KDDI、中小企業向け法人サービスに本腰――西新宿に体験型ショールームをオープン

» 2010年09月30日 19時10分 公開
[後藤祥子,ITmedia]

 KDDIは、中小企業のIT導入をサポートするサービス「KDDI まとめてオフィス」のショールームを公開した。ショールームは10月1日から、KDDI新宿ビル1階にオープンするもので、まとめてオフィスの会員企業は、KDDIの各種法人向けサービスや複合機器を、ネットワークに接続した環境下で試せるようになる。

Photo テープカットの様子(写真=左)。オフィスを模したショールーム(写真=右)

会員は予想を上回るペースで増加、会員企業は3万超に

Photo KDDI ソリューション第2営業本部長の佐藤司氏

 KDDI まとめてオフィスは、通信サービスからOA機器の導入、オフィスサプライ品の購入に至るまでの、幅広いオフィス向けサービスをワンストップで提供する会員制サービス。中小企業の総務や経理に大きな負担をかけることなく、IT関連サービスの導入/運用やオフィス環境の整備を行えるようサポートする。

 サービスは、KDDIが提供する各種通信サービスのほか、オフィスサプライやIT機器販売、ASP/クラウドサービス、サポートサービス、ビリングサービスで構成され、会員企業は自社に必要なサービスを組み合わせて導入することが可能。また、導入にあたっては、KDDIが企業の要望を聞いた上で機器やサービスを提案するコンサルティングサービスも提供するため、IT関連の専門部署を持たない企業でも導入しやすいという。ほかにも、IT機器のリース料やKDDIの通信サービスの請求を1本化できるほか、サポートについても複合機器からネットワーク関連までを1つの窓口で受け付けるなど、シンプルに運用できるのが大きな特徴だ。

 KDDI ソリューション第2営業本部長の佐藤司氏は、7月のサービス開始から約3カ月で会員企業が3万3000社に達するなど、予想以上のペースで会員が集まっていると説明。サービスを提供する企業も9月末で約20社まで増え、「さらにさまざまなメーカーから『一緒にサービスをつくっていきたい』といわれている」(佐藤氏)など好調に推移しているという。

 KDDIはこのサービスを、中小企業へのリーチが難しいと感じているメーカーと、サービスや製品の導入で迷っている中小企業を結びつけるプラットフォームに育てたい考えで、「ゆくゆくは新たな収益源として、法人事業の柱にしたい」と佐藤氏。そのためにも「さまざまなメーカーにKDDIの販売チャネルを活用していただきたい」と、サービスへの参加を呼びかけた。

Photo “KDDIに頼めばすべてやってくれる”というのがKDDI まとめてオフィスのサービス像。今後はサービスの参画企業を増やし、中小企業とメーカーを結びつけるプラットフォーム化を目指す

ショールームで“ITのあるオフィス環境”を体験

 10月1日にオープンするショールームは、会員企業に“ITのあるオフィス環境”を実際に体験してもらうことを目的に開設するもので、当初は6企業9メーカーが出展。複合機やネットワーク製品、パッケージ製品を置いているので「サービスに触れてイメージをつかんだ上で、購入を検討していただける」と佐藤氏は胸を張る。ネットワーク製品については、不況時に出張費を抑えられるとして注目を集めているテレビ会議システムと、自動バックアップに対応するファイルサーバサービスを紹介しており、こちらも実際に試すことが可能だ。

 ショールームの展開については、まずは東京を皮切りにサービスのラインアップを充実させ、順次、東名阪などにも展開する方針だ。

Photo ショールーム開設の狙いと出展イメージ

Photo ショールームで実体験できるワンタッチ接続のテレビ会議システム

Photo 複合機も試すことが可能。携帯電話は法人向け端末を試せる


 2年前のリーマンショック以降、中小企業のIT投資は縮小傾向にあったが、「今年に入ってから、復調し始めている」と佐藤氏。こうした中、KDDIでは携帯電話と固定通信サービスをトータルソリューションとして提供できる強みを生かしながら、“導入のしやすさ”にフォーカスしたサービスを提供することで、中小企業の取り込みを狙う。

 「通信だけにとどまらない、幅広いオフィス向けサービスをワンストップで提供することで“KDDIに頼めばすべてやってくれる”という安心感”も提供したい」(佐藤氏)

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