル、その名も「ミステリチャンネル」です。ふつうは「ミステリー」と最後の音引き「ー」を入れてしまいがちですが、「ミステリ」と縮めるのは、「本格派ミステリー」のことを指すのですよ、とミステリチャンネルの営業推進部 課長である井上剛氏に教わりました。この井上氏がファイルメーカーProの推進役なのです。
ミステリチャンネルは現在、視聴者数約170万、創設から5年目の放送局で、国内外のドラマ・映画・ドキュメンタリーなど、世界中のミステリに関わる様々な作品を放映しています。ほかの映画・ドラマ系専門チャンネルと比べると、女性からの反響がとても多いという特徴をもっているそうです。
ミステリチャンネルのキャラクターは「黒猫」なのだ
井上氏のミステリチャンネルでの仕事は、広告営業、番組制作のタイアップをメインとし、同社のシステム管理やウェブ制作の管理なども引き受けています(取材のときにも、ポスターの色校チェックなど、大忙しでした)。同社の基幹システムの多くも、彼自身の手になるもので、なかでも重要なのが、番組データベースと連動した、広告管理システムです。
広告は視聴者が支払う視聴料と並ぶ、放送局にとっての大きな収入源です。ですから、一定の時間枠でどれだけの広告を入れられるかというのは大きな問題なのです。たとえば午後2時から4時まで、2時間の放送枠があったとして、そのなかで1時間50分の映画を放映したとすると、差し引き10分が広告枠ということになります。30秒広告であれば、ここに20本入れられることになります。ミステリチャンネルでは番組の本編を途中で切るというのは基本的にやらないので、前後で10本ずつ、広告を入れることができるというわけです。
この広告管理というのは、「場所取り」であり、広告主の意向を聞いたうえで、どの時間帯に、何本を入れましょう、という対応をすることになります。たとえば、主婦向けの商品であれば、昼間を中心に放映することになります。そういった案件が発生したときに、昼間の「どの番組のどの時間帯」にCMを放映できるか即座に答えられないと、商機を逃してしまいます。こういったことを管理するシステムを、井上氏が開発しました。もちろん、ファイルメーカーProで。
[松尾公也, ITmedia
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