ニュース
» 2011年07月28日 22時01分 UPDATE

KDDI、法人向けAndroidセキュリティ管理のトライアル提供を開始

KDDIは8月下旬から、法人向けAndroidセキュリティ管理サービス「KDDI 3LM Security」を導入検討企業に無償でトライアル提供する。OSそのものに手を加えて高度なセキュリティ機能を組み込むのが特徴。

[山田祐介,ITmedia]

 KDDIは7月28日、法人向けAndroidセキュリティ管理サービス「KDDI 3LM Security」のトライアル提供を8月下旬に開始すると発表した。米Three Laws of Mobility(3LM)のAndroid向けセキュリティ技術を採用したサービスで、OSそのものに手を加えて高度なセキュリティ機能を組み込む。アプリの機能制限をはじめとする各種デバイス管理機能や、独自のVPNサービスも提供する。

photophoto 管理者向けPC画面ではアプリに許可するハードウェア機能など、こまかな設定が可能(写真=左)。端末にはクライアントアプリをインストールする(写真=右)

 トライアルでは利用検討者に無償でサービスを提供する。本格提供は11月から。独自VPN機能やExchange連携機能を提供しないASP型と、宅内設置型のプランを展開する。料金は未定だが月額モデルを検討中という。また、同サービスを基盤とした一般ユーザー向けセキュリティサービスも秋に開始する。

 対応端末は現状「SIRIUS α IS06」「G'z One IS11CA」「EIS01PT」の3モデルで、順次拡大する。秋以降に発売するAndroid端末は全機種対応する見込み。

暗号化からアプリのインストール管理まで

photo KDDI 執行役員 商品統括本部長の牧俊夫氏

 IDC Japanの予測によれば、2011年のスマートフォンの法人導入台数は前年比2倍の134万台となり、2015年には500万台規模にまで成長するという。KDDI 執行役員 商品統括本部長の牧俊夫氏はこうした予測を上回る速度でスマートフォンの法人導入が進むとの考えを示し、その条件としてAndroid端末のセキュリティの担保を挙げた。

 牧氏は、Android端末はPCと同様、さらにはプラスアルファのインシデントが発生する可能性があると話す。端末の普及にともないAndroidを狙うマルウェアは増加しており、トレンドマイクロの報告では不正プログラムのパターンファイル数は6月時点で80と、半年で16倍に拡大している。マルウェアは現状、アプリを経由して感染するケースがほとんどだが、ユーザーがアプリの良性/悪性を見分けることは難しいと牧氏は指摘し、セキュリティソリューションの必要性を訴えた。

 こうした背景からAndroid向けセキュリティアプリが複数登場しているが、KDDI 3LM Securityでは、アプリでは実現できない強固なセキュリティをOSレベルで提供するという。

photo 3LMのトム・モスCEO

 機能の1つは、端末内やSDカード内のデータ暗号化だ。3LMのトム・モスCEOによれば、端末データ全体の暗号化に加え、任意のアプリのデータみを暗号化することもできるという。独自のVPN通信機能では、TLSとAESによる暗号化に対応する。Android標準のVPNよりも動作が軽く、扱いやすいとモス氏は話す。

 端末紛失などの備えとして、管理者による強制パスワード変更や、リモートロック/ワイプの機能も備える。データ消去は、例えば企業アプリの情報のみを削除するといった範囲の指定が可能だ。端末の位置検索や位置情報の定期的な収集にも対応する。

 アプリケーション管理機能は、細かな設定ができるのが特徴だ。インストール可能なアプリのホワイトリスト/ブラックリストを作成できるほか、アプリに許可するデバイス機能(カメラ、ワンセグ、FeliCa、赤外線など)も、それぞれをホワイトリスト/ブラックリストでコントロールできる。

 Androidマーケットでは、アプリが許可を求めている権限がインストール前に表示されるが、「ユーザーの多くは読まずに許可してしまう」(モス氏)。KDDI 3LM Securityでは、ユーザーが警告を読まずにアプリをインストールしても、権限が必要な機能へのアクセスをシャットダウンするため、安心して利用できるという。

 そのほか、リモートによるアプリケーションのインストールや削除、アプリを勝手に削除できなくするといった機能も備える。


 3LMは元グーグル社員が2010年7月に創業したばかりのスタートアップ企業で、2月にモトローラ・モビリティが買収した。モトローラに加え、HTC、ソニー・エリクソン、シャープなど12社以上のメーカーと協業。モス氏によれば、3LMのフレームワークを取り入れたAndroid端末は米国で数百万台出荷されている。「年末には数千万台規模になる見込み」(モス氏)。大手企業や政府機関など20の取引先が3LMのセキュリティソリューションをトライアル利用し、50社がトライアルに向けた準備を進めているという。

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.