最終決定間際の新提案、ネスレ日本の心を動かした“サイト変換ソリューション”の実力とはスマートフォン時代のサイト変換ソリューション

モバイルサイトのスマートフォン対応と運用の効率化を目指してソリューション導入の検討を始めたネスレ日本。大手のソリューションに決めかけていたが、最終決定の直前にシンメトリックの「ラウンドアバウト」を選択した。導入担当者が「ラウンドアバウトがなければ絶対に不可能」と信頼を寄せる、このソリューションの優位性とは?

» 2011年04月06日 09時30分 公開
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Photo コーヒーやチョコレート菓子、調味料、ミネラルウォーター、ペットフードなど、多数のブランドを展開するネスレ日本

 2011年、携帯電話を取り巻く環境が大きく変わり始めている。その大きな要因の1つがスマートフォンの台頭だ。iPhoneの登場を契機にスマートフォンの利用者が急増し、Android端末のリリースラッシュがそれに追い打ちをかけている。

 こうした中、携帯インターネットが普及している日本では、携帯電話向けサイトをスマートフォンで閲覧したいというニーズが高まっており、対応を検討する企業が増えている。

 世界最大手の総合食品飲料企業・ネスレの日本法人であるネスレ日本は、いち早くスマートフォン対応に取り組んだ企業の1社だ。iモードサービスが始まった1999年に携帯サイトをオープンし、2000年には大手3キャリアの公式対応を果たすなど、携帯電話向けの情報提供に注力してきた同社は、スマートフォン対応についても早い時期から検討を進めてきたといい、ホスティングサービスの切り替えというサーバ環境の変更を機に、スマートフォン時代を見据えたWebコンテンツ制作環境の構築に着手した。

 ネスレ日本が選んだサイト変換ソリューションは、シンメトリックの「ラウンドアバウト」。サイト運営者がWeb標準の技術を使ったスマートフォン向けサイトを1つ作成すれば、あとはシステム側がサイトにアクセスしてきた携帯電話の仕様に合わせて画像の縮小やHTMLの変換を自動で行い、マルチデバイス対応のサイトを生成するというソリューションだ。

 ネスレ日本がラウンドアバウトを選んだ理由から実際の導入フロー、導入によってもたらされた効果について、ネスレ日本 コミュニケーションズ&コーポレートアフェアーズ本部 ウェブ&モバイルコミュニケーション室の高田耕造氏と、同室長を務める揖斐理佳子氏に聞いた。

Photo スマートフォン向けサイトを作成すれば、あとは携帯電話に最適化したサイトをシステム側が自動生成する

課題は「サイト運用の効率化」と「スマートフォン対応」

Photo ネスレ日本でモバイルサイトの運用を手がける高田耕造氏

 ネスレ日本は、携帯電話を通じた情報発信に積極的に取り組んでおり、商品情報からキャンペーンの案内、読み物、待ち受け画像などのコンテンツ、企業情報にいたるまで、PCサイトなみに情報を発信している。コーヒーの「ネスカフェ」やチョコレートの「キットカット」、調味料の「マギー」をはじめとする多数のブランドを展開しており、非常に多くのWebサイトを並行して運営しているのが特徴だ。

 もともと携帯大手3キャリアの公式サイトとして立ち上がったという経緯もあって、同社の携帯サイトは3つの独立したサイトを手作業で作成する形で運営していた。その後ASP(Active Server Pages)を導入し、共通の部分については一定の範囲で動的にページを生成することが可能となってはいたが、依然として「i.nestle.co.jp」「e.nestle.co.jp」「v.nestle.co.jp」といった形で3つのサイトを運用するという手間がかかっていた。

 携帯電話の性能が低い時代には、3サイトをメンテナンスするための手間やコストはそれほど大きな負担にはならず、同社でも携帯電話用コンテンツ変換ソリューションが出始めたころからその導入について検討はしていたが、当時は作業コストよりもシステムの導入/運用のほうが高くつくと判断し、導入を見送ってきた。しかし、携帯電話のWebブラウザがPCなみの表現力を備えるようになり、しかもiPhoneのヒットによって従来の3キャリアに加えてスマートフォンへの対応も図らなければならなくなってくると、アクセスしてくる端末に応じて複数のサイトを用意するという運用形態はいよいよ現実的ではなくなってきた。

