ショップの情報検索やフロアマップが見られるi-MOP 仙台港は、端末を傾けて横画面にすると、画面が即座にマップに変わる。歩きながらの端末操作は、なるべくシンプルな操作でないとわずらわしくなるが、この操作性は非常にシンプルで、慣れると使いやすかった。
マップ画面にはPlaseEngineによって測位されたユーザーの現在地が表示される。近くに店舗のない広いスペースなどでは、現在地が多少ずれることがあったが、店舗に近い場所を歩いていれば、自分の居場所をかなり正確に把握できる。ただ、今回のアプリはiPhone 3GSのコンパス機能と連動しておらず、自分の向いている方向に応じてマップが動かないため、店舗の方向を把握するのに手間取った。
端末を縦方向に持つと、メニュー画面が現れる。ここから、気になるショップの情報や、お勧めの情報を閲覧することができる。ショップの情報はブックマークできるほか、ショップ情報を表示した状態で端末を横に傾けると、マップ画面にそのショップが「目的地」として表示される。事前に気になる店舗をブックマークしておけば、スムーズに目的の店舗を巡れそうだ。
また、アプリを起動しておくと、時たまおふにゃんが姿を現し、ショップの情報をくれるのだが、現れたおふにゃんは、指でなでたり、引っ張ったりすることでかわいらしい動きや表情を見せ、“電脳ペット”のような振る舞いもする。これはショッピングで退屈しがちな子供にも人気がありそうだ。
「ただショップ情報を提供するだけではインタラクティブ性に欠ける」(浜武氏)ということで作られたのが、遊んでにゃ! だ。施設内に隠されたおふにゃんのマークをカメラで写すと、画面からおふにゃんが飛び出し、クイズを出題する。宝探し感覚で施設を巡ることができ、これも子供が楽しみやすいアプリとなっている。
おふにゃんがクイズを出題する「遊んでにゃ!」の映像 |
期間限定の取り組みという背景もあって、実装を断念した機能も多かったという今回の“近未来ショッピング”。最も大きいのは、コスト面の問題から「アクセスポイントのインターネット通信機能を利用していない」点だという。「今回は位置情報のためだけにアクセスポイントを利用したが、これがインターネットに繋がれば、動画なども絡めたさらに詳細な情報を提供できる」と浜武氏は語る。
記者は今回、「ストレスなく近未来ショッピングを楽しむには、やはり“電脳メガネ”が欲しい」と感じた。ディスプレイに目を落としながら歩くのは、周りに対する注意が散漫になって危険だし、両手に「戦利品」を抱えた状態では、いかにiPhoneが直感的といえど操作は面倒だ。インターネット情報とリアルなショッピングの連動は、近年注目度が高まっている位置情報と連動したARアプリでも提供されそうだが、「ショッピングのじゃまをせず、上手に情報を提供できるか」が重要なポイントと感じた。
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