高校生のネット利用、親は実態を知らない――親子間で意識差調査リポート

» 2010年01月27日 17時12分 公開
[ITmedia]

 慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科とデジタルアーツは1月26日、高校生の携帯/インターネット利用に関するアンケート調査の結果を発表した。

 同調査は、生徒と保護者の携帯電話に対する意識の差やインターネットの利用実態の把握を目的に実施したもの。慶應義塾高等学校の第1学年全生徒の保護者を対象に、2009年9月11日から同28日まで実施したアンケートと、2009年6月8日から同12日まで実施した生徒向けアンケートとを合わせて集計して発表した。生徒数は719人、保護者数は458人。

 同調査によれば、携帯電話/PCともに、保護者は子供の利用時間を過小に評価している傾向が見られた。また、保護者は子供の携帯電話やPCの利用状況を知っていると考えているが、子供は親が知らないと考えているという傾向も見られた。PCはインターネットの利用時間に依存せず、約4分の3の保護者が子供の利用状況を把握しているが、携帯電話は利用時間が長くなるほど、子供の利用状況を把握していない結果となった。

Photo 携帯電話の利用時間に対する認識

 保護者と生徒との意識差は、インターネット上のトラブルに関しても見られた。子供の22.7%が、トラブルに遭遇した体験があると回答しているのに対し、子供の遭遇体験を認識していた保護者は10.0%にとどまっている。他方で、インターネット上のトラブルを回避する方法については、子供/保護者ともに「インターネットトラブルを具体的に知っておく」「フィルタリングを利用する」という回答が過半数を超えるなど、より具体的な対策を必要とする傾向が見受けられた。

Photo インターネット上のトラブル遭遇の実態

 PCスキルの低い保護者ほど、フィルタリングの有用性に対する認識が高いものの、フィルタリングソフトを提供してもソフトの利用率が低い傾向にあった。なお、青少年インターネット利用環境整備法については、保護者の約半数にあたる44.9%が「知らない」と回答している。

Photo 青少年インターネット利用環境整備法に対する認識

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