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» 2011年03月09日 13時28分 UPDATE

企業向けアプリの「デファクトスタンダード目指す」――コンテンツ配信システム「Handbook 3」登場

iOS端末やAndroid端末に資料やカタログなどの各種コンテンツを配信できる企業向けサービス「Handbook」に、新バージョン「Handbook 3」が登場した。顧客への商品紹介や会議のペーパーレス化など、ビジネス利用に配慮した機能強化が行われている。

[山田祐介,ITmedia]

 インフォテリアは3月8日、企業内のドキュメントやファイルをスマートデバイスに配信するためのサービス「Handbook 3」を発表した。同サービスは従来から展開する「Handbook」の機能を強化したもの。アプリのUI(ユーザーインタフェース)を改善したほか、コンテンツ配信システムの機能拡張や、セキュリティ機能の拡充などを行っている。iPad向けアプリを4月下旬から提供開始し、Android向けアプリも順次公開する予定。料金は従来と変わらず、SaaS版はデータ容量500Mバイトにつき月2万1000円となる。

PDFの手書きサポートやセキュリティ機能拡充でさらに“企業向け”に

 Handbookは、Webブラウザ上でカタログやマニュアルなどのコンテンツを簡単に作成でき、iOS端末やAndroid端末に対して配信できるサービス。コンテンツ管理システム「Handbook Studio」と専用ビューワアプリ「Handbook」とで構成される。管理者がユーザーを限定してテキストや動画といった各種コンテンツを配信できるほか、アンケートや試験の実施なども可能だ。2009年6月にiPhone向けにサービスを開始し、2010年夏にはiPadやAndroid向けアプリも展開。ワンソースマルチデバイスのコンテンツ配信プラットフォームとして利用できる。

 今回発表されたHandbook 3では、顧客への商品紹介といった利用シーンに配慮し、アプリのビジュアル面を強化。配信する各種資料をアプリ上で美しく並べられる「タイルレイアウト」を採用したほか、アプリの背景画像もカスタマイズに対応し、企業それぞれがデザインを追求できる。

photophoto 背景画像のカスタマイズ(写真=左)と、タイルレイアウトの1例(写真=右)

photo PDFに手書きメモを残せる

 アプリに配布されたPDFに対し、紙の資料と同じような感覚でユーザーが手書きでメモを書き足したり、マーカーを引いたりすることも可能になった。これにより、会議のペーパーレス化ソリューションとしても使い勝手を高めている。外部アプリとの連係機能も強化し、Handbookアプリで選択したPowerPointやKeynoteのデータを対応アプリに受け渡せる。

 アプリのバージョンアップに合わせ、Handbook Studioの機能も強化されている。複数ファイルをドラッグ・アンド・ドロップで簡単に一括アップロードできるようになったほか、フォルダの階層構造をHandbookの表示に反映することもできる。4月のiPadアプリ配信時に間に合うかは不明だが、Dropboxとの連携機能も近日中に実装され、DropboxのファイルをHandbookのコンテンツとして簡単にアップロードできるようになる。


photo Handbook Studio

 また、Handbook Studioから設定できるセキュリティ機能も強化され、(1)クライアントのパスワード保存の禁止、(2)接続を許可するデバイスの種類の指定、(3)デバイスIDに基づいたログイン制限、(4)クライアントのキーコードの設定の禁止、が新たに可能になった。配信するコンテンツ単位のセキュリティ機能として、コンテンツの編集可能者の指定や、配信有効期限の設定もできるようになっている。

スマートデバイスは「必ず企業のインフラになる」

photo インフォテリア代表取締役社長 平野洋一郎氏

 iPhoneやiPad、Android端末をはじめとするスマートデバイスは、「将来必ず企業のインフラストラクチャになる」とインフォテリア代表取締役社長 平野洋一郎氏は語る。「スマートデバイスは、まだ“新しもの好き”のためのものと思われている部分があるが、かつてはPCやインターネットもそういったものだった。しかし、今ではどちらも企業のインフラになっている。スマートデバイスにも、そうした流れが生まれるはず」(平野氏)。こうした思いから同社はHandbookを展開し、同サービスを「企業におけるコンテンツ配信システムのデファクトスタンダード」に育て上げたい考えだ。

 対応デバイスの中でも特に需要を見込むのがタブレット端末で、今回のHandbook 3もiPad版からの提供となる。同社執行役員 スマートソフトウェアビジネス部の穴沢悦子氏によれば、Handbookはリリース当初、教材の配信といった教育分野での利用が多かったが、iPadの登場を期に状況が変化。社内資料の共有や、社内研修、顧客に対するプレゼンテーションといった“ビジネスの現場での利用”が一気に増加し、現在では全体の81%が企業ユーザーとなっている。最近では特に「会議での利用が増えている」(穴沢氏)とのことで、野村證券といった大手企業も会議資料配信システムとしてHandbookを導入している。

 詳細な数字は伏せられたものの、Handbookの導入企業数は「3桁になっている」(平野氏)という。導入企業の増加に伴って、Handbookの2010年度第3四半期売上は前年同期比で425%増にまで拡大した。現状ではiOS端末での利用が主というが、今後はAndroidを採用したタブレット端末やスマートフォンの企業利用も増加することも予想され、Handbook導入の追い風になるとみる。年内には導入企業数が「4桁もいけるのではないか」(平野氏)と、同社では大幅な導入拡大を見込んでいる。

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