機種は少なくても「1歩先ゆく」少数精鋭で勝負 小野寺社長が語るau夏モデル

» 2009年05月25日 18時21分 公開
[岡田有花,ITmedia]
画像 小野寺社長

 KDDI(au)が5月25日に発表した携帯電話2009年夏モデルは8機種で、NTTドコモ(18機種)、ソフトバンクモバイル(16機種、音声端末のみ)の半数以下にとどまった。だが「機種数ではなく機能で勝負する」とKDDIの小野寺社長は話す。

 「どこまでが“機種”と呼べるのか。外観が変わっただけでは意味がない。世界初、日本初の機能で新しいニーズを開拓する」と小野寺社長は述べ、各端末に先進的な機能を詰め込むことで、少数精鋭で戦う方針。「去年と違う夏」をコンセプトに、新端末で実現するライフスタイルを提案していく(→新端末のフォトリポート)。

 新モデルは、国内で初めてハイビジョン(HD)動画撮影に対応した「Mobile Hi-Vision CAM Wooo」、読書にフォーカスし、電子書籍ビューワを組み込んだタッチパネル端末「biblio」(ビブリオ)、太陽光で充電できるソーラーパネル付き防水端末「SOLAR PHONE SH002」など、特徴的な端末をそろえた。「他社より1歩先を行く特色ある商品」と、同社の高橋誠・コンシューマ事業統括部長は胸を張る。


画像 Mobile Hi-Vision CAM Wooo
画像 biblio
画像 SOLAR PHONE SH002

 太陽光で充電できる端末は、ソフトバンクモバイルもひと足先に発表しているが、「他社と発表が前後したが、当社は夏前に出す。夏が終わってから出しても仕方ない(ソフトバンクモバイルは8月下旬以降発売)」(高橋事業統括部長)、「auは発売日も決まっており、明らかにこちらが先行している」(小野寺社長)と、ライバル意識をあらわにする一幕もあった。

ハードよりアプリで「生活に溶け込む」

画像 Sportioを腕に装着してエクササイズ

 「生活に溶け込む端末を提供する」(小野寺社長)とし、端末の個々の機能だけでなく、利用シーンをPRする展示やプレゼンも目立った。

 例えばbiblioは、縦型ではテンキー、横型ではQWERTYキーに変わる特殊なキーボード付きで、無線LANに対応。ネット端末として便利に使えそうだが、あえて「読書端末」と位置付けて電子書籍ビューアをPRの中心に据え、7Gバイトの内蔵メモリで「本棚ごと携帯できると」アピールする。

 “スポーツ携帯”の新版「Sportio water beat」は、新たに防水加工を施したほか、ヨガやピラティスなどエクササイズプログラムや、ゴルフのフォームチェックができるアプリを搭載。「ティップネス」などフィットネスクラブとも連携し、スポーツというライフスタイルにより深く切り込んだ。

「安いau」をもう一度

 「auは安い、という認識がなくなりつつある。これを戻したい」(小野寺社長)――「390円」を軸にした2種類の新料金プランも発表した。

画像 「指定通話定額」は他社との比較で安さをPR

 月額390円で、指定先(3番号まで)の国内通話が24時間無料になる「指定通話定額」と、パケット定額制の下限を390円に引き下げる「ダブル定額スーパーライト」だ。

 パケット定額制は、NTTドコモ、ソフトバンクモバイルがそれぞれ、下限を490円に引き下げた。「490円にするという議論もあったが、それでは先行する他社と同じなので」(高橋事業統括部長)さらに100円下げたという。

 小野寺社長は今年1年を「auらしさ回復の1年」にすると話してきた。夏モデルはコンセプトを明快にした特徴端末をラインアップし、料金体系でも“攻めの姿勢”を現してきたといえそうだ。

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