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インタビュー

世界市場の実績が“世界初、日本初”のAndroidケータイにつながった――HTCのデビッド・コウ氏 (2/2)

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世界市場の実績が、“世界初のAndroidケータイ”につながった

ITmedia ほかのメーカーに先駆けてHTCがAndroid携帯を先に出すことができたのは、なぜでしょうか。

コウ氏 Googleは、Android搭載製品を展開するためのパートナーを探していましたが、当然のことながら、その過程で多くの選択肢があったと思います。結果として我々が選ばれたのは、ある特定の地域だけでなく、世界各国のキャリアとの実績を積んできたこと、そして各地域のエンドユーザーのニーズを把握しており、常にスマートフォン市場の開拓者であったということを評価していただけたのだと考えています。さらに重要なのは、我々は極めて短期間で製品を市場に送り出す力があったということです。

ITmedia Windows Mobileのスマートフォンにはさまざまなフォームファクターがあり、ユーザーインタフェースの部分ではHTCも「TouchFLO」など独自の開発をしていますが、OS自体はマイクロソフトの既製品でした。Androidではより多くの基礎的な開発が必要になったのではないでしょうか。

コウ氏 Windows Mobileのバージョン5、6、6.1、6.5をマイクロソフトが発表した際、ビル・ゲイツ氏やスティーブ・バルマー氏は弊社の端末でデモを行い、最初のベンダーとしてHTCを紹介してくださいました。OSを開発するには当然テスト段階からハードウェアが必要であり、そういった意味では今回のAndroidでも同じような経験をしたと思います。

ITmedia HTC MagicはイギリスなどではVodafoneに独占供給するといった形態になっていたと思いますが、日本ではドコモ以外から発売される可能性はあるのでしょうか。

コウ氏 目下の時点ではドコモ向けに集中しています。

ITmedia より正確にお聞きしたいのですが、欧州数カ国においてはHTC Magicの供給に関して特定キャリアとの間での独占的な契約があるということです。今回、日本市場においても、同様の契約がドコモとの間に存在するのでしょうか。

コウ氏 その質問には、まだお答えできません。

日本のユーザーに、よりよい“スマートフォンのユーザー体験”を

ITmedia 日本市場特有の地域性、それに対する取り組みという点ではどのようにお考えでしょうか。

コウ氏 大部分の日本のユーザーは通常の「ケータイ」に慣れてるわけですが、最近では各キャリアの報告にもあるように、スマートフォンの市場が確実に拡大しています。成功を収める上で最も重要なのは、日本のユーザーによりよいユーザー体験を得ていただくということです。たとえば、HT-03Aでは日本語でもより快適に入力できるよう、以前のスマートフォンに比べて日本語入力システムの性能を向上させています。

ITmedia Samsung電子やLGエレクトロニクスといったメーカーは、ワンセグやおサイフケータイといった日本市場独自の機能を搭載した機種を開発して、日本市場にアプローチしているわけですが、HTCの場合はグローバルと同じ価値を日本のユーザーにも提供するという戦略なのでしょうか。

コウ氏 もちろん、ワンセグなどの技術についても我々は注目していますが、すべての機能を1つの端末に収めていくことには、メリットとデメリットの両方があると思います。ですので、我々の端末にどの機能やアプリケーションを搭載するのかは、慎重に選んでいく必要があると考えています。もう1つ言えるのは、我々が取り組んでいるのは通常のケータイ市場ではなくスマートフォン市場ですので、その点でも戦略の違いがあるのだと思います。最終的には、どういう機能が必要なのかということは、キャリアと一緒に検討したいと思います。

ITmedia つまり、ワンセグやおサイフケータイのような機能をHTCの端末に搭載することがあり得るということでしょうか。

コウ氏 可能性はあります。

ITmedia 昨年、ノキアが日本市場からの撤退を表明しました。その理由は端的には、日本市場に対応するために特別なコストを要し、この経済状況の下でそれが割に合わないということだったと思いますが、HTCはそうではないのでしょうか。

コウ氏 我々が日本市場にかけているコストもそれなりの大きな額ではあります。しかし、我々はパートナー企業とともに、慎重に注意深く事業を進めていますので、日本市場においても順調に推移しています。昨年の「Touch Diamond」の日本市場への投入は成功だったと明確にいえます。もちろん、さらに上を目指していきたいと考えています。

sa_ht07.jpgPhoto ドコモ向けに提供したTouch Diamondベースの「HT-02A」。ソフトバンクモバイル、イー・モバイルもTouch Diamondベースのスマートフォンを投入した

HTCは、決して新技術に乗り遅れない

ITmedia 日本のキャリアはLTEなどの新しい通信技術を世界に先駆けて投入しようとしていますが、そのようなネットワークに対応した端末を出す予定はあるのでしょうか。

コウ氏 HTCは常に最善の努力を尽くしています。新しい技術に乗り遅れるということは決してありません。

ITmedia ロシア向けにはWiMAXに対応した機種を用意されていますが、それを日本に持ってくるということも可能ではないでしょうか。

コウ氏 可能ではありますが、我々は日本のキャリアの要求を満たすという姿勢に注力したいと思っています。

ITmedia 日本のWiMAX事業者であるUQコミュニケーションズは、キャリアが端末の仕様を決めるのではなく、ネットワークのみを提供するというモデルを展開しようとしています。それに向けてHTCが独自に端末を販売するビジネスは考えられませんか。

コウ氏 我々もUQコミュニケーションズの戦略については十分に理解していますし、ビジネスチャンスの1つとしてはとらえています。ただ、現時点で決定していることは特にありません。

ITmedia “ガラパゴス”とも言われる日本市場で、現地法人の社長に就任されて1年ほどが経ちましたが、率直な感想をお聞かせください。

コウ氏 この市場は常に挑戦しなくてはいけない環境ですが、挑戦しがいがあり、こうした環境で仕事をするのは良いことだと思っています。個人的にも、常に挑戦するという立場に身を置きたいと考えています。そうすることで、自らを向上させるチャンスにつながるからです。プロフェッショナルに徹したスタッフの尽力もあり、最近では、日本のキャリアからも信頼を得られてきたことを実感しています。

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