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神尾寿のMobile+Views:快進撃はいつまで続く?――本格普及期に入ったiPhone(後編) (2/2)

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 このようなアプリ/コンテンツ市場の大きさは、iPhoneにユーザーを惹きつける。そしてユーザーが増えることが、さらにアプリやコンテンツの制作者を惹きつけるという好循環を生みだしているのだ。日本のコンテンツプロバイダーやゲームメーカーにとっても、iモードなど従来型のケータイ向けと同じく、“有料でコンテンツやサービスを買う市場”が構築されていることは大きなメリットだ。実際、先見性や行動力のある日本企業ほど、iPhone OSのプラットフォームにいち早く参入し、実績とノウハウを蓄積している。後発のAndroidやWindows Phoneも、コンテンツとアプリのエコシステムを重視する方向に舵を切っているが、iPhoneのそれと比べると、質・量ともに見劣りする。この分野におけるAppleの優位性は、未だ揺らいでいない。

 しかし、その一方で、iPhoneがさらに一般層まで広く、深く浸透するには課題も残されている。

 iPhoneは、その利用開始からコンテンツ/アプリの活用まで、iTunes/PCとの連携を前提にしている。パソコンの世帯普及率が85%を超え、とりわけ10代後半から20代のパソコン利用率が10年前より高いことを踏まえれば、今のところそれはiPhone普及の妨げにはなっていない。

 しかし、今後さらにiPhoneの裾野を広げるためには、PC連携前提のみだと普及のハードルになる。また、Appleではメールや各種シンクロ機能を提供する個人向けクラウドサービス「Mobile Me」を提供中だが、これとiPhoneとの組み合わせは使い勝手が抜群にいいものの、年間9800円という価格が利用の足かせになっている。iPhoneをより幅広い層にまで広げるには、iTunesのクラウド化と、Mobile Meへの無料プラン導入が必要になるだろう。次期iPhoneにあわせてこれらの課題解決を図るかどうかも、WWDCの注目ポイントである。

iPhoneはさらに先を行く

 筆者はiPhone 3Gが発表されたとき、そのイノベーションとビジネスモデルを「津波」と評した。日本のキャリアとメーカーが古いビジネスモデルを変えて、新たな時代に対応しなければ、iPhoneという津波に押し流されることすら考えられると書いたのだ。

 あれから2年。筆者の予想どおり、iPhoneは巨大な波となって日本市場を席巻し、その影響力は日増しに強くなっている。

 今年に入ってからは、ドコモが販売したソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズの「Xperia」が好調なセールスを記録し、auも日本市場向けのスマートフォンとして「IS01」と「IS02」を投入するなど、iPhoneに追随して新たなスマートフォン市場を作る動きが活発化してきている。

os_xperia02.jpgPhoto 発売以来、好調に販売台数を伸ばしているドコモの「Xperia」(写真=左)。ドコモは秋以降にSamsungの「Galaxy S」(写真=右)ベースのAndroid端末を投入するとしている

os_is01-02.jpgPhoto KDDIのコンシューマー向けスマートフォン。Android端末の「IS01」(写真=左)とWindows phoneの「IS02」(写真=右)

 しかし、本格普及期に入ったiPhoneに追いつくには、ドコモやKDDIのスマートフォンへの取り組みは“まだ遅い”と言わざるを得ない。誤解を恐れずにいえば、従来のケータイとの棲み分けや2台目市場での展開を悠長に考えている余裕はなくなった。AndroidやWindows Phoneを「1台目のスマートフォン」として訴求し、従来型のケータイからの移行を強く促すくらいのスピード感を持たなければ、iPhoneには追いつけないだろう。携帯コンテンツビジネスも同様であり、iPhoneをはじめとする次世代のプラットフォームを強く意識し、先手を打っていくフットワークが必要である。

 iPhoneはインターネットと人々の生活を進化させようとしている。そして、海外だけでなく日本でも、一般ユーザーがiPhoneに呼応し始めた。Appleの快進撃は、まだまだ続きそうだ。

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