不況の中でもスマートフォン好調 iPhoneの売り上げが6倍に

» 2009年08月17日 07時00分 公開
[ITmedia]

 不況のあおりで携帯電話の売り上げは減少しているが、スマートフォン販売は大きく伸びている。米調査会社Gartnerがこのような調査結果を公表した。

 同社の調査では、第2四半期の世界の携帯電話販売は2億8610万台で、前年同期から6.1%減少した。その一方でスマートフォン販売台数は、27%増えて4000万台を超えた。

 「通常なら標準的なミッドレンジ端末を購入するような人が、節約のために安価な端末を購入するか、高機能を求めてハイエンド端末を購入している。依然としてタッチスクリーンとQWERTYキーボードが買い換え需要をけん引している」とGartnerは述べている。

 携帯電話市場全体ではNokiaが首位を維持したが、同社の製品ポートフォリオは依然としてローエンド寄りで、6月に登場したスマートフォン販売N97の売り上げはわずか50万台という。これに対してAppleのiPhone 3GSは発売から1週間で100万台売れた。

 2位のSamsungはタッチスクリーンとQWERTYキーボードを搭載したデバイスが好調で、3位のLGもシェアを伸ばしている。4位のMotorolaは出荷台数もシェアもほぼ半減しているが、同社が第4四半期に投入予定のAndroid携帯に期待が集まっている。5位のSony Ericssonは販売台数を41%落としており、Gartnerは同社がQWERTYキーボードやメッセージング機能、ネット接続などのトレンドをつかめていないと指摘している。

2009年第2四半期の世界携帯電話販売台数(単位:千台)
社名 2Q09販売台数 2Q09市場シェア(%) 2Q08販売台数 2Q08市場シェア(%)
Nokia 105,413.3 36.8 120,353.3 39.5
Samsung 55,430.2 19.3 46,376.0 15.2
LG 30,497.0 10.7 26,698.9 8.8
Motorola 15,947.8 5.6 30,371.8 10.0
Sony Ericsson 13,574.2 4.7 22,951.7 7.5
その他 65,260.2 23.0 57,970.6 19.0
合計 286,122.7 100 304,722.3 100
(資料:Gartner)

 スマートフォン市場でも首位はNokiaだったが、シェアはわずかに減少している。2位はBlackBerryのResearch In Motion(RIM)。3位のAppleは販売台数が約6倍になり、シェアは2.8%から13.3%へと大きく伸びた。iPhoneの販売地域の拡大と、iPhone 3Gの値下げが奏功したとGartnerはみている。4位はWindows Mobile携帯やAndroid携帯を提供するHTCで、5位は富士通だった。

2009年第2四半期の世界スマートフォン販売台数(単位:千台)
社名 2Q09販売台数 2Q09市場シェア(%) 2Q08販売台数 2Q08市場シェア(%)
Nokia 18,441.0 45.0 15,297.9 47.4
Research In Motion 7,678.9 18.7 5,594.2 17.3
Apple 5,434.7 13.3 892.5 2.8
HTC 2,471.0 6.0 1,330.8 4.1
富士通 1,249.0 3.0 1,071.5 3.3
その他 5,688.2 13.9 8,085.8 25.1
合計 40,962.8 100.0 32,272.7 100.0
(資料:Gartner)

 Gartnerは2009年下半期に競争が激化すると予測している。携帯キャリアが奨励金付きで電子書籍リーダーやNetbookを販売するようになっていることから、携帯電話やスマートフォンへの奨励金が減り、キャリアは端末メーカーに値下げを求めるだろうと同社は述べている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年