 日本の“スマートフォン元年”となった2010年、偶然にも“Webサーバのシステム変更”というタイミングが訪れた。従来、ネスレ日本のWebサイトはグローバルで共通利用している米国のホスティングサービス内に置かれていたが、これを国内のホスティング会社に切り替えることになったのだ。

 サーバの環境が変わってCMSも変更となるため、継続利用する同じコンテンツについても新たなシステムへの乗せかえ作業が発生する。これを契機にネスレ日本は、スマートフォンなど最新のITトレンドにも対応できるようWebコンテンツの制作環境自体を全面的に見直すことを決め、コンテンツ変換ソリューションの導入を検討し始めた。

シンプルな設計思想に共感、導入に手がかからないのもメリット

Photo ベースとなるスマートフォン向けサイトを用意するだけで、フィーチャーフォン向けサイトも自動で生成されるようになる

 多くの携帯サイト向けコンテンツ変換ソリューションがある中、ネスレ日本がシンメトリックの「ラウンドアバウト」を選んだ理由は、“スマートフォン(最新端末)に最適化した1つのHTMLソースを書くだけで、従来のほぼすべての携帯電話向けにサイトを自動変換する”という明快なアーキテクチャにあった。

 製品の説明を受けて「すぐにメリットが分かった」という高田氏は「従来のソリューションがスマートフォン対応を追加機能のように実装していたのに対して、ラウンドアバウトは“スマートフォン用のソースさえ書けばいい”という設計思想が非常にシンプルで優れていると感じました」と話し、ラウンドアバウトは分かりやすく、将来に向けた発展性のあるソリューションであると評価する。

 加えて、独立した変換サーバではなくApacheモジュールとして動作するため、「パフォーマンスが高くレスポンスも優れており、導入や運用にあたっても特別な手順や制限が発生しないことも重要なポイントだった」と振り返る。

 また、ブランドや商品ごとに多くのサイトを運営している同社では、それぞれのサイトを異なるWeb制作会社に発注しており、多くの制作会社との間でやりとりが発生する。そのため、新規プロジェクトのたびに通知しなければならないシステム上の制約事項が多いと、制作プロセスが非常に煩雑になってしまう。ラウンドアバウトにはシステム固有の特殊なタグの記法などがなく、XHTML+CSSというWebの標準技術に沿ってWebをデザインをすれば、端末側の環境の差はシステム側で吸収してくれるので、取引先が増えても発注時の手間を最小限に抑えることが可能であり、この点も導入の決め手になったという。

 さらにラウンドアバウトの最新エディション「ラウンドアバウト ビヨンド」では、変換機能をWebプロキシとして提供することも可能となったため、複数のWebサーバを運用している環境においても単一のシステムでコンテンツ変換をまかなえる。コンテンツが複数のサーバに分散していた同社の環境には、この点も大きなメリットだった。

 今回のシステム刷新において、ネスレ日本は当初ラウンドアバウトの存在を知らず、取引先のWeb制作会社を通じてあとからこのソリューションを紹介されたという。導入製品の選定プロセスの中では、最終決定時期の直前に候補として飛び込む形となったが、上記のような優位性と先進性が評価され、導入はすんなりと決まったそうだ。

Photo 新製品のラウンドアバウト ビヨンド。複数サーバでサイトを運営している場合でも、単一システムでコンテンツ変換が可能だ

ラウンドアバウトの特徴

  • スマートフォン向けワンソースを、ほぼすべてのケータイ向けに自動変換
  • Web標準の技術でサイトを制作可能
  • 複数Webサーバの運用環境でも、単一のシステムでコンテンツ変換が可能(ラウンドアバウト ビヨンド)
  • 導入や運用にあたり、特別な手順や制限が発生しない


サイトの制作期間が大幅に短縮、コスト削減効果も

 ネスレ日本は、2010年10月から国内のサーバ上で携帯サイトの運用を開始し、準備が整ったものから順次、スマートフォンと携帯電話の両方に対応したサイトを公開している。今年に入って、キャリアごとに用意していた3つのドメインも1つに統合。現在では、新規に立ち上げる携帯サイトはすべてラウンドアバウトの利用が前提となっており、Compact HTMLなどの従来仕様による開発はポリシーとして禁止している。

 ラウンドアバウトの導入で劇的に変化したのは、サイトの制作期間だ。最短の事例としては、画像投稿フォームなどを含むキャンペーンサイトの制作において、入札で制作会社を決定してからサイトをオープンするまで、わずか2週間で終えられた案件もあったそうだ。従来の環境であれば作業期間を最低でも1カ月は見積もる規模の案件であり、「ラウンドアバウトがなければ絶対に不可能」(揖斐氏)な制作期間を実現できたという。

 サイトの制作コストを抑えられるようになったのも大きいと揖斐氏。最近ではキャンペーンでより多くの応募を集めようとするなら、スマートフォン対応が必須だが、従来のようにスマートフォン用の別サイトを用意する形では、その分の制作コストが上乗せでかかってしまう。しかしラウンドアバウトを導入すれば、案件ごとのスマートフォン対応コスト自体をないものにできてしまう。具体的なコスト削減幅は導入ケースによって異なるだろうが、ネスレの場合「導入コストもあっという間にペイしてしまう」コスト感だと話す。

 また、複数サイトを並行して運営している同社にとって便利だったのが、フッタなどの各ページの共通パーツをコンテンツ変換エンジンのルールとして記述できることだ。独自タグに対するオリジナルの変換ルールを定義しておくことで、端末に応じた共通フッタを出力できるので、管理が容易になるとともに、「ネスレサイトとしての統一感を出せるようになった」(高田氏)という。

Photo 異なる商品のサイトでも容易に共通のフッタを設定できる

導入の実作業は1〜2週間、迅速なサポートに感嘆

Photo ネスレ日本 ウェブ&モバイルコミュニケーション室 室長の揖斐理佳子氏

 以上のように高い効果を得られたということだが、導入プロセスにおいて不安に感じることはなかったのだろうか。特にシンメトリックはソリューションベンダーとしてはかなり小規模で、ネスレのような大企業とのやりとりにおいて十分なサポート体制を提供できたのかという点は気になるところだ。

 この点については、揖斐氏、高田氏ともまったく不安はなく、高い満足度を得られていると話す。1つには、ソリューション自体がシンプルな設計思想と高い技術をベースに開発されており、導入や運用にあたっての手間そのものが少ないという点が挙げられる。

 高田氏によれば、導入にあたって約1カ月を準備期間に充てていたが、その間で実際に作業を行ったのは1〜2週間程度の感覚だったという。製品自体がApacheモジュールとして提供されるため「Webサーバを運用している人であれば、誰でも簡単にインストールできる」(高田氏)レベルの作業で導入が完了し、その後の運用においても、Web制作会社に対しては一度基本的な仕組みさえ伝えれば「その後ほとんど質問もなく(ベースとなるサイトを)作ってしまう制作会社が少なくない」(同)という。また不具合らしい不具合に遭遇したこともなく、平時の運用においては「問い合わせ自体が、ほとんど発生しない」と高田氏。導入プロセスにおいてネスレ日本とシンメトリックが顔を合わせたのは1回きりで、あとは電話かメールでの連絡ですべて済むほどスムーズに導入できたそうだ。

 また、Web制作会社やホスティング会社を含めたやりとりの中で不明な点が発生したときも、「レスポンスがものすごく早い」(高田氏)ことから問題の解決が早く、制作会社の問い合わせにも必要に応じてシンメトリックの担当者が直接対応している。対応の早さは、揖斐氏が「対応が信じられないくらい早いので、最初は“うち以外のお客さんがいないのかな”と心配になるくらいだった(笑)」と話すほどだ。

 ネスレ日本では、コスト削減とビジネスプロセスのスピードアップを図りながら、これまで対応できていなかったスマートフォンユーザーのサイトへの取り込みを可能にするソリューションとしてラウンドアバウトを高く評価しており、その活用によってモバイルを利用した顧客とのコミュニケーションをさらに豊かで質の高いものにしていきたいとしている。サイト運用の手間やコストを軽減しながら、スマートフォンへの対応も果たせるラウンドアバウトは、これからもモバイル端末を通じたネスレ日本の情報発信を強力にサポートすることだろう。

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提供:株式会社シンメトリック
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia プロフェッショナルモバイル編集部/掲載内容有効期限:2011年4月26日