短期で安価なケータイ保険、新たな需要喚起に――ドコモの辻村氏

» 2010年03月30日 21時47分 公開
[後藤祥子,ITmedia]
Photo 握手を交わす東京海上日動火災保険 取締役副社長の家中隆氏(写真=左)とNTTドコモ 代表取締役副社長の辻村清行氏(写真=右)

 3月30日、NTTドコモと東京海上日動火災保険(以下、東京海上日動)が業務提携することで合意し、第1弾サービスとして携帯電話から24時間365日申し込める、短期で安価な“保険商品「ドコモワンタイム保険」を提供すると発表した。両社は提携を機に、互いの強みを生かした新たな保険サービスを共同で開発するとともに、法人販売チャネルの相互活用や、国際分野の共同展開を検討する。

 今回の提携は、ドコモが携帯電話の特性を生かした“必要なときに必要なだけ、かけられる保険”の開発を東京海上日動にもちかけたことから始まったとNTTドコモ 代表取締役副社長の辻村清行氏。これをきっかけに、「同じ発想でいろいろできるのではないか」と話が広がり、包括提携に発展したという。

 今後は(1)ケータイを活用した保険サービスの提供スキーム(2)法人向け販売チャネルの相互活用(3)国際分野における共同展開について両社で検討を進める方針。携帯電話と保険サービスを連携させることで、人が生活の中でリスクを感じたタイミングで適切な保険商品を案内したり、事故の際の保険金請求手続きや進捗報告に携帯を活用したり、携帯電話から最寄りの保険代理店につなぐ仕組みを構築したりといった利便性の向上につながるサービスのスキームを検討する。また、両社の法人販売チャネルや商品、サービスを相互活用することで法人マーケットの開拓を目指すとともに、携帯電話が急速に普及している海外市場での携帯活用型保険ビジネスの展開も検討する。

Photo 提携の概要

短期で手頃な価格のケータイ保険、オートGPSの活用も

 両社が4月下旬から提供するドコモワンタイム保険は、携帯電話の特性を生かして開発された傷害保険サービスで、“1泊2日、300円から”加入できるという、短期で手頃な価格が特徴だ。辻村氏は「ケータイを活用することで、ユーザーが“欲しいものを欲しい分だけ買う”というサービスのマイクロ化を実現し、手頃な価格で提供する。新たな需要を喚起するというチャレンジ」と胸を張る。サービスには位置情報ベースのレコメンドサービス「オートGPS」も活用しており、ユーザーが空港に行ったら旅行の保険、ゴルフ場に行ったらゴルファー保険をメールで案内するなど、利用の喚起につなげる仕組みも整えた。

Photo ドコモワンタイム保険のサービス概要

 サービス開始当初は「スポーツ・レジャー保険」「ゴルファー保険」「国内旅行保険」「海外旅行保険」の4種をラインアップ。NTTドコモでフロンティアサービス担当部長を務める江藤俊弘氏は「より多くの人からの申し込みが期待でき、短期の保険に適しているイベントを選んだ」と説明。補償内容は、1泊2日300円のゴルファー保険のプランで賠償責任が3000万円、ホールインワン保険が30万円で、「手ごろな価格で十分な補償内容になっている」(江藤氏)と自信を見せた。

 この保険は加入から支払いまでを携帯電話だけで行えるのも特徴の1つ。文字入力がしづらい点を考慮し、テキスト入力は本人確認のための暗証番号と保険適用日など、必要最小限にとどめている。利用料金は翌月の携帯の利用料と合わせて支払うことが可能だ。

 両社はサービス開始から3年をめどに、300万〜400万契約の獲得を目指す。黒字化の時期については「契約数の伸びにもよるが、2〜3年を目途に考えている」(辻村氏)とした。

Photo サービスの提供フロー

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