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» 2009年10月26日 20時55分 UPDATE

「ACCESS Linux Platform」は、端末メーカーを“脱ガラケー”に導けるか (1/2)

ACCESSが手がける携帯電話向けソフトウェアプラットフォーム「ACCESS Linux Platform」の概要が明らかになってきた。ロジックとUIを分離したアプリ、通信キャリア特有の機能を実現するオペレーターパックなど、端末メーカーを“脱ガラパゴスケータイ”に導く可能性を秘めた仕様が盛り込まれている。

[日高彰,ITmedia]
Photo 「ELSE」を紹介するACCESS 代表取締役社長 兼 共同最高経営責任者の鎌田富久氏

 ACCESSは、同社の携帯電話向けソフトウェアプラットフォーム「ACCESS Linux Platform(ALP)v3.0」(以下、ALP)がイスラエルの携帯端末開発会社、Emblaze Mobileに採用され、最初の搭載製品としてタッチパネル搭載の端末「ELSE」を共同開発していると発表した。

 ALPは、ACCESSが今後の同社の中核製品にすべく、ここ数年開発投資を行ってきたLinuxベースの携帯電話向けプラットフォームで、携帯情報端末向けのOS、ミドルウェア、アプリケーションなどを統合したものだ。携帯電話用Linuxの仕様策定を行うLiMo Foundationの仕様に準拠しているほか、各国の通信キャリアが個別に必要とする機能を追加するための「オペレータパック」と呼ばれる仕組みに対応しているのが特徴である。

 NTTドコモは、LinuxベースのFOMA端末の次期標準プラットフォームとしてALPを採用する意向を示しているが、搭載製品の具体的なロードマップは明らかにしていない。今回、それよりも先にEmblaze MobileのELSEがお披露目された格好だが、ドコモはオペレータパックの仕組みを2009年年末商戦向けの新機種から導入する予定と以前から表明しており、ドコモからも近いうちにALP搭載端末が登場する可能性がある。

 なお、ELSEは欧米の携帯電話事業者向けに供給される予定で、発売時期は未定。Emblaze Mobileは11月24日に正式な製品発表を行うとしている。

Photo ALPの構造

iPhoneにも匹敵する強烈な印象、軽快に動くUIデザインはSFそのもの

Photo キャプション

 その新製品ELSEは、正式発表前のプレビューということで機能や仕様の詳細については公開されていない部分も多いものの、一見しただけで従来のタッチパネル携帯とは一線を画すUI(ユーザーインタフェース)を備えていることが分かる。

 待受画面には円弧状に「Phone」(電話関連機能)、「Diary」(メール、スケジュール関連機能)、「Media」(コンテンツ関連機能)の3つのメニューが並んでおり、指で触れると青白くハイライトされる。円弧の外側へ向けて少し指をスライドさせると、表示がアニメーションして次の階層のメニューが現れる。例えばPhoneを選ぶと、ダイヤル、電話帳、着信履歴、リダイヤルなどの第2階層メニューが表示される。そしてさらにダイヤルを選択すると、短縮ダイヤルに登録した発信先のリストが表示されるほか、操作によってテンキーパッド画面に進むこともできるという具合だ。

 メニューの階層構成自体には特段のユニークさはないものの、メニュー項目が円弧状に並べられ、「画面に触れた指をスライドして選択→指を離すと決定」という操作体系になっているため、画面上に並ぶボタン状のアイコンを選択するUIとは異なり、片手親指の少ない動きでメニューの中を縦横無尽に移動していくことができる。

 また、先進的なUIを持つ製品は、初期段階で動きが“もっさり”していると評価されることも多いが、この日のデモを見た限りELSEは、操作に対するアニメーションにタイムラグは感じられず、かなり軽快に動作しているように感じた。実際の使用感はまだ分からないが、斬新なメニューも単に格好良さや見た目のアピールだけを狙っているわけではなく、使いやすさへの工夫が十分に感じられるものだった。

 そして何よりも、青白い色で統一されたクールなデザインがこのUIを特徴付けている。人によって好みは分かれるかもしれないが、ELSEの画面はSF映画に登場する未来の情報デバイスそのものである。スムーズなアニメーションともあいまって、初見時のインパクトはiPhoneにも匹敵するというのが筆者の個人的な印象だ。

ACCESSとEmblazeの携帯向けプラットフォーム「ELSE INTUITION」のUI
(ムービーはこちらからでも参照できます)


sa_alp03.jpgsa_alp04.jpgPhoto ELSEのユーザーインタフェース

sa_alp06.jpgsa_alp07.jpgPhoto UIは片手で操作することにこだわって開発しているという

 ELSEの仕様で公開されている部分は以下の通りだ。

ELSEの主なスペック
仕様 スペック
プロセッサ TI OMAP 3430
対応周波数 GSM/GPRS/EDGEクアッドバンド(850/900/1800/1900)W-CDMA/HSDPAトライバンド(850/1900/2100)
Bluetooth/Wi-Fi Bluetooth 2.0、IEEE802.11b/g
ディスプレイ 3.47インチフルワイドVGA(854×480)、26万2000色
タッチパネル 静電容量式
メモリ フラッシュメモリ16Gバイト、RAM 256Mバイト
カメラ 500万画素、オートフォーカス付き
GPS スタンドアロンGPS/A-GPS対応
サウンド SiSonicノイズキャンセルマイク、3.5ミリヘッドセットジャック
センサー 加速度/対物/光
バッテリー 1450mAh
サイズ 115.6×56.6×13ミリ

ロジックとUIを分離、アプリ側の変更なくUIを変更可能にする「Advanced UI Engine」

 ELSEのUIのさらなる可能性を感じさせるのが、ALPにミドルウェアとして用意される「Advanced UI Engine」の存在だ。

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