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標準UIはイケてない:「Windows Mobile」はUIカスタマイズの“柔軟性”が強み――iPhoneっぽい待受も可能?

マイクロソフト日本法人でWindows Mobile部門の責任者を務める越川慎司氏が「ユーザーインタフェース・フォーラム」で講演を行った。越川氏自身も「イケてない」と認めるWMの標準UIだが、高いカスタマイズ性を生かせばバリエーションは無数に広がるという。

photo マイクロソフト モバイルコミュニケーション本部 本部長 越川慎司氏

 3月26に行われた「ユーザーインタフェース・フォーラム『UI新時代』」に、マイクロソフト モバイルコミュニケーション本部 本部長 越川慎司氏が出席。“Windows Mobileが拓くスマートフォンの世界”と題した講演を行った。

 スマートフォン用のプラットフォームとして採用が増えているWindows Mobileだが、越川氏は「知名度はまだまだ低い。またWindows Mobileのなかにもいくつかの種類があり、Standard EditionとProfessionalを搭載した端末をWindowsケータイと呼んでいるが、正直普及しているとはいえない」という認識を示した。それだけに、同社の携帯電話にかける思いは強く、日本のユーザーが当たり前のように使う高機能端末への興味も強いという。

 「我々の上司(Microsoft CEO)であるスティーブ・バルマーは、日本の携帯電話を指してケータイ(keitai)という言葉を使い、会議や社内では『ケータイとはジャパニーズアドバンスドモバイルフォンなんだ』と説明している。それだけ日本のケータイには注目している」(越川氏)

 その日本市場でWindows Mobile端末は、2005年に登場したウィルコムの「W-ZERO3」を皮切に、NTTドコモ、ソフトバンクモバイル、イー・モバイルから発売され、KDDIもこの春に法人向け端末を販売するなど、ラインアップは全キャリアに広がった。中にはイー・モバイルの「Touch Diamond」(HTC製)のように、「予想を超える売上げ」(越川氏)を記録する製品も生まれたという。越川氏はこうした順調といえるWindows Mobileの展開について、パートナー企業との連携が重要であり、ユーザーにさまざまな選択肢を与える意味でも今後もその姿勢は変わらないと強調する。

photophoto Windows Mobile、Windowsケータイの概要

 Windows Mobileの今後について越川氏は、ユーザーインタフェース(UI)の改善が課題の1つだと話す。なぜならWindows MobileのUIは「正直、イケてない」(越川氏)からだ。

イケてないWindows MobileのUI

 Windows MobileはPDA向けのOSである「Windows CE」をもとに開発されたため、PCを意識した画面構成やメニュー表示になっている。それは、マウス代わりにスタイラスペンでタッチパネルをタップするという操作体系であり、片手では操作しにくいものだった。現在のWindows Mobileも標準の操作画面はスタイラスペンの使用を前提にしており、“ケータイ”として片手で使うのは難しい。

 越川氏はWindows MobileのUIが、ケータイとして使いにくいことを認めながらも、その成り立ちゆえカスタマイズ性にすぐれ、UIも柔軟に変えられる点をアピールした。特に待受画面に相当するホーム画面のカスタマイズ性は高く、現在販売されているWindows Mobile端末のほとんどは、開発メーカーやソフトウェアベンダーが開発した独自UIを搭載。Windows Mobileの標準UIのまま、端末が発売されることはない。

photophoto 端末メーカーやソフトウェアベンダーから提供されている独自UI。中にはライバル製品のUIにそっくりなものも……
photophotophoto Xperia X1のUI切り替え機能(パネル)

 「ホーム画面(待受画面)から、自分で使いたい機能やすぐに見たい情報にいかに少ない操作でアクセスできるかが重要。アイコンやショートカットを配置することはもちろん、ニュースなどは直接情報が表示されることが望ましい。こうした独自UIはメーカーがプリセットするものだけでなく、ポストインストール用にソフトベンダーが提供しているものもある。中にはiPhoneにそっくりなUIもあったりして悩ましいが、ほかのすばらしい製品も再現できるなど、遊びも含んだ柔軟製の高さがWindows Mobileのアドバンテージだろう」(越川氏)

 越川氏はこのほかに、自信が気に入っているというホーム画面に金魚が泳ぐUIや、SONY Ericsson製スマートフォン「Xperia X1」に搭載されているUI切り替え機能を紹介。多種多様のUIが素のWindows Mobileと橋渡しをしていることで、「Windows Mobileは生き延びている」(越川氏)と説明した。

 またこうしたUIのカスタマイズ性は、Windows Mobile 6.5でさらに向上するとし、従来は経験のある端末メーカーやソフトベンダーでしたか作れなかった独自UIが、将来的にはもっと容易に開発できるようになると述べた。

クラウド活用に欠かせない「UIを意識させないUI」

 また越川氏は、Windowsのブランド戦略や“S+S”(ソフト+サービス)の展開など、マイクロソフトが最近取り組んでいる活動も取り上げた。

 特にS+Sについては、ExchangeがSaaS化したことで、自前のサーバを持たなくてもWindows Mobile端末でBlackberryのようなプッシュメールの送受信やグループウェアへのアクセスが可能になると説明。また、オンラインストレージの「Windows Live SkyDrive」や写真共有サービスの「Windows Live フォト」は、コンシューマーとビジネスを問わず活用できるサービスとしてアピールした。

photophotophoto Windows Live フォトの共有機能(写真=左)。Windows Mobile端末のデータをサーバと同期する「MyPhone」(写真=中央、右)

 さらに、2009年02月に発表された「Windows Mobile 6.5」のプロモーション映像やWindows Mobile端末向けの新サービス「MyPhone」(β版)のスクリーンショットなども公開した。こうした新しいマイクロソフトのクラウドサービスは、端末とサーバとの通信を自動かつ自然に行う必要もあるため、「“いかにも操作画面”というUIではなく、UIを意識させないUI。操作させるようなUIではなく、操作をさせないUIであることが重要」(越川氏)とした。

yo_ms11.jpgyo_ms12.jpgyo_ms13.jpgyo_ms14.jpg Windows Mobile 6.5の画面イメージ

Windows Mobile 6.1のFlashは間もなくアップデート

yo_msb.jpg

 講演後の質疑応答では、Windows Mobile 6.5のInternet Explorer Mobileがどのようなタッチ操作に対応しているのか、またFlashに対応するのかなどの質問が投げかけられた。

 越川氏は、現行バージョンのInternet Explorer Mobileは操作性が高くなく、Opera Mobileなどが標準的に使われている実情を認め、「6.5ではかなり使い勝手が上がる。われわれも現在のWindows Mobile端末、iPhone 3Gなどを研究して勉強した」と自信を見せた。

 またFlashへの対応についても、「現在もサポートしているが、動くもの、動かないものがある。また悔しいことにわれわれ自身のSilverlightもサポートが遅れている。PCと同じようにWebへアクセスできるのがWindows Mobileの利点。この点は譲れないので、6.5ではかなり改善される」と話し、現行のWindows Mobile 6.1についても近日中にアップデートすることを明らかにした。

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