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2003年10月31日 00:00 AM 更新
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なぜ日本のホスティングサービスはユーザー中心でなはいのか?〜中堅業者からの告発と提言(1/2)
ホスティングと一口に言っても、格安な個人向から本格的な専用サーバまで多数存在し、その選択はますます難しくなっている。そこで業界でも注目されている中堅ホスティング業者をインタビューし、現状と未来を探る。
読者の中にも、ホスティングサービスを利用されている方がいるだろう。ホスティングサービスはその名前の通り、サーバを委託、管理してもらうネットワーク上でのサービス。高速なインターネット接続が普及してきたとはいえ、自前のサーバを持つにはかなりの手間が必要とされる中で、個人のホームページから、ビジネスの現場まで幅広く利用されている。
しかしホスティング業者と一口に言っても、格安な個人向けら本格的な専用サーバまで多数存在し、その選択はますます難しくなっている現状だ。そこで業界でも注目されている中堅ホスティング業者、株式会社ハイパーボックス代表取締役/CEOの深田太郎氏にインタビューし、今後6回にわたって深田氏の話を交えながら、ホスティングで「今、何が起きているのか?」「選択のポイントは何か?」をレポートする。
銀座。おもちゃで有名な博品館のほど近く、株式会社ハイパーボックス(以下ハイパーボックス)の銀座・お客様サポートセンターがある。ベンチャーらしく爽やかなつくりのオフィスで、同社CEO深田太郎氏(以下深田氏)がわれわれ取材陣を迎えてくれた。
ハイパーボックスCEO 深田太郎氏
ホスティングとは「見えないもの」を売る仕事
深田氏は、上品なシャツにチノパンという出で立ちで現れた。IT業界でなくても、他のベンチャービジネスでも通用しそうな雰囲気だ。開口一番、逆に質問をなげかけられた。
「ホスティングの問題点とは、何だと思われます?」
「サービスの内容がわかりにくいことでしょうか?」と答えると「ホスティングは今、岐路を迎えていると私たちは考えています。それこそ格安の業者から、私たちのような中堅どころ、それにNTTなど基幹を持っている大手まで、いろいろありすぎるのですよ。価格も数百円から万円の台まで乱立している。こういう状況は異常だと思っています」
深田氏によれば、ホスティングビジネスというのは参入障壁が低く、それこそサーバを設置する知識があればすぐにでもはじめられる、ここにまず問題があるという。
「まず回線が安くなってきた。さらにサーバのハードウェア低価格化、Linuxなどで高価なサーバOSが要らなくなって来たことで、一気に業者が増えたのです」
業者が増えたといっても、そこは玉石混合だという。
「一人で始めたりすれば、数百円からサービスができる。お金を払っているからといってそのサービスが信頼できるとは限らないのサービスも少なくありません」
「自分たちは見えないものを売っているビジネスです。ネット上のサービスというのは文字による説明だけでは、同じに思えたりします。値付けにはさまざまな理由があり、それがお客さまには普通分かりにくいし、伝わりにくいのです」
深田氏の話が次第に熱っぽい語りになってきた。
業界初の24時間サポートをはじめたワケ
ハイパーボックスは2つのサービスを展開している。一つが「ドメインキーパー」。年間2000円〜という低価格でドメインの取得と維持を行ってくれる。そしてメインとなるホスティングサービスだ。
昨年夏からハイパーボックスでは、これらサービスのユーザー向けに業界初の24時間電話サポートをはじめた。高額ではない同社のサービスで、このようなサポート体制をはじめた理由は何だったのだろうか。
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[飯島俄,ITmedia